You Could Be Mine 【改訂版】

てらだりょう

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You Could Be Mine

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床にしゃがみ込んだまま。

時間が過ぎてく。

頭ぼおっとして。

でもそろそろ同伴の客と約束の時間。

行かなきゃ。

クローゼット開けてシャツ出して。

鏡に映る俺。

もっかい顔洗った方がいいな。ひでえ顔。

俺の首に光る金細工のM。

ずっと外さねえよ。

俺が、この世でたったひとり愛することができたひとの名前。

引き出しにしまってあるリング。

ケースから出して指にはめてみたら爪の下んとこまでしか入らねえ。

もう。

渡す事は出来ねえ、リング。

渡せないままだったけど。

大切な俺の思い出。

みのりさんを愛した思い出と一緒に大事にとっとこう。

いつも部屋ん中ばっかだったけど。

もっといっぱい遊びに行っていっぱい写真撮っとけばよかったな。

みのりさんが笑ってる写真。いっぱい。

今頃。

みのりさんは。

泣いてるだろな。

ああ、ダメだな。

また涙出てきた。

冷たい水で顔洗って。

しゃんとしろよ。

自分で決めた事だろ。

同伴して店入って。

今日も稼がねえとな。

俺には他に。

生きてく場所なんてねえんだからな。

甘い言葉並べて女に金遣わせて。

それが俺の仕事。

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