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大学生見合い 4
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「まだ信用した訳じゃあありません」
お見合いの次のデートの時
しっかり言っとかないと この人の場合は何でも都合よく理解してしまうから。
手を繋いで歩きながら片眉をあげ いつもの意地悪な表情で 私の顔を覗き込む。
「どうしたらいい?言え」
「まだ わかりません。兎に角私が駄目って言うことは絶対しないでくださいっ」
予約していたホテルのイタリアンレストランに行き案内されて席につく。
テーブルの上で肘をついて拳をこめかみにあて こちらをちらり見ている。
強くて綺麗な凰雅さんは考えてる仕草もやっぱり素敵で。
反対の手はずっと私の手をぎゅっと握っている。
「あの...そろそろ離してください」
私の言葉に訝しげに目をすがめて顎を上げる。
「お前信用ねえんだよ 直ぐ逃げるから。わかってんのか?捕まえるのに何年かかったっと思ってるんだ」
何年って...。
ずっと待っててくれたんだろうか。
さっきの言葉を信じていいんだろうか....。
それより
「まだ捕まってません」
ただでさえ 俺様なのに 調子に乗らせたらどうなるのか 考えただけで恐ろしい...。
「失礼致します」
食事が始まり胸の高鳴りをどうにか隠して平静を装っていると声がかかった。
私にも感じよく愛想をふってから
ホテルの支配人だろうか
凰雅さんも ああ とその挨拶に返している。
暫くすると 次は 綺麗な女性が挨拶に訪れ
個室なので 外から見えないのにどうやって知るのか。
仕事関係なのだろう あやふやな話で特定できないけど瞳の奥に好意を秘めているのは明らか。
私の知る凰雅さんなんてほんの一部分だと思うけど 知る限り 以前より一層彼の周りは華やいでいた。
前回からこのホテルにいるだけでも 挨拶に来る人が絶えない。
まだ女性は目を輝かせて話かけている。
それを見てると段々自分の気持ちが冷めていくのが分かる。
私は今ここで何をしているんだろう....。
何だか空しくなってくる。
この人から離れる為にアメリカに留学して 自分なりに成長したつもりだった。
それなのに意図も容易く 引き戻されている...。
凰雅さんが埒が明かない話にしびれを切らして
「要点がつかめない。大事な人と食事中なので 仕事なら要点を絞って会社の方に連絡ください」
と 打ち切り レストランの責任者を呼んで 後は誰も通さないよう強くお願いしていた。
責任者の話ではさっきの女性は凰雅さんを見かけて個室の前で控えているカメリエーレが取り次ぐというのを無視して 個室に押し掛けたらしい。
でも 凰雅さんは慣れてるよね。
…昔からもてる人だったから。
…何だか 今の嫌味っぽくない?
...今日のところは帰ろう。
気持ちを整理したい。
席を立ち 少し作り笑顔で話す。
目を見開く凰雅さんを気にも留めず
「今日はありがとうございました。何だか疲れてしまったので帰ります。お食事もおいしかったのに中座してすみません」
「おい!」
その瞬間 周りの空気がぐんと緊張するのを感じた。
私はそれでも 掴む手を振り払い
「...今日は帰らせて。お願い」
精一杯強がったけれど 声がふるえる。目も合わせられられない。
凰雅さんは少しの間 沈黙した後
私の手をしっかり握り直し
「送る」
とだけ言って立ち上がった。
周りは何が起こったのか 彼が急に機嫌が悪くなっておろおろしている。
申し訳なく思ったけれど 繕う事は無理だった。
さっきの事を振り返って見ても 凰雅さんは女性にあっさりとした対応だった。
何を気にしているのか 自分が嫌になる。
お見合いの次のデートの時
しっかり言っとかないと この人の場合は何でも都合よく理解してしまうから。
手を繋いで歩きながら片眉をあげ いつもの意地悪な表情で 私の顔を覗き込む。
「どうしたらいい?言え」
「まだ わかりません。兎に角私が駄目って言うことは絶対しないでくださいっ」
予約していたホテルのイタリアンレストランに行き案内されて席につく。
テーブルの上で肘をついて拳をこめかみにあて こちらをちらり見ている。
強くて綺麗な凰雅さんは考えてる仕草もやっぱり素敵で。
反対の手はずっと私の手をぎゅっと握っている。
「あの...そろそろ離してください」
私の言葉に訝しげに目をすがめて顎を上げる。
「お前信用ねえんだよ 直ぐ逃げるから。わかってんのか?捕まえるのに何年かかったっと思ってるんだ」
何年って...。
ずっと待っててくれたんだろうか。
さっきの言葉を信じていいんだろうか....。
それより
「まだ捕まってません」
ただでさえ 俺様なのに 調子に乗らせたらどうなるのか 考えただけで恐ろしい...。
「失礼致します」
食事が始まり胸の高鳴りをどうにか隠して平静を装っていると声がかかった。
私にも感じよく愛想をふってから
ホテルの支配人だろうか
凰雅さんも ああ とその挨拶に返している。
暫くすると 次は 綺麗な女性が挨拶に訪れ
個室なので 外から見えないのにどうやって知るのか。
仕事関係なのだろう あやふやな話で特定できないけど瞳の奥に好意を秘めているのは明らか。
私の知る凰雅さんなんてほんの一部分だと思うけど 知る限り 以前より一層彼の周りは華やいでいた。
前回からこのホテルにいるだけでも 挨拶に来る人が絶えない。
まだ女性は目を輝かせて話かけている。
それを見てると段々自分の気持ちが冷めていくのが分かる。
私は今ここで何をしているんだろう....。
何だか空しくなってくる。
この人から離れる為にアメリカに留学して 自分なりに成長したつもりだった。
それなのに意図も容易く 引き戻されている...。
凰雅さんが埒が明かない話にしびれを切らして
「要点がつかめない。大事な人と食事中なので 仕事なら要点を絞って会社の方に連絡ください」
と 打ち切り レストランの責任者を呼んで 後は誰も通さないよう強くお願いしていた。
責任者の話ではさっきの女性は凰雅さんを見かけて個室の前で控えているカメリエーレが取り次ぐというのを無視して 個室に押し掛けたらしい。
でも 凰雅さんは慣れてるよね。
…昔からもてる人だったから。
…何だか 今の嫌味っぽくない?
...今日のところは帰ろう。
気持ちを整理したい。
席を立ち 少し作り笑顔で話す。
目を見開く凰雅さんを気にも留めず
「今日はありがとうございました。何だか疲れてしまったので帰ります。お食事もおいしかったのに中座してすみません」
「おい!」
その瞬間 周りの空気がぐんと緊張するのを感じた。
私はそれでも 掴む手を振り払い
「...今日は帰らせて。お願い」
精一杯強がったけれど 声がふるえる。目も合わせられられない。
凰雅さんは少しの間 沈黙した後
私の手をしっかり握り直し
「送る」
とだけ言って立ち上がった。
周りは何が起こったのか 彼が急に機嫌が悪くなっておろおろしている。
申し訳なく思ったけれど 繕う事は無理だった。
さっきの事を振り返って見ても 凰雅さんは女性にあっさりとした対応だった。
何を気にしているのか 自分が嫌になる。
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