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3ー1:メダルハンターへの道
◇88 漫画みたいな展開
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あれからどのくらい経ったのかな?
私は代わり映えのしない景色を横目に、とにかくとにかく走った。
普通に疲れそうな距離と時間だけど、私は全然余裕で、とにかく森を走り続けた。
「そろそろなにか出て来るよね?」
流石に何も無さすぎて不安になる。
そんな私だったけど、急にサラサラと何かが流れる音が聞こえた。
「この音……」
私は耳がいい方だと思う。多分この音は間違いない。
ハッとなって進行方向を斜め具合に変えると、目の前は獣道だ。
「こ、ここ進むのはちょっと……行くしかないのかな?」
私は獣道を目の前にして臆した。ここを通るのは少し嫌だった。
けれど行くしかないし、行かないとダメな気がする。
私は突き動かされる何かに嫌悪しつつも、目をギュッと瞑り走り出した。
するとサラサラと流れる音が確実なものになった。
間違いなく聞こえてくるのは、この音で合っている。
しかも私には心当たりが……全く無かった。
「誰かと合流できるかな? Night、フェルノ、いるよね?」
だけど想像力を働かせ、何とか汲み取った。
もちろん拡大解釈って奴だと思う。
それでも真実しかできず、私は一縷の望みを掛けた。そろそろ誰かと合流したいんだ。
「ここは……やっぱり!」
私が獣道を抜けると、先にあったのはそこまで大きくは無いが、人工的な橋が掛かっていた。随分と年季が入っているのか、苔や植物の蔦に侵食されている。
外側が緑に覆われ、内側も所々が腐り掛けているちょっと危険な木製の橋。
私はゴクリと緊張感と共に喉を鳴らすと、橋の真下に綺麗な水が流れていた。
「もしかしなくても川だよね? ってことは、誰かと合流できるかも」
川はそこまで流れが荒くなかった。
むしろゆったりとしていて、水面を覗き込めば私の影が映り込む。
水深もそこまで深く無いみたいで、例え川に落ちても流されずに済みそうだ。
(まあ、落ちたくは無いけど)
そんなことを心の中で呟く。
だけど川辺にやって来れたのは多分いいこと。
なにせ、Nightが居るって言っていたのは、“川辺”だからだ。
「川辺ってことはNightだよね? もしかしてこの近くかも。探してみよう」
私は何だか元気が出て来た。ギュッと拳を作ると、胸が温かくなるのを感じる。
きっとやっと合流できることに、気持ちが高ぶっているんだ。
とは言え問題はここから。広い広いマップにたくさんある川の中から、Nightを探す。そんな偶然に頼らないとできないこと、本当にできるのかな?
「……あー、なんだか無理な気がしてきた」
「そうだな。世の中にはたくさんの無理が存在している」
「ん?」
急に私の鬱屈とした言葉に合いの手を入れて来た。
流石にそんなことをするプレイヤーが他にいるのかな?
それとも私の耳がおかしくなったり、頭の中で勝手に言葉合わせが起きたのかな?
色んな事を思ったけど、聞こえて来たのは川の方からだ。
「もしかして……あっ!」
「やっと合流か」
橋の上から皮を覗き込むと、Nightの姿を見つけた。
よかった、やった合流だ。私は胸を撫で下ろす。
橋の下の川は、両脇を森に囲まれている。
その内側には砂利がたくさん敷き詰められていて、川の中に丸っこい石が置いてある。
Nightは砂利道を歩いていて、見上げる形で私を見つけてくれた。
「Night、そこにいたんだね!」
「これで二人か。かなり時間が掛かったな」
「うん。でも、無事に合流できたよ。あっ、メダルも一応拾えるだけ拾って来たから」
私はポケットの中からメダルを取り出す。
あれから集めて合計五枚、全部星一つのメダルを集めた。
「そうか。私も集めて来たが、少し待て。今もう一つを取って来る」
「もう一つ?」
「お前の真下だ」
「真下? あれ、蔦に何かキラキラしたものが引っかかってる」
Nightに誘導され、視線を橋の下に向けた。蔦に何か絡まっているのか、キラキラ光り輝いている。凝視をして覗き込むと、丸っこい形をしていて、多分メダルで間違いない。
「メダルだ!」
「だから私が取って来る。お前は下手な真似をするなよ、ここは危険だからな」
「き、危険?」
「よっと」
Nightは私に忠告すると、川の真ん中に何個も置いてある丸石へ飛び移った。
丁寧に一歩ずつ、計算しながら丸石を渡っていく。
Nightにしては珍しい真似に、私はボーッと見てしまうと、真ん中の石まで辿り着く。
「この辺りか?」
「うん。多分その辺だけど、どうするの?」
「決まっているだろ。ここから取る」
Nightは固有スキルを発動。【ライフ・オブ・メイク】でHPの総量を削る。
代わりにNightの手の中に長物が生み出された。
形はそう、完全に虫取り網だ。
「えっ、虫網で取るの?」
「くっ、届かないか……」
私が声を上げるも、Nightは大真面目だった。
確かに虫取り網なら、メダルを落としても上手くキャッチできる。
けれど流石にNightが腕を伸ばしても、蔦にまで虫取り網は届かない。
もちろん私でも無理そうで、メダルに触れることさえできなかった。
「クソッ、やっぱり無理か。仕方ない、少し柄を伸ばして……」
「待って、Night。私が蔦を引っ張るから!」
「お、おい、余計な真似はするな。そんなことすれば」
「行くよ、せーのっ!」
私は蔦を引っ張った。幸いメダルは蔦の絡み付いてくれていた。
そのおかげで蔦を持ち上げてもメダルが落ちることは無く、キラキラ光る星二つのメダルがNightの方に引き寄せられた。
「どうかな?」
「クッ、そのままでいろよ。そ……」
バッシャーン!
「「えっ?」」
その時不思議なことが起きた。川の中に、さっきまで無かった筈の影が現れた。
かと思えば次の瞬間、水面を飛び出してきた巨大な魚が、キラキラ光るメダルに飛び掛かる。大きな口を開け、とてつもない吸引力でメダルを飲み込むと、再び水飛沫を上げて川の中に戻ってしまった。
「……なにが起きたの?」
正直私は訳が分からなかった。
法然とするしかなく、瞬きを二回・三回して困惑する。
「クソッ、だから嫌だったんだ。この川には主がいるらしいからな」
「ぬ、主? 今のが?」
「ああ。クソッ、星二つのメダルは貴重だからな」
「ご、ごめんなさい」
私は自分が下手なことをしたから、こんなことになったと分かる。
Nightに謝ったが、今更言っても仕方が無い。
もうメダルは無くなってしまい、取り戻すにはさっきの主を捕まえるしかない。
けれどそれは明日に持ち越しになりそうだ。
なにせ今の攻防で、今日のイベントは終了。
私達は漫画みたいな急展開に襲われ、そのまま一日目を終えてしまった。
私は代わり映えのしない景色を横目に、とにかくとにかく走った。
普通に疲れそうな距離と時間だけど、私は全然余裕で、とにかく森を走り続けた。
「そろそろなにか出て来るよね?」
流石に何も無さすぎて不安になる。
そんな私だったけど、急にサラサラと何かが流れる音が聞こえた。
「この音……」
私は耳がいい方だと思う。多分この音は間違いない。
ハッとなって進行方向を斜め具合に変えると、目の前は獣道だ。
「こ、ここ進むのはちょっと……行くしかないのかな?」
私は獣道を目の前にして臆した。ここを通るのは少し嫌だった。
けれど行くしかないし、行かないとダメな気がする。
私は突き動かされる何かに嫌悪しつつも、目をギュッと瞑り走り出した。
するとサラサラと流れる音が確実なものになった。
間違いなく聞こえてくるのは、この音で合っている。
しかも私には心当たりが……全く無かった。
「誰かと合流できるかな? Night、フェルノ、いるよね?」
だけど想像力を働かせ、何とか汲み取った。
もちろん拡大解釈って奴だと思う。
それでも真実しかできず、私は一縷の望みを掛けた。そろそろ誰かと合流したいんだ。
「ここは……やっぱり!」
私が獣道を抜けると、先にあったのはそこまで大きくは無いが、人工的な橋が掛かっていた。随分と年季が入っているのか、苔や植物の蔦に侵食されている。
外側が緑に覆われ、内側も所々が腐り掛けているちょっと危険な木製の橋。
私はゴクリと緊張感と共に喉を鳴らすと、橋の真下に綺麗な水が流れていた。
「もしかしなくても川だよね? ってことは、誰かと合流できるかも」
川はそこまで流れが荒くなかった。
むしろゆったりとしていて、水面を覗き込めば私の影が映り込む。
水深もそこまで深く無いみたいで、例え川に落ちても流されずに済みそうだ。
(まあ、落ちたくは無いけど)
そんなことを心の中で呟く。
だけど川辺にやって来れたのは多分いいこと。
なにせ、Nightが居るって言っていたのは、“川辺”だからだ。
「川辺ってことはNightだよね? もしかしてこの近くかも。探してみよう」
私は何だか元気が出て来た。ギュッと拳を作ると、胸が温かくなるのを感じる。
きっとやっと合流できることに、気持ちが高ぶっているんだ。
とは言え問題はここから。広い広いマップにたくさんある川の中から、Nightを探す。そんな偶然に頼らないとできないこと、本当にできるのかな?
「……あー、なんだか無理な気がしてきた」
「そうだな。世の中にはたくさんの無理が存在している」
「ん?」
急に私の鬱屈とした言葉に合いの手を入れて来た。
流石にそんなことをするプレイヤーが他にいるのかな?
それとも私の耳がおかしくなったり、頭の中で勝手に言葉合わせが起きたのかな?
色んな事を思ったけど、聞こえて来たのは川の方からだ。
「もしかして……あっ!」
「やっと合流か」
橋の上から皮を覗き込むと、Nightの姿を見つけた。
よかった、やった合流だ。私は胸を撫で下ろす。
橋の下の川は、両脇を森に囲まれている。
その内側には砂利がたくさん敷き詰められていて、川の中に丸っこい石が置いてある。
Nightは砂利道を歩いていて、見上げる形で私を見つけてくれた。
「Night、そこにいたんだね!」
「これで二人か。かなり時間が掛かったな」
「うん。でも、無事に合流できたよ。あっ、メダルも一応拾えるだけ拾って来たから」
私はポケットの中からメダルを取り出す。
あれから集めて合計五枚、全部星一つのメダルを集めた。
「そうか。私も集めて来たが、少し待て。今もう一つを取って来る」
「もう一つ?」
「お前の真下だ」
「真下? あれ、蔦に何かキラキラしたものが引っかかってる」
Nightに誘導され、視線を橋の下に向けた。蔦に何か絡まっているのか、キラキラ光り輝いている。凝視をして覗き込むと、丸っこい形をしていて、多分メダルで間違いない。
「メダルだ!」
「だから私が取って来る。お前は下手な真似をするなよ、ここは危険だからな」
「き、危険?」
「よっと」
Nightは私に忠告すると、川の真ん中に何個も置いてある丸石へ飛び移った。
丁寧に一歩ずつ、計算しながら丸石を渡っていく。
Nightにしては珍しい真似に、私はボーッと見てしまうと、真ん中の石まで辿り着く。
「この辺りか?」
「うん。多分その辺だけど、どうするの?」
「決まっているだろ。ここから取る」
Nightは固有スキルを発動。【ライフ・オブ・メイク】でHPの総量を削る。
代わりにNightの手の中に長物が生み出された。
形はそう、完全に虫取り網だ。
「えっ、虫網で取るの?」
「くっ、届かないか……」
私が声を上げるも、Nightは大真面目だった。
確かに虫取り網なら、メダルを落としても上手くキャッチできる。
けれど流石にNightが腕を伸ばしても、蔦にまで虫取り網は届かない。
もちろん私でも無理そうで、メダルに触れることさえできなかった。
「クソッ、やっぱり無理か。仕方ない、少し柄を伸ばして……」
「待って、Night。私が蔦を引っ張るから!」
「お、おい、余計な真似はするな。そんなことすれば」
「行くよ、せーのっ!」
私は蔦を引っ張った。幸いメダルは蔦の絡み付いてくれていた。
そのおかげで蔦を持ち上げてもメダルが落ちることは無く、キラキラ光る星二つのメダルがNightの方に引き寄せられた。
「どうかな?」
「クッ、そのままでいろよ。そ……」
バッシャーン!
「「えっ?」」
その時不思議なことが起きた。川の中に、さっきまで無かった筈の影が現れた。
かと思えば次の瞬間、水面を飛び出してきた巨大な魚が、キラキラ光るメダルに飛び掛かる。大きな口を開け、とてつもない吸引力でメダルを飲み込むと、再び水飛沫を上げて川の中に戻ってしまった。
「……なにが起きたの?」
正直私は訳が分からなかった。
法然とするしかなく、瞬きを二回・三回して困惑する。
「クソッ、だから嫌だったんだ。この川には主がいるらしいからな」
「ぬ、主? 今のが?」
「ああ。クソッ、星二つのメダルは貴重だからな」
「ご、ごめんなさい」
私は自分が下手なことをしたから、こんなことになったと分かる。
Nightに謝ったが、今更言っても仕方が無い。
もうメダルは無くなってしまい、取り戻すにはさっきの主を捕まえるしかない。
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