10 / 11
【こぼれ話】『射止めたい、先輩を』
しおりを挟む
とある金曜日の夜。
明智は四年先輩であるニノ木と共に職場近くにある飲み屋に来ている。
普段は神楽井観察に忙しく、仕事以外ではあまり他人との交流をしない明智ではあるが、持ち前の人当たりの良さのおかげもあってか別に職場でまともに話せる相手がいないという訳ではない。職場でたまにある自由参加な飲み会に参加しないのは『神楽井先輩が来ないから』であるのは周知されているし、仕事以外で話し掛けないのは明智の『観察』の邪魔をしない為なのである。本当にただの観察程度に留めているおかげとはいえ、実に寛容な職場だ。
「どしたぁ?今日は珍しいねぇ私を飲みに誘うなんて」
女性ウケしそうなちょっとオシャレな店なのに、まずはビールと居酒屋みたいなノリで二杯注文し、乾杯を済ませるなりニノ木が明智に訊いた。普段接点がほぼ無いだけに、誘われた理由が思い当たらないのだが、後輩が頼ってきている嬉しさで今日は来た感じだ。
「実は、ニノ木先輩に相談がありまして」
「相談?」
「はい」
「何々?答えられる範囲ならいいけど」
「気になる人が、自分に一目で惚れてくれる様にって、どうやったら出来ますか?」
「あ、ごめん。私もそれ知りたいわ。もし運良くわかったら教えてくれる?」
ニノ木が真面目な顔でそう返した。そんな方法が世の中にあるならマジで知りたい。
「じゃ、じゃあ、神楽井先輩の女性の好みって知ってませんか?」
「そんなの——」とまで言って、言葉が途切れた。『明智そのものじゃないの?』と言うのは野暮な気がしたからだ。
「明智さんの方が、知ってるんじゃないの?だってぇ、しょっちゅう神楽井の事見てるんだしぃ」
フフッとニノ木が笑うと、「やっぱバレバレですよねぇ」と明智が苦笑いをした。入社からの二年間ずっと仕事の合間を縫って観察し続けているんだ、誰だってすぐに気が付く。それなのにそうと気が付いていないのは、勘が良いのか悪いのか、見事に視線がぶつかるのを回避し合っている神楽井くらいなものだ。
「いやいや。ニノ木先輩はほら、神楽井先輩の同期じゃないですか。この二年間じゃわからない事も、先輩なら知ってるかも?と思って」
「もしかして、最近明智さんの格好が迷走してるのって、神楽井の好みを探ってたの?」
「……アレじゃ、やっぱ、迷走してるって思っちゃいますよねぇ」
「いやいや、ごめん。言い方が悪かった!どれも完璧に着こなしていたから、『迷走』はちょっと違うね。でもほらずっと大人しそうな清楚系だったのに、可愛い系いったと思ったら、週跨いで急に今度は綺麗めにとか、路線が全然違う方向へのシフトがもう上手過ぎて、もはやコスプレレベルだったからさ」
(アレ見て、『神楽井狙いじゃなくなったんじゃ?』って勘違いした奴らが明智さんに惚れ始めちゃったもんだから、どう見たって神楽井がめっちゃ焦ってんだけど、コレ言っていいもんなのかなぁ……)
うーんと心の中だけでニノ木が悩む。どう見ても両片想いな二人の背中を押したい気もするが、無粋なのでは?とも考えてしまった。
「このままじゃ埒が開かないなと思って色々試して、反応見てたんですけど……神楽井先輩無反応なんですよねぇ」
(いや、めっちゃ動揺してたよ?何なら口元隠して肩振るわせてましたが?真っ赤に染まるティッシュで鼻押さえている日だってあったけど、仕事忙しくて見てなかったのかな)
「色々もっと試してみたいんですけど、流石に幼女系とか旅館の女将とか、ナースみたいな制服系とか無理なものも多くって……」
「そうだね、絶対に止めようね」
(良識の範囲内で止まってくれて本当に良かったぁぁぁぁ!服装には寛大な職場だけど、そこまでいったら流石にアウトだもん!)
とニノ木は心から思った。
「しっかし、そんなに神楽井が好きなら、何で玉砕覚悟してでも告白しないの?」
「そう、思いますよねぇ……」と言い、明智が溜息をこぼす。次々に来る注文の品を少しづつ摘みながら、「……その、自分、『めっちゃ激重執愛系男性』が好きでして」と急に性癖を暴露し始め、ニノ木が少しビールを吹いた。
「ご、ごめ!失礼っ!ちょ、ビックリして」
何度か咳き込みながらニノ木が謝罪する。突然の事に驚いただけだが、人の好みを馬鹿にしてしまったみたいで何だか申し訳ない。
「大丈夫です。自分でも拗らせている自覚があるので」
「え、えっと、それって、彼氏に束縛されたいとか、そんな感じ?」
「ですです。ストーカーレベルでも大歓迎です!なんだったら、ただの隣人だった人にいきなり監禁されて、毎日愛を囁かれても喜んじゃいます!」
此処が個室で本当に良かったとニノ木が深く思う。そうでなかったらかなり危ない会話内容だ。
「『お前だけだ』って言われて、ドロドロに甘やかされたいんですよぉ」
「甘やかすってのは、何でも買って欲しいとかもあったりするの?」
「いえ、欲しい物は自分で買うんで」と明智が即座に否定した。
「物理じゃなく、精神的に甘やかして欲しい方ですね。親が仕事仕事であまり家にいなかったからかもしれません」
「そうだったんだぁ」
「まぁ、職業モデルじゃあ仕方ないですよね」
明智の言葉でニノ木は色々納得出来た。変身レベルでのイメチェンも、優れた容姿なのに増長している感じが全然無いのも、親の影響や比較対象が上過ぎて自己評価が並程度なのかもと。
「そっかぁ。あ、だから『告白されたい』のか」
「激しく求められていると実感出来る恋がしたいんです……。自分でも、待ってるだけなんて我儘だとは思うんですけど」と言い、しゅんっと明智が肩を落とした。
「でもでもその代わり、スタイル管理や家事、仕事に貯金と、愛される準備だけはめちゃくちゃ整えています!」
「そっかそっか、一切の努力もせずに『そのままの私を愛して』じゃないなんて、偉いぞぉ」と言い、ニノ木が明智の頭を撫でる。猫みたいに目を細めて喜ぶ明智の姿を神楽井にも見せてやりたくなった。
(『性癖』じゃあ、『いやいや。待っていないで自分から告白しろ』とは言えないよなぁ。)
となると、動かせそうなのは神楽井の方かとニノ木は思った。向こうまで『告白待ち』だと詰み状態になるが、ニノ木が見る限りでは、ただ明智の感情に気が付いていないだけな気がする。仕事の技能はアホみたいに高いクセに、恋愛ごとになると急に消極的なタイプなのでは?とニノ木は分析済みだ。『オレなんか』と一歩も二歩も引いているのに、明智に好意的な同僚がいると、無自覚のまま鬼みたいな形相になっている様子を鑑みるに——
(神楽井は、絶対に『愛情激重執愛タイプ』だな)
そう答えを出したニノ木がキラリと瞳を輝かせる。『君達、めっちゃお似合いじゃーん』と頬をツンツンしたいが必死に耐えた。
「そうだなぁ、まずは元の清楚系の雰囲気に戻してみたらいいかも。あまり他からの視線を引くのは男的には嬉しくないと思うんだよね」
「でもソレって、神楽井先輩が私を好きな場合の話ですよね」
「……まぁ、うん(だ・か・ら、言っているんだけどね)。だけどほら!あまりにモテると、『ワンチャンあるかも』とすら思ってもらえないでしょう?」
「確かに!『期待』がないと、前には進めませんよね!」
「そう、それ!まぁ、あとは二人になる機会が無いのも問題だよねぇ。でもほら、そのくらいは私でも何とか用意してあげられるから、近いうちにちょっと期待しててよ。話すきっかけでもあれば溢れる思いが止まらずに——とかあるかもでしょう?」
「良いんですか?ありがとうございます!」
祈るみたいに手を重ね、明智が歓喜した。
——まさかその後、この話が発端で企画された飲み会から、神楽井が暴走してアレやコレやとやらかしてしまうなどとは想像もせず、この飲み会は平穏に楽しく幕を閉じたのであった。
【こぼれ話『射止めたい、先輩を』・完結】
明智は四年先輩であるニノ木と共に職場近くにある飲み屋に来ている。
普段は神楽井観察に忙しく、仕事以外ではあまり他人との交流をしない明智ではあるが、持ち前の人当たりの良さのおかげもあってか別に職場でまともに話せる相手がいないという訳ではない。職場でたまにある自由参加な飲み会に参加しないのは『神楽井先輩が来ないから』であるのは周知されているし、仕事以外で話し掛けないのは明智の『観察』の邪魔をしない為なのである。本当にただの観察程度に留めているおかげとはいえ、実に寛容な職場だ。
「どしたぁ?今日は珍しいねぇ私を飲みに誘うなんて」
女性ウケしそうなちょっとオシャレな店なのに、まずはビールと居酒屋みたいなノリで二杯注文し、乾杯を済ませるなりニノ木が明智に訊いた。普段接点がほぼ無いだけに、誘われた理由が思い当たらないのだが、後輩が頼ってきている嬉しさで今日は来た感じだ。
「実は、ニノ木先輩に相談がありまして」
「相談?」
「はい」
「何々?答えられる範囲ならいいけど」
「気になる人が、自分に一目で惚れてくれる様にって、どうやったら出来ますか?」
「あ、ごめん。私もそれ知りたいわ。もし運良くわかったら教えてくれる?」
ニノ木が真面目な顔でそう返した。そんな方法が世の中にあるならマジで知りたい。
「じゃ、じゃあ、神楽井先輩の女性の好みって知ってませんか?」
「そんなの——」とまで言って、言葉が途切れた。『明智そのものじゃないの?』と言うのは野暮な気がしたからだ。
「明智さんの方が、知ってるんじゃないの?だってぇ、しょっちゅう神楽井の事見てるんだしぃ」
フフッとニノ木が笑うと、「やっぱバレバレですよねぇ」と明智が苦笑いをした。入社からの二年間ずっと仕事の合間を縫って観察し続けているんだ、誰だってすぐに気が付く。それなのにそうと気が付いていないのは、勘が良いのか悪いのか、見事に視線がぶつかるのを回避し合っている神楽井くらいなものだ。
「いやいや。ニノ木先輩はほら、神楽井先輩の同期じゃないですか。この二年間じゃわからない事も、先輩なら知ってるかも?と思って」
「もしかして、最近明智さんの格好が迷走してるのって、神楽井の好みを探ってたの?」
「……アレじゃ、やっぱ、迷走してるって思っちゃいますよねぇ」
「いやいや、ごめん。言い方が悪かった!どれも完璧に着こなしていたから、『迷走』はちょっと違うね。でもほらずっと大人しそうな清楚系だったのに、可愛い系いったと思ったら、週跨いで急に今度は綺麗めにとか、路線が全然違う方向へのシフトがもう上手過ぎて、もはやコスプレレベルだったからさ」
(アレ見て、『神楽井狙いじゃなくなったんじゃ?』って勘違いした奴らが明智さんに惚れ始めちゃったもんだから、どう見たって神楽井がめっちゃ焦ってんだけど、コレ言っていいもんなのかなぁ……)
うーんと心の中だけでニノ木が悩む。どう見ても両片想いな二人の背中を押したい気もするが、無粋なのでは?とも考えてしまった。
「このままじゃ埒が開かないなと思って色々試して、反応見てたんですけど……神楽井先輩無反応なんですよねぇ」
(いや、めっちゃ動揺してたよ?何なら口元隠して肩振るわせてましたが?真っ赤に染まるティッシュで鼻押さえている日だってあったけど、仕事忙しくて見てなかったのかな)
「色々もっと試してみたいんですけど、流石に幼女系とか旅館の女将とか、ナースみたいな制服系とか無理なものも多くって……」
「そうだね、絶対に止めようね」
(良識の範囲内で止まってくれて本当に良かったぁぁぁぁ!服装には寛大な職場だけど、そこまでいったら流石にアウトだもん!)
とニノ木は心から思った。
「しっかし、そんなに神楽井が好きなら、何で玉砕覚悟してでも告白しないの?」
「そう、思いますよねぇ……」と言い、明智が溜息をこぼす。次々に来る注文の品を少しづつ摘みながら、「……その、自分、『めっちゃ激重執愛系男性』が好きでして」と急に性癖を暴露し始め、ニノ木が少しビールを吹いた。
「ご、ごめ!失礼っ!ちょ、ビックリして」
何度か咳き込みながらニノ木が謝罪する。突然の事に驚いただけだが、人の好みを馬鹿にしてしまったみたいで何だか申し訳ない。
「大丈夫です。自分でも拗らせている自覚があるので」
「え、えっと、それって、彼氏に束縛されたいとか、そんな感じ?」
「ですです。ストーカーレベルでも大歓迎です!なんだったら、ただの隣人だった人にいきなり監禁されて、毎日愛を囁かれても喜んじゃいます!」
此処が個室で本当に良かったとニノ木が深く思う。そうでなかったらかなり危ない会話内容だ。
「『お前だけだ』って言われて、ドロドロに甘やかされたいんですよぉ」
「甘やかすってのは、何でも買って欲しいとかもあったりするの?」
「いえ、欲しい物は自分で買うんで」と明智が即座に否定した。
「物理じゃなく、精神的に甘やかして欲しい方ですね。親が仕事仕事であまり家にいなかったからかもしれません」
「そうだったんだぁ」
「まぁ、職業モデルじゃあ仕方ないですよね」
明智の言葉でニノ木は色々納得出来た。変身レベルでのイメチェンも、優れた容姿なのに増長している感じが全然無いのも、親の影響や比較対象が上過ぎて自己評価が並程度なのかもと。
「そっかぁ。あ、だから『告白されたい』のか」
「激しく求められていると実感出来る恋がしたいんです……。自分でも、待ってるだけなんて我儘だとは思うんですけど」と言い、しゅんっと明智が肩を落とした。
「でもでもその代わり、スタイル管理や家事、仕事に貯金と、愛される準備だけはめちゃくちゃ整えています!」
「そっかそっか、一切の努力もせずに『そのままの私を愛して』じゃないなんて、偉いぞぉ」と言い、ニノ木が明智の頭を撫でる。猫みたいに目を細めて喜ぶ明智の姿を神楽井にも見せてやりたくなった。
(『性癖』じゃあ、『いやいや。待っていないで自分から告白しろ』とは言えないよなぁ。)
となると、動かせそうなのは神楽井の方かとニノ木は思った。向こうまで『告白待ち』だと詰み状態になるが、ニノ木が見る限りでは、ただ明智の感情に気が付いていないだけな気がする。仕事の技能はアホみたいに高いクセに、恋愛ごとになると急に消極的なタイプなのでは?とニノ木は分析済みだ。『オレなんか』と一歩も二歩も引いているのに、明智に好意的な同僚がいると、無自覚のまま鬼みたいな形相になっている様子を鑑みるに——
(神楽井は、絶対に『愛情激重執愛タイプ』だな)
そう答えを出したニノ木がキラリと瞳を輝かせる。『君達、めっちゃお似合いじゃーん』と頬をツンツンしたいが必死に耐えた。
「そうだなぁ、まずは元の清楚系の雰囲気に戻してみたらいいかも。あまり他からの視線を引くのは男的には嬉しくないと思うんだよね」
「でもソレって、神楽井先輩が私を好きな場合の話ですよね」
「……まぁ、うん(だ・か・ら、言っているんだけどね)。だけどほら!あまりにモテると、『ワンチャンあるかも』とすら思ってもらえないでしょう?」
「確かに!『期待』がないと、前には進めませんよね!」
「そう、それ!まぁ、あとは二人になる機会が無いのも問題だよねぇ。でもほら、そのくらいは私でも何とか用意してあげられるから、近いうちにちょっと期待しててよ。話すきっかけでもあれば溢れる思いが止まらずに——とかあるかもでしょう?」
「良いんですか?ありがとうございます!」
祈るみたいに手を重ね、明智が歓喜した。
——まさかその後、この話が発端で企画された飲み会から、神楽井が暴走してアレやコレやとやらかしてしまうなどとは想像もせず、この飲み会は平穏に楽しく幕を閉じたのであった。
【こぼれ話『射止めたい、先輩を』・完結】
12
あなたにおすすめの小説
エリート課長の脳内は想像の斜め上をいっていた
ピロ子
恋愛
飲み会に参加した後、酔い潰れていた私を押し倒していたのは社内の女子社員が憧れるエリート課長でした。
普段は冷静沈着な課長の脳内は、私には斜め上過ぎて理解不能です。
※課長の脳内は変態です。
なとみさん主催、「#足フェチ祭り」参加作品です。完結しました。
無表情いとこの隠れた欲望
春密まつり
恋愛
大学生で21歳の梓は、6歳年上のいとこの雪哉と一緒に暮らすことになった。
小さい頃よく遊んでくれたお兄さんは社会人になりかっこよく成長していて戸惑いがち。
緊張しながらも仲良く暮らせそうだと思った矢先、転んだ拍子にキスをしてしまう。
それから雪哉の態度が変わり――。
【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!
satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。
働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。
早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。
そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。
大丈夫なのかなぁ?
俺を好きになるな、お前を愛していない、極道の目覚めた独占欲
ラヴ KAZU
恋愛
父親の会社が倒産の危機にさらされる一人娘の加子。
男を知らずに三十六年間生きてきた。
父親の会社の危機を救う代わりに結婚を強要してきた林田。
加子はひょうんなことから知り合った極道三国蓮也に一目惚れをする。
林田にはじめてを捧げたくない加子は、蓮也と一夜を共にする。
そして、蓮也への想いが諦められない加子は蓮也のマンションで暮らすことになった。
蓮也は極悪非道のヤクザの組長、危険な男の毒に侵される加子。
果たして加子は蓮也との未来を手にすることが出来るのか。
そして、蓮也は加子を愛せるのか。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
一途な王子の想いが重すぎる
なかな悠桃
恋愛
高校一年の中村舞衣は、『爽やかイケメン王子』こと稚日野春と小中高と一緒の幼なじみ。今はあることがきっかけで疎遠になっている。そんなある日、偶然帰り道が一緒になり.....
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる