完璧なお見合い結婚〈完全完結〉9/12完全完結しました!

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大学生 近づく心 Ⅱ ー8

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体を休める為にベッドに入ったけど 眠りに着けない。

苦しむ凰雅さんがフラッシュして浮かんで辛くなる。

早く 早くと気持ちは焦るけれど

近いうちに ってそう言っていた 佐藤さん。

....佐藤さん。

必死ですがり付いたのは私だけど ここまでしてもらって佐藤さんには何の利が有るのだろう。
見えていない裏側が有るのだろうか。

...現時点ではスマホを渡しただけ。

おサイフにもしていないし ネットショッピングもしていない。
ましてや 凄い色のクレジットカードは一度もネットでは使った事がない。

あの中の私の財産は電話帳だけ か。

写真なんて撮ってないし。

...ああ もう止めよう。
この瞬間は佐藤さんを信じないと何も出来ない。

親切心からだとしたら 私は自分からすがっておいて最低だ。

そう思って無理矢理頭を空っぽにして
そして眠りに着いた。



たいした睡眠時間も取れずに目が冴えて朝が来た。

決戦の火蓋が落とされたような心地で丹田に力を入れ深く息を吸う。そして何時でも出ていけるよう 準備を整える。

昨日佐藤さんに 情報漏洩と危険防止の為許可を出すまでルームサービスもフロントとの接触もしないように言い渡され 沢山のパンとカップ麺 水を手渡された。

部屋の掃除も不要のDon’t Disturbカードをドアノブに掛けてあり 細部までの徹底振りに嫌でも緊張感が増して。


テレビをつけていると 速報で老人と女性の人質解放が流されていた。

....佐藤さんの言ってた通りだ。
彼の言動に信憑性が高まる中 来客を告げる呼び鈴が鳴った。

そうっと覗くと 佐藤さんがいて チェーンをしたままドアを開く。
一人なのを確認して招き入れた。
念の為佐藤さんに対して 常に用心しているけど今の私にとって彼は唯一の頼みの綱で
部屋に入った彼に二人っきりで居ることの警戒心はもう既に無くなっていた。


「今日の昼は 米国料理の店から差し入れする。君は米国から来たばかりの設定でタイ語が出来なくても不自然ではない。今から行くが本当にやれるか?」

「はい!」

必死で頷く。

佐藤さんは私の肩を掴み正面から目をとらえて言った。

「いいか。余計な事はするな。沢山の命がかかっている。分かるな?こういう事は時間との勝負で 短時間に奪回しないと ぐんと人質の死亡率が違ってくる」

恐ろしい言葉が嫌な現実味をおびて流れ込んでくる。

ここまで私の言うことを真剣に受け入れてくれた佐藤さんに私も誠心誠意目を見て頷いた。

初めて見た時の印象とはかなり違う今の佐藤さんは 
厳しい顔のまま私を部屋から連れ出した。
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