彼と姫と

蓬屋 月餅

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登場人物について~物語読了後推奨~

『霙』

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 高い身長とかすかに青みがかった色の瞳が特徴的な男。
 名前は農業地域の言葉で『恵みをもたらすみぞれ 』を意味します。
産まれた日に霙が降っていたため、両親がそのように名付けました。
(彼が生まれた年は大雪が何度も降るような特に寒さが厳しい年だったため、雪が霙になり、次第に『春が近づいていることを知らせている』、つまり『春という恵みをもたらす霙の日に生まれた子』という意味で名付けられたようです)
 愛称は『霙』。
 冴曰く、雰囲気を色で例えると『薄めの青、よく晴れ渡った青空のよう』なんだとか。

 彼は漁業地域との境である農業地域の奥地に生まれました。
  主に穀類(小麦など)の栽培と、穀類を挽いて粉に加工する仕事をしている一家の長男です。
 2歳年下の妹『のぎ』のことをよく世話していたせいもあって、何かと世話焼きなところがありますが、あまり料理はできません。
 スッとした目つきをしている上に身長も高いため、黙っていると恐ろしいような印象をもたれがちですが、話してみると意外にとっつきやすく面白みがあって、当初の印象とは大きく異なる人気者の素質が顔を覗かせます。
 しかし自分から積極的に周りの人へ話しかけるような性格でもないため、相手の方からきっかけを作らなければ『物静かでちょっと冷たそうな人』という印象のままになるでしょう。
 実家の近所の人々は彼のことを『面倒見のいい頼りになる子』だとよく知っているので、農作業の合間などによく話しかけては彼との会話を楽しんでいます。

 一度は農業地域外で暮らして『実家とは異なる仕事をしてみなければ』と思い、社会経験のために行った漁業地域で冴と出会いました。
 彼にしてみれば、たしかに冴には女性のような美しさがあるものの、『姫』という愛称が本当に冴自身にとって喜ばしいものなのかと疑問にも思っていたようです。
(冴が自身の性を『男性』だと認識しており、姿であってもと思っていたのを感じ取っていたからこその意識であって、そういったことを抜きにすればその愛称がまさにぴったりだとは思っていた)
 そのため、冴にどう思うかと問われた際は冴を女性扱いせず素直に『誰とでも心を通わせることのできる姿が 』と言おうとしましたが、それが冴にとっては衝撃的であり、結果として大きなすれ違いを生むことになりました。
 その後は作中にある通りです。
 霙は比較的遅くに授かった子なので、両親は体が大きく成長した霙には力仕事や他方とのやり取りでは何かと助けになってもらうことが多く、妹ののぎの結婚では色々と準備なども請け負って忙しかったようです。

 1歳年上でありながらも愛らしさに満ち溢れている冴のことは『放っておけない何か』があると感じていて、なにが何でも自分がそばにいなくてはという強い想いのもと、一心に愛しています。
 少々冴の快感を探求する姿勢には戸惑うこともありますが…霙も一般的な人以上の欲とをもっていることは間違いないため、2人であれこれとこっそり試したりしながら日々を楽しんでいる…ようです。
 なんにせよ、冴と霙がなのは言うまでもありません。
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