完璧なお見合い結婚〈完全完結〉9/12完全完結しました!

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高校生 逃げ切る? 4

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あっ

まずい...!



私の中で赤信号が点滅している。

逃げないと..!

あっと言う間に私の唇に凰雅さんの唇が重なり 少し離れてもう一度重なった。

少し 唇を吸われ 舌で舐められる。

急な出来事に固まって動く事さえ出来ない。

その内 凰雅さんの手が服越しの私の胸に触れた。

その瞬間 

凰雅さんが別人のように思えてきて

ぶるぶる震えだし怖くて涙が出てくる。

わかってたけど。知ってたけど。

どんな人か 簡単に手を出すとか。

でも 今日の凰雅さんはやさしくてちょっと違ったから。

すっかり忘れてた。

怖い人だってこと。


私の顔を覗き込んだ凰雅さんは驚いた顔をして その後諦めたように ふーっ と長い息を吐いてから 私を抱き締めた。

「分かったって。悪かった。泣くな もうしねえから。怖くねえから」

まただ。

この人が怖いのにこの人に慰められている。

訳が分からなくてこんがらがる。

そんなやさしくされると 涙が止まらなくなる。

うっうっ と泣き出す私を凰雅さんはやさしくずっと抱き寄せたままだった。

随分たってから凰雅さんが

「お前なあ ちょっとは警戒しろよ。連れ込まれたら終わりなんだぞ」

泣きながらコクコク頷く。
どうにか絞り出した声で

「だ だって 今日の凰雅さん やさしかったから」

とだけ言った。


凰雅さんは意外そうな声で

「俺がやさしい ねえ。ふーん お前だけだ そんな事言えるのは」

それから
「なあ キスだけでもだめ?」

あり得ない!
まだ泣きながらブンブン首を横に振って凰雅さんを睨む。

凰雅さんは苦笑いしながらこめかみにキスした。

これぐらいは許せ と言って。

私がもう二度と凰雅さんの車に乗らない!

と言って離れようとすると 
腕をしっかり掴んで離さない。

わかった わかった もうしない って言いながら

やさしく笑っていた。
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