30 / 478
◇30 青いゴースト1
しおりを挟む
青白い靄。階段のフロアに佇んで、アキラたちを見ている。
見下ろしているのが正しい、しかし姿形はなく、何にもしてこない。それも、攻撃をしてこないんだ。こんな不思議なことあるのかな? だって相手は敵対反応すら示していないのに、モンスター? の表記が出ている。
「Night? あれ、なにかな」
「知らないな。前に来たときは、あんなものはいなかった」
アキラにNightは答えた。不安になることだ。
普通に考えれば、同じダンジョンには、同じようなモンスターが現れるのが定石のはず。Nightが話したのは、そんな当たり前なシステムだった。でもこんなことがあるなんて、二人は硬直してその場から動けなかった。これもパターンの模索だと、Nightはアキラに伝えていた。
「いいか、アキラ。動くなよ」
「如何して? 動かないと、やられちゃうよ」
「向こうは何もしてこないんだ。動かないのが、吉と見た。それに動く行為が、向こうのパターンの可能性だってある」
Nightの見立てはそんなところだった。
けれどまだ確証はない。そこでNightは、落ちていたタイルの破片を取り上げると、投げつけた。タイルは、青白いものをすり抜ける。
「すり抜けたな」
「すり抜けたね」
アキラとNightは淡々としていた。
青白いものは、すり抜けただけで攻撃してこない。もしかして大丈夫なのかな? アキラは首を傾げつつ、Nightをチラ見し、一歩を踏み出そうとした。すると、
「うわぁ!」
青白い何かが飛んできた。
鋭い光弾となってアキラの歩いたタイルを焼いた。これは敵対行為だ。本当に、攻撃してくるなんて、まさかこんなことになるなんて。アキラはこめかみから、汗を流した。ちょっと怖い。
「ま、まさか本当に攻撃してきちゃった」
「大丈夫だ」
「Night!」
すぐ隣にいるNightがいつも以上に頼もしい。
彼女の手の中には、十字架のような剣がある。完全に敵対意識を向けていた。剣を抜くのはNightだけじゃない、私も剣を抜き、アキラは戦う意識を定めた。
「Night、どうするの?」
「問題ない。互いに左右から行くぞ、聖水は塗っておけ」
「わ、わかった」
聖水を使う時が来た。インベントリの中から取り出すと、アキラは剣の刀身に浸した。
ぽたぽたと零れだす。だけどモンスターは、聖水を見ているうちに何かを悟ったのか、足っぽいものが、後退した。もしかして、びびってるのかな? アキラは、一人で試行錯誤していたけど、すぐに前に出ることにしたんだ。
「私は右だ。お前は左から行け」
「オッケー」
ロングソードには、聖水が。十字架の剣には、何も塗っていない。
私とNightは距離を詰めながら、階段の一段目に足先を駆けると、モンスターは体を変に歪ませて、アキラたちを襲ったんだ。
見下ろしているのが正しい、しかし姿形はなく、何にもしてこない。それも、攻撃をしてこないんだ。こんな不思議なことあるのかな? だって相手は敵対反応すら示していないのに、モンスター? の表記が出ている。
「Night? あれ、なにかな」
「知らないな。前に来たときは、あんなものはいなかった」
アキラにNightは答えた。不安になることだ。
普通に考えれば、同じダンジョンには、同じようなモンスターが現れるのが定石のはず。Nightが話したのは、そんな当たり前なシステムだった。でもこんなことがあるなんて、二人は硬直してその場から動けなかった。これもパターンの模索だと、Nightはアキラに伝えていた。
「いいか、アキラ。動くなよ」
「如何して? 動かないと、やられちゃうよ」
「向こうは何もしてこないんだ。動かないのが、吉と見た。それに動く行為が、向こうのパターンの可能性だってある」
Nightの見立てはそんなところだった。
けれどまだ確証はない。そこでNightは、落ちていたタイルの破片を取り上げると、投げつけた。タイルは、青白いものをすり抜ける。
「すり抜けたな」
「すり抜けたね」
アキラとNightは淡々としていた。
青白いものは、すり抜けただけで攻撃してこない。もしかして大丈夫なのかな? アキラは首を傾げつつ、Nightをチラ見し、一歩を踏み出そうとした。すると、
「うわぁ!」
青白い何かが飛んできた。
鋭い光弾となってアキラの歩いたタイルを焼いた。これは敵対行為だ。本当に、攻撃してくるなんて、まさかこんなことになるなんて。アキラはこめかみから、汗を流した。ちょっと怖い。
「ま、まさか本当に攻撃してきちゃった」
「大丈夫だ」
「Night!」
すぐ隣にいるNightがいつも以上に頼もしい。
彼女の手の中には、十字架のような剣がある。完全に敵対意識を向けていた。剣を抜くのはNightだけじゃない、私も剣を抜き、アキラは戦う意識を定めた。
「Night、どうするの?」
「問題ない。互いに左右から行くぞ、聖水は塗っておけ」
「わ、わかった」
聖水を使う時が来た。インベントリの中から取り出すと、アキラは剣の刀身に浸した。
ぽたぽたと零れだす。だけどモンスターは、聖水を見ているうちに何かを悟ったのか、足っぽいものが、後退した。もしかして、びびってるのかな? アキラは、一人で試行錯誤していたけど、すぐに前に出ることにしたんだ。
「私は右だ。お前は左から行け」
「オッケー」
ロングソードには、聖水が。十字架の剣には、何も塗っていない。
私とNightは距離を詰めながら、階段の一段目に足先を駆けると、モンスターは体を変に歪ませて、アキラたちを襲ったんだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
175
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる