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これからの事  1

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全てが終わってシャワーを浴びてベットに横たわり
冷静になった 今 私は猛烈に恥ずかしくて。

凰雅さんは私を緩く抱き寄せ 髪や頬に絶えずキスを落とす。
凰雅さんは何かを思い出した様で あ と声を出し。

「今夜は着けろよ」

「?何を?」

ニヤリと片眉をあげて耳元で。

「セクシーな下着の方だよ」
「着けません!」

間髪入れずに断ると 凰雅さんは嬉しそうに笑った。

「出張の前日 どうして帰って来てくれなかったの?せめてメールでも..」

話し合いたかっただけなのに 不満が口をついて出てくる。
凰雅さんはちらりと横目で私の顔を見て

「...ちょっとは俺を恋しがれと思ったんだよ」

「恋しかったよ。寂しかった...」

ニヤリと笑った凰雅さんは満足げに

「...まあよしとするか。俺に比べれば浅いけど。

 ところで


 おまえ 佐藤といつ知り合った?」

急に入れ替わる空気に

なんだかただならぬ雰囲気を感じて怖じ気づきながら

「え 飛行機で。あっ 凰雅さん!カードでお金沢山使ったの!里美とホテルのスイートルームに停まって 飛行機ファーストクラスしかとれなくて」

ちょっとしどろもどろになりながら 多い出費をあげていくと 途中で遮られた。


「ああ 使ってくれて良かった」

「えっ?」

「俺の稼ぎをおまえが自由に使うって夫婦っての 実感する。普通に使って」

「....まだ夫婦では」

「は?今朝家族になりたいって言ったじゃねえか。また今じゃねえのか?」
うんざりした顔で話し出す。

「...まあ いい。絶対に夫婦になるのは決まってる事だし。今度は何だ?きいてやるよ。おまえも歩み寄ってくれてる訳だしな。俺も少しカリカリし過ぎた。欲求不満足だったしなあ」

とニヤリ。

甘い眼差しで
頬にキスを落として。

「こんなんじゃあねぇぜ。その代わり愛されてるってもっと満足させてやる」

はい?

あわわわ しながら真っ赤になるけど

どうにかクールダウンして冷静に話し出す。

うん。
いつまでもやられっぱなしと思わないでよね。

「じゃあ 今 結婚したら手加減してくれる?」

「え?」凰雅さんが目を見開いて 間の抜けた声を出した。

おかしくて 笑いそうになる。

「だから。籍を今入れたら私の ぺ ペースでそのっ エ エッチしてくれる?」

おこがましい言い方と恥ずかしい内容に どもった上に声が小さくなる。

「 ...本気か?」

凰雅さんの神経が鋭角に研ぎ澄まされている。

こくんと頷き 真剣な目で凰雅さんを見つめた。

「今回籍を入れていないことの意味をよくよく考えたの。凰雅さんがクーデターに巻き込まれているのに私は蚊帳の外で。この年令で結婚なんて世間的には早いけれど 凰雅さんさえよければ今が私達のタイミングだと思う」

凰雅さんは目を見開いたままごくりと喉をならす。

「凰雅さん 浮気は許しません。私の自由もください。一生大切にして下さい」

凰雅さんは 声も出さずにゆっくり頷く。

それに合わせて 私もゆっくり頷いた。

「私も貴方を一生大切にします。一番近くで心配する権利を下さい。

 ...愛してます。
 
 旦那様になって頂けますか?」

凰雅さんは嬉しそうに口を歪めて でも悔しそうに言った。

「イエスだ。帰ったら直ぐに届けを出しに行こう」

そんなふうに言うくせに私の頬を両手で引き伸ばしながら

「おい悪女。結婚詐欺師。こんな酷い女は初めて見た。翻弄されっぱなしだ!」

覚悟しろ!

そう言って 熱烈なキスをした。

それは言葉と裏腹に 凄く甘くて私を簡単にとろけさせた。
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