11 / 110
第一章 いざ、新天地
四
しおりを挟む
〇*〇*〇
「聞いたか? アルシャ。フラム家の坊やの話」
「ああ、聞いたよオルキ」
こちら、聖堂の舞台裏。アルシャは侍衛のオルキデと共に、まったり寛いでいた。
「面白いね。リュエルは反抗心の塊なんだ」
アルシャは微笑を浮かべてティーカップを傾ける。リュエルがフィーデルへ来てくれたこと。それだけで、アルシャの心は舞い上がるようだった。
「あのな…。おまえ、あの子にカムナギになってほしくないのか?」
「そりゃ、なってほしいさ」
「今のままでは、到底叶いませんよ」
「カイトの言うとおりだ」
カイトは姿勢正しくアルシャの脇に立ち、カチリと眼鏡を上げた。
「そうなんだけどね。今は、今しかないから」
アルシャは軽く睫毛を伏せ、ほぅっと息を吐く。
「さて、そろそろかな」
アルシャが立ち上がったとき、ちょうど司会の生徒がひょっこりと顔を覗かせた。
「アルシャさん、よろしくお願いいたします」
オルキデとカイトに見送られ、アルシャは祭壇に立つ。煌めく光の音がキラキラと美しい。聖堂中の視線を一身に集めたアルシャは、微笑を浮かべる。美しい銀髪は簡単に見つけられた。前髪越しに、視線が絡み合う。
(ここまでおいで。君なら、同じ世界が見られる)
アルシャは目蓋を閉じて、意識を天へ放った。
~~ビェナテェシ゚~タァユ~トャペタァユヲ~~
溢れる光が音を紡がせる。ああ、彼らに祝福を。願わくは、この音が永久に失われんことを。
踊る光彩。弾ける音色。浮かぶ紋様。
意識の外で、イシキが羽ばたく。
精霊たちと同じ世界が見える。鮮やかな色彩に彩られた世界。愛しい、世界――。
誰もがその声に心を奪われた。何度聞いても、虜にしてやまない。最後の音が消え、割れんばかりの拍手に聖堂内が満たされる。そんな中、おれは動けずにいた。アルシャと目が合った一瞬、時が止まったようだった。二人だけの世界がそこにはあった。
『待ってるよ』
遠く、遥か遠くで微笑むアルシャは、皆の中心にいる。
(カムナギは、みんなに認められた存在)
ウタは好きだ。あんなふうに紡ぎたい。けれど――。
「あ、おいリュエル…!」
おれは踵を返し、式典を途中で抜け出した。逃げるように人波を縫い、分厚い扉の外へ出る。
「こら、君!」
教師の声にも足は止まらない。そうして、周囲に広がる緑へ駆け込んだ。緑に囲まれていると落ち着く。人のいない所が好きだ。皆でワイワイするより、一人で静かな時を過ごしたい。カムナギになりたいと思ったのは、あの場の雰囲気に感動したからだ。人も精靈も喜びや至福に包まれていた。こんなに素晴らしい世界があったのか、と。
(こんな世界がいいと思った)
けれどもおれは聖界から追放されたフラム家の末裔で、ここにいることを歓迎されていない。自分でも、ここは合わないと感じる。やっぱりおれには――。
「やっぱり、その方がいいよ」
どれくらい経ったか、ハッとして顔を上げると目の前にアルシャがいた。横へ流れた前髪のことだと気づき、頭を振ろうとしたのだが。
「ね、どうして隠すの? 自信がないから?」
前髪を流され、横髪を耳にかけられた。おれは僅かに後退し、睫毛を伏せる。
「喧嘩売られるのが関の山だ」
「ホントにそう思ってる?」
アルシャは逃がさないとでも言うように、まっすぐにおれを捉えた。
「……おれはっ、あんたと違う!」
「そうだね。君は君だ」
群青色の瞳から目が離せない。
「君は気づいてないんだね。自分の魅力に」
近づく鮮やかな色にぎゅっと目を閉じた。直後、コツンと額がぶつかる。
「目を開けて」
動けない。
「よく見て」
身体が石になったようだ。
「気づいて、リュエル」
額に触れていた感覚がなくなり、フッと自由になった。おれはズザザッと後ろの木まで後退する。
「またね」
アルシャは苦笑して言うと、木々の向こうへ姿を消した。
ずるずるとしゃがみ込んでしまう。俯いて、ぐしゃりと両手で髪を掴んだ。そこへガサガサと近づいてきた、草をかき分ける音。
「こんな所にいたのか。式典、終わったぞ」
やって来たのはグランだった。
「腹でも痛いのか? おまえ、よく見ると繊細そうだからな」
「立てるか?」と、手を差し伸べられる。
「……なんで来た?」
視界に入った新品の靴は、前の部分が汚れていた。朝は下ろし立てのピンピカだったのに。
「おまえが勝手にいなくなるからだろう」
グランは後ろ頭を掻いて、目の前にしゃがみこむ。
「立てないなら、おんぶしてやるから」
広い背中を向けられて、顔がクシャリと歪んだ。
「ほら、早く乗れって」
「いらねぇよばーか」
グランが振り返るより早く、おれはすっくと立ち上がる。
「なんだ、立てるじゃないか」
しゃがんだままこちらを振り仰いだグランは、かすかに目を見開いた。情けない顔を見られたのだと察し、おれはズンズン歩く。
「リュエル…? あ、おい」
グランなど見向きもせずに足早に歩いていたのに。
「おまえなぁ、何かあったら話せよ。溜めこむのはよくないぜ」
やたらと背の高いグランはあっさり追いついてきた。それにますます眉根を寄せて、おれは歩調を速めた。
「聞いたか? アルシャ。フラム家の坊やの話」
「ああ、聞いたよオルキ」
こちら、聖堂の舞台裏。アルシャは侍衛のオルキデと共に、まったり寛いでいた。
「面白いね。リュエルは反抗心の塊なんだ」
アルシャは微笑を浮かべてティーカップを傾ける。リュエルがフィーデルへ来てくれたこと。それだけで、アルシャの心は舞い上がるようだった。
「あのな…。おまえ、あの子にカムナギになってほしくないのか?」
「そりゃ、なってほしいさ」
「今のままでは、到底叶いませんよ」
「カイトの言うとおりだ」
カイトは姿勢正しくアルシャの脇に立ち、カチリと眼鏡を上げた。
「そうなんだけどね。今は、今しかないから」
アルシャは軽く睫毛を伏せ、ほぅっと息を吐く。
「さて、そろそろかな」
アルシャが立ち上がったとき、ちょうど司会の生徒がひょっこりと顔を覗かせた。
「アルシャさん、よろしくお願いいたします」
オルキデとカイトに見送られ、アルシャは祭壇に立つ。煌めく光の音がキラキラと美しい。聖堂中の視線を一身に集めたアルシャは、微笑を浮かべる。美しい銀髪は簡単に見つけられた。前髪越しに、視線が絡み合う。
(ここまでおいで。君なら、同じ世界が見られる)
アルシャは目蓋を閉じて、意識を天へ放った。
~~ビェナテェシ゚~タァユ~トャペタァユヲ~~
溢れる光が音を紡がせる。ああ、彼らに祝福を。願わくは、この音が永久に失われんことを。
踊る光彩。弾ける音色。浮かぶ紋様。
意識の外で、イシキが羽ばたく。
精霊たちと同じ世界が見える。鮮やかな色彩に彩られた世界。愛しい、世界――。
誰もがその声に心を奪われた。何度聞いても、虜にしてやまない。最後の音が消え、割れんばかりの拍手に聖堂内が満たされる。そんな中、おれは動けずにいた。アルシャと目が合った一瞬、時が止まったようだった。二人だけの世界がそこにはあった。
『待ってるよ』
遠く、遥か遠くで微笑むアルシャは、皆の中心にいる。
(カムナギは、みんなに認められた存在)
ウタは好きだ。あんなふうに紡ぎたい。けれど――。
「あ、おいリュエル…!」
おれは踵を返し、式典を途中で抜け出した。逃げるように人波を縫い、分厚い扉の外へ出る。
「こら、君!」
教師の声にも足は止まらない。そうして、周囲に広がる緑へ駆け込んだ。緑に囲まれていると落ち着く。人のいない所が好きだ。皆でワイワイするより、一人で静かな時を過ごしたい。カムナギになりたいと思ったのは、あの場の雰囲気に感動したからだ。人も精靈も喜びや至福に包まれていた。こんなに素晴らしい世界があったのか、と。
(こんな世界がいいと思った)
けれどもおれは聖界から追放されたフラム家の末裔で、ここにいることを歓迎されていない。自分でも、ここは合わないと感じる。やっぱりおれには――。
「やっぱり、その方がいいよ」
どれくらい経ったか、ハッとして顔を上げると目の前にアルシャがいた。横へ流れた前髪のことだと気づき、頭を振ろうとしたのだが。
「ね、どうして隠すの? 自信がないから?」
前髪を流され、横髪を耳にかけられた。おれは僅かに後退し、睫毛を伏せる。
「喧嘩売られるのが関の山だ」
「ホントにそう思ってる?」
アルシャは逃がさないとでも言うように、まっすぐにおれを捉えた。
「……おれはっ、あんたと違う!」
「そうだね。君は君だ」
群青色の瞳から目が離せない。
「君は気づいてないんだね。自分の魅力に」
近づく鮮やかな色にぎゅっと目を閉じた。直後、コツンと額がぶつかる。
「目を開けて」
動けない。
「よく見て」
身体が石になったようだ。
「気づいて、リュエル」
額に触れていた感覚がなくなり、フッと自由になった。おれはズザザッと後ろの木まで後退する。
「またね」
アルシャは苦笑して言うと、木々の向こうへ姿を消した。
ずるずるとしゃがみ込んでしまう。俯いて、ぐしゃりと両手で髪を掴んだ。そこへガサガサと近づいてきた、草をかき分ける音。
「こんな所にいたのか。式典、終わったぞ」
やって来たのはグランだった。
「腹でも痛いのか? おまえ、よく見ると繊細そうだからな」
「立てるか?」と、手を差し伸べられる。
「……なんで来た?」
視界に入った新品の靴は、前の部分が汚れていた。朝は下ろし立てのピンピカだったのに。
「おまえが勝手にいなくなるからだろう」
グランは後ろ頭を掻いて、目の前にしゃがみこむ。
「立てないなら、おんぶしてやるから」
広い背中を向けられて、顔がクシャリと歪んだ。
「ほら、早く乗れって」
「いらねぇよばーか」
グランが振り返るより早く、おれはすっくと立ち上がる。
「なんだ、立てるじゃないか」
しゃがんだままこちらを振り仰いだグランは、かすかに目を見開いた。情けない顔を見られたのだと察し、おれはズンズン歩く。
「リュエル…? あ、おい」
グランなど見向きもせずに足早に歩いていたのに。
「おまえなぁ、何かあったら話せよ。溜めこむのはよくないぜ」
やたらと背の高いグランはあっさり追いついてきた。それにますます眉根を寄せて、おれは歩調を速めた。
0
あなたにおすすめの小説
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
閉ざされた森の秘宝
はちのす
BL
街外れにある<閉ざされた森>に住むアルベールが拾ったのは、今にも息絶えそうな瘦せこけた子供だった。
保護することになった子供に、残酷な世を生きる手立てを教え込むうちに「師匠」として慕われることになるが、その慕情の形は次第に執着に変わっていく──
前世が教師だった少年は辺境で愛される
結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!
煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。
処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。
なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、
婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。
最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・
やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように
仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。
クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・
と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」
と言いやがる!一体誰だ!?
その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・
ーーーーーーーー
この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に
加筆修正を加えたものです。
リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、
あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。
展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。
続編出ました
転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668
ーーーー
校正・文体の調整に生成AIを利用しています。
【蒼き月の輪舞】 モブにいきなりモテ期がきました。そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!
黒木 鳴
BL
「これが人生に三回訪れるモテ期とかいうものなのか……?そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!そして俺はモブっ!!」アクションゲームの世界に転生した主人公ラファエル。ゲームのキャラでもない彼は清く正しいモブ人生を謳歌していた。なのにうっかりゲームキャラのイケメン様方とお近づきになってしまい……。実は有能な無自覚系お色気包容主人公が年下イケメンに懐かれ、最強隊長には迫られ、しかも王子や戦闘部隊の面々にスカウトされます。受け、攻め、人材としても色んな意味で突然のモテ期を迎えたラファエル。生態系トップのイケメン様たちに狙われたモブの運命は……?!固定CPは主人公×年下侯爵子息。くっついてからは甘めの溺愛。
マリオネットが、糸を断つ時。
せんぷう
BL
異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。
オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。
第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。
そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。
『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』
金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。
『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!
許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』
そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。
王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。
『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』
『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』
『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』
しかし、オレは彼に拾われた。
どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。
気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!
しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?
スラム出身、第十一王子の守護魔導師。
これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。
※BL作品
恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。
.
【完結済】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜
キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」
平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。
そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。
彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。
「お前だけが、俺の世界に色をくれた」
蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。
甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる