正しい恋はどこだ?

嵯峨野広秋

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目と目と、目

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「ドーパミン。オキシトシン。それとフェニルエチルアミンね」

 こつん、と手の甲でホワイトボードを三回たたく。
 上のほうには〈一目ぼれの正体〉とていねいな字で書かれていた。

「……以上」
「ちょ、ちょっと待ってください!」

 おれはイスから立ち上がった。
 同じ部屋にいる白衣を着た人たちが、じろり、とおれに冷たい眼を向ける。
 ここは科学部の部室で、ここにはめっちゃ頭がいい人しかいない。

「なんなんですか、それは?」
「正。あなたにも血が流れているでしょう?」

 両手をうしろで結んで、おれのほうにゆっくり歩いてくる。
 もちろん彼女も制服の上から白衣を着てる。
 元カノ。
 一目ぼれってあるんですか? とスマホで彼女にメッセージを送ったら『放課後、科学部にきなさい』と返信されて今にいたっている。

「その血の中にある物質よ。ここに書いてる3つがそろったら、一目ぼれの出来上がり。まあ、一目ぼれというよりは、恋愛感情が高まって興奮状態にあるときというほうが正確だけど」
「おれは一目ぼれの理由を――」
「誰かに一目ぼれ、したんだ?」
「よくわからないけど、したっぽいような……」

 おれはまたイスに座り直した。
 すると、彼女が前かがみになって、おれのおでこを人差し指でかるく押した。

「いけない子。みじかい間とはいえあなたの彼女だった私に、『ほかの女に一目ぼれしたよ』とか、ふつう相談にくる?」
「ごめん。でもほかに聞ける人がいなくて。自分でネットで調べても、全然ピンとこないし……」

 はぁ、とため息をつきながら髪をかきあげる。
 セミロングで、前髪はつくってなくてサイドと同じように長く伸ばし、それが片っぽの目だけをかくしていて、やたらとセクシーだ。
 彼女は、広尾ひろおさん。おれと同じ二年生。科学部の部長。
 おれは下の名前でユナさんと呼んでいる。

「こまった元カレだこと。ま、たよられてわるい気はしないけどね。じゃあ、そのときの状況をくわしく教えてもらえる?」
「えーと……簡単にいうと、はじめて見る女の子と目が合って、そのまま目がはなせなくなったんだ」

 ユナさんがおでこに片手をあてる。
 考え事をするときに、彼女がよくするポーズだ。

「容姿は好みだった?」
「たぶん」
「芸能人とか女優とか、または、あなたがこれまで会った女性に似てる人はいる?」
「いない……かな」

 質問を変えましょう、と言いながら近くのイスを引き寄せてすわる。

「あなた、どうして困ってるの?」

 それは予想外の角度からの問いかけだった。

「正を見てたら……『おれ一目ぼれしちゃったよ、どうしよう』みたいな感じがしてね。べつに気にすることないじゃない。好きになったんだったら、アタックあるのみ――でしょ?」
「アタック」と、おれは単語をくり返す。
「あなたと何回かデートしたときも」ふわさっ、とユナさんは髪をかきあげる。「同じ感じがしたよ? 『おれ今この子といっしょだけど、どうしよう』って。どことなく、とまどってるっていうか、まるで〈絶対的な本命の子〉が――」

 かくれてないほうの片目だけで、じーーーっと見つめてくる。
 妙に迫力があって、目線をはずすことができない。

「いるみたいに」
「……すみません」
「あやまらなくてけっこう。私はそこがひっかかったから、あなたをフッただけ。泣く泣くね」
「泣く泣く?」

 は! と切れ長の二重の目が、まん丸になった。
 あわてて横を向き、

「い、いや失言。ていうかリップサービス……ね。ほんとよ? あなただって、むかしの彼女にミレンを持たれてたほうが、気分がいいでしょ?」
「全然」おれは言う。「ユナさんには、新しい彼氏とかみつけて、しあわせになってほしいです」
「ふー」長い息をはきながら、彼女はなんども小さく首をふった。「そんな恥ずかしいセリフを、まっすぐな目でいえちゃうんだから……つくづくツミな男だよね、あなたは」
「ウソじゃないですよ」
「わかってる」

 じゃあ、とおれは立ち上がった。
 ユナさんに話を聞いてもらえてよかった。なんかふっきれた。
 そうだよ。好きになったなら、アプローチして、そのうえで想いを伝える。これっきゃない。悩んだり迷ったりしなくていい。

「それで? 正、これからどうするつもり? あの幼なじみの子にアタックするの?」
「え? いや……あいつには、彼氏がいるんで」

 きっ、とほんの一瞬、ほんとに一瞬だけ、ユナさんがきびしい表情になった。
 何かに怒ってる、ような。
 もしかして、おれに対してキレてる?

「ユナさん?」
「……なるほどね。それがあの子の選択……か。どうしてもっと……素直になれないかな……」

 ぶつぶつと、ひとり言のように言ってる。
 なんかイライラしてる雰囲気。
 気づかれないように、そーっと部屋を出ていこうとすると、

「正!」

 うしろから呼び止められた。

「待って! あとひとつだけ!」

 長い白衣をひるがえして、彼女が小走りでやってくる。
 ほかの科学部の人たちは、とくにこっちを気にしていない。みんな自分の世界にボットウしているみたいだ。

「一目ぼれの子に恋をするのもいいけど、その前に」

 ぐっ、と制服のそでをつかまれた。
 なんだか知らないが、ユナさんは真剣だ。

「ひとつ、あなたに魔法をあげるよ。本当の……正しい恋をみつける魔法。ね?」
「魔法ですか?」

 ユナさんの口から、こんなファンタジーなワードがでるなんて。
 科学部っぽくないですね、とツッコミそうになった。
 が、あまりにも彼女の目はマジで、冗談をいえる空気ではない。

「いい? あの幼なじみの子に、あなたは言葉の意味もなんにも考えずに、今から私がおしえるたった一言だけを口にすればいいから――――」

 ◆

 その日の帰り道。
 電車がとまってドアがあき、赤いブレザーの女子が乗ってきた。

(もしかしてゆうちゃん?)

 赤い制服と、ポニーテールの髪型だったから、反射的にそう思った。
 反対側のドア付近に立つおれのほうへ、スタスタ歩いてくる。

「……あ」

 ちがう。
 でも、ちがわない。
 おれが、すごく会いたかった子だから。 

(家の窓から見かけた、あの子だ!)

 目の前にきた。つり革はもたず、しまったドアに背中をあずけている。
 もちろん、とっくにおれには気づいている。
 また見つめ合うことになるのかな、と思っていたら、

(……あれ?)

 くるっと回って背中を向けてしまった。

(こっちに気づいてない……? いや目は合ったんだけど……)

 と、またくるっと回って、

「また会いましたね」と、はにかんだような顔で言った。

 音で表現すれば、ズキューーーン‼
 一撃でやられた。
 か、かわいい。
 あのドキドキがよみがえる。
 ちょっと待て、あせるな。
 おれだって12人の女子とつきあってきたんだ。恋愛経験値はおれのほうが上のはず。
 ここは気さくに、

「また会えると思ってたよ」

 こう返すんだ。100点のキメ顔で。
 電車が発車した。
 やさしく笑ったまま、彼女は目を細めた。

「……ほんとに、そう思ってました?」
「もちろん」
「あの家の人ですよね? 私、近所に引っ越してきたんです」
「そうなんだ。まさか中学生とは思わなかったよ」
「中学生? ふふ……そんなコドモっぽくみえます? ショックだなー」
「え? でも、その制服って有名な女子中の……」
「高校もあるんです。中高一貫ですよ、あそこは」
「そうなんだ」

 楽しい時間は、はやく流れる。
 おれはすっかり浮かれてしまって、そこから会話の内容をあんまりおぼえていない。 
 彼女は寄るところがあるらしく、次にとまった駅で電車をおりてしまった。

(やっぱり一目ぼれ……してたか)

 自分の気持ちを確認することができた。
 大きな収穫だ。
 連絡先も交換できた。
 彼女の名前は――

 星乃ほしの しょう

 同じ名前だね、と彼女はよろこび、おれもよろこんだ。
 同じ音で「ショウ」。こんな偶然あるんだな。

「運命ですね」

 と、彼女はなにげなく言ったけど、もしかしたら、ほんとにそうかもしれない。
 運命のパートナー。
 おれの家は帰宅したら親にスマホをあずけるシステムだから、もう今日は星乃さんと連絡し合うことはできない。
 また明日だ。
 楽しみでしょうがない……ん? なーんか、忘れてるような気が……なんだっけ?

「正、どうしたの? 腕組んで考えこんじゃって」

 下からおれの顔をのぞきこむ勇。
 マンガを手に、一口サイズのチョコレートをつまんで、横に寝そべって――ようするにリラックスしまくってる。人の部屋なのに。
 黄色いショーパンからのびる健康的な足に、ゆるくなったTシャツのえりの奥からチラッとしてる胸。
 よく知らないけど、一般的な〈いもうと〉ってこんな無防備なのか?

「忘れてるんだ」
「えっ?」
「大事なことを……一目ぼれじゃなくて、えーと」
「それちがうよ。正確にはね、ホレ直すっていうの」勇は自分を指さした。「私のことでしょ? これだけつきあいが長いんだから、もう一目ぼれでもなんでもないじゃん」と、ニコニコした顔で言う。「魔法で記憶を消したんなら、話はべつだけど」
「魔法……あっ‼」
「どうしたのよ、いきなり大声だして」

 ベッドのふちから立ち上がる。
 つられて、勇も立ち上がった。

「それだ。魔法だよ。ユナさんから――」
「ユナサン? それって、前につきあってた科学部の子?」
「それは、今はいいんだよ」

 おれは勇の肩をつかんだ。右も左も。
 あいつが逃げていかないように、しっかりとホールドして。

「正?」
「えーと……」

 思い出したコトバを、頭ん中でリピートする。
 ほんとに、この魔法で正しい恋が見つかるのか?
 おれはバカなんだから考えても仕方ない。

「いくぞ?」

 ん? と勇が無言で首をかしげる。


「お……『おまえの彼氏からぜんぶ聞いた』よ」


 あっ。
 勇の表情が変わった。
 目を大きく見ひらいたあと、がっかりしたような顔になる。

「そっか……そとっち、とうとう……言っちゃったか」

 予感がある。
 よけいな口をはさむな、という予感。
 このまま、勇にしゃべってもらえ、という予感。
 何かが大きくうごきだす予感。

「そうだよ。私たちじつは……つきあってないから」

 つきあってない? あいつと?
 じゃあ、勇は、最初から彼氏もちでもなんでもなかったのか?
 どうしてそんなウソを――

(!)

 いつのまにか勇が近い。
 ショートカットで明るくて強気な性格のこいつが、静かにだまって寄りって、おれの胸におでこをあてている。

「どうして? って言いたいんでしょ? それは、私はずっと正のことが――」
「あのー」

 おれと勇、同時に体がビクンとした。
 聞きなれない声、すくなくとも家の中では耳にしたことない声が、ドアのところからきこえる。
 勇といったん目を合わせ、そこからシンクロしたように声のぬしのほうをいっしょに見た。


「……私、お邪魔でした?」


 赤いニットにベージュのスカートの女の子。
 星乃さんが片手で口をおさえて、おれたちを見つめていた。
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