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◇357 同じ名前のアイテムだけど
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フェルノは目を丸くしていた。
対してアキラは分かっていた顔をする。
お互いにとりあえずとばかりに、言いたいことを一言吐いた。
「えっと、それ何?」
「やっぱり違うんだね」
お互いにまるで感想が違った。
フェルノの言いたいことはもっともで、Night達も同意見らしい。
一方のアキラはと言うと、正解は別のアイテムだったこと。アクアドラゴンの髭何て絶対今回の限定アイテムじゃないと容易に想像できていた。
だからだろうか? アキラはフェルノたちから質問を受ける。
「アキラ、それ何?」
「コレ? コレはね、龍の髭だよ」
「龍の髭? こっちも龍の髭だよ?」
「そうなんだ。同じ名前なのに面白いね」
アキラは呑気に相槌を打つ。
しかし黙っていない人も居た。
「面白いで済むか」
やっぱりと言うべきか、Nightが口を挟んだ。
アキラはそう来ると最初から思っていたのだが、やけに怒っていた。
何に怒られないといけないのか。さっぱり分からない。
「良いか、龍の髭は貴重な季節限定のアイテムだ。確かに二時間の間に釣りスポットが変化する可能性もあるが、一つのパーティーに付き入手できる個数は決まっている。だからどちらかは今回のイベントとは無関係だ」
「無関係ってことはないと思うよ?」
「うーん。同じ名前の別種のアイテムかもしれないけど……ねぇ?」
アキラとフェルノはお互いに龍の髭を入手した達成感を知っていた。
だからどちらかを無関係、即ち偽物呼ばわりはしたくないのだ。
しかし今回のイベントで反映されるものはおそらくフェルノが手に入れた物。
アキラ予めそれを前提にして口を出した。
「ねえフェルノ。それってどんなモンスターから手に入れたの?」
「コレ? えっとね、ちょっと待ってよ」
フェルノは何やらメニューを開いていた。
インベントリを整理しているようで、アキラたちは龍の髭の正体をとうとう知ることになる。
ゴクリと喉を鳴らしてみる。するとインベントリから仰々しく取り出された。
「はい、コレ!」
「な、ナマズ? しかもかなり小さめだね」
フェルノ手には小さめのナマズが握られていた。
尾鰭を掴まれていて逃げられず、まだ釣られてそう時間も経っていないためだろうか? かなり元気で、ピチピチ跳ねている。
「そうみたいだよー、結構小さいみたい」
「髭だけが無くなっていますね。ですがこの形状、ナマズと言うよりも……」
「どっちかと言うとアンコウよね」
「「確かに!」」
フェルノが釣り上げたのはアンコウのようなナマズだった。
だけど龍の髭が上手く手に入れることができたので、アキラは素直に褒めた。
「凄い、凄い凄い! フェルノ、お手柄だよ!」
「えへへ。ありがとー」
「でもまさかナマズだったんだね。龍の髭って言うくらいだから、もっとドラゴンチックなモンスターかと思ってた」
「そうだねー。私もナマズだった時はびっくりしちゃったよ。おっと、うわぁ、ちょっと!」
ナマズはフェルノの腕を滑り降ちる。
そのまま池の中に飛び込んで、水面を揺らして見えなくなった。
「あちゃぁー。大丈夫かなー」
「大丈夫って?」
「髭が無いのに感覚器官が発揮できるか心配何だろ。とは言え、それよりもだ。アキラ、お前が持って来たソレはなんだ」
「えっ、コレ?」
Nightはアキラの持っている龍の髭を指摘する。
確かにフェルノ持っている龍の髭は実証もあった。
ナマズが実際に池の中に戻って行く姿を見てしまったので信じる他ない。
だけどアキラの持っている龍の髭についてはなにも分からない。
「お前の持っているアイテムの詳細が何も分からなくなった。持って来たのはお前だ。何か知っているんだろ?」
Nightが詰め寄って来る。
何も悪いことをしていないアキラは何故詰め寄られているのかまるで分らない。
しかしアキラは誤魔化すことはせず、一旦冷静になって貰う。
「落ち着いてよ、Night」
「私は落ち着いている」
「そうじゃなくて、同じ名前のアイテムがあってもおかしくないでしょ? ほら、世の中って広いんだよ? 私たちが知らないだけで、もしかしたら同系同名のアイテムがあってもおかしくはないでしょ?」
ここは冷静にアキラは説明する。
しかしこれだとアキラが持って来た龍の髭については何も伝えていない状態になる。
なのでまたしても詰め寄られた。
「そんなことは分かっている。だが、同じ場所で同系列同名のアイテムがあるなど、完全に陰湿……まあ、それも無くはないが」
「Night?」
Nightは一人で自問自答し始めた。
こうなってはお終いなので、観念して説明する。
とは言え何処に居たかは内緒にする。それがあの場所を守ることに繋がるだから。
「ごめんね。私、この二時間? の間、ずっとあるモンスターと一緒に居たんだ」
「モンスターと一緒に居ただと?」
「うん。私ね、龍と一緒に居たんだ。アクアドラゴンって言う、とっても強くてカッコいい水神様? って言うのかな……あれ?」
アキラは嘘偽りなく説明した。
そのつもりなのだがNightたちはポカンとしていて、アキラは困惑して頬を爪で掻いた。
対してアキラは分かっていた顔をする。
お互いにとりあえずとばかりに、言いたいことを一言吐いた。
「えっと、それ何?」
「やっぱり違うんだね」
お互いにまるで感想が違った。
フェルノの言いたいことはもっともで、Night達も同意見らしい。
一方のアキラはと言うと、正解は別のアイテムだったこと。アクアドラゴンの髭何て絶対今回の限定アイテムじゃないと容易に想像できていた。
だからだろうか? アキラはフェルノたちから質問を受ける。
「アキラ、それ何?」
「コレ? コレはね、龍の髭だよ」
「龍の髭? こっちも龍の髭だよ?」
「そうなんだ。同じ名前なのに面白いね」
アキラは呑気に相槌を打つ。
しかし黙っていない人も居た。
「面白いで済むか」
やっぱりと言うべきか、Nightが口を挟んだ。
アキラはそう来ると最初から思っていたのだが、やけに怒っていた。
何に怒られないといけないのか。さっぱり分からない。
「良いか、龍の髭は貴重な季節限定のアイテムだ。確かに二時間の間に釣りスポットが変化する可能性もあるが、一つのパーティーに付き入手できる個数は決まっている。だからどちらかは今回のイベントとは無関係だ」
「無関係ってことはないと思うよ?」
「うーん。同じ名前の別種のアイテムかもしれないけど……ねぇ?」
アキラとフェルノはお互いに龍の髭を入手した達成感を知っていた。
だからどちらかを無関係、即ち偽物呼ばわりはしたくないのだ。
しかし今回のイベントで反映されるものはおそらくフェルノが手に入れた物。
アキラ予めそれを前提にして口を出した。
「ねえフェルノ。それってどんなモンスターから手に入れたの?」
「コレ? えっとね、ちょっと待ってよ」
フェルノは何やらメニューを開いていた。
インベントリを整理しているようで、アキラたちは龍の髭の正体をとうとう知ることになる。
ゴクリと喉を鳴らしてみる。するとインベントリから仰々しく取り出された。
「はい、コレ!」
「な、ナマズ? しかもかなり小さめだね」
フェルノ手には小さめのナマズが握られていた。
尾鰭を掴まれていて逃げられず、まだ釣られてそう時間も経っていないためだろうか? かなり元気で、ピチピチ跳ねている。
「そうみたいだよー、結構小さいみたい」
「髭だけが無くなっていますね。ですがこの形状、ナマズと言うよりも……」
「どっちかと言うとアンコウよね」
「「確かに!」」
フェルノが釣り上げたのはアンコウのようなナマズだった。
だけど龍の髭が上手く手に入れることができたので、アキラは素直に褒めた。
「凄い、凄い凄い! フェルノ、お手柄だよ!」
「えへへ。ありがとー」
「でもまさかナマズだったんだね。龍の髭って言うくらいだから、もっとドラゴンチックなモンスターかと思ってた」
「そうだねー。私もナマズだった時はびっくりしちゃったよ。おっと、うわぁ、ちょっと!」
ナマズはフェルノの腕を滑り降ちる。
そのまま池の中に飛び込んで、水面を揺らして見えなくなった。
「あちゃぁー。大丈夫かなー」
「大丈夫って?」
「髭が無いのに感覚器官が発揮できるか心配何だろ。とは言え、それよりもだ。アキラ、お前が持って来たソレはなんだ」
「えっ、コレ?」
Nightはアキラの持っている龍の髭を指摘する。
確かにフェルノ持っている龍の髭は実証もあった。
ナマズが実際に池の中に戻って行く姿を見てしまったので信じる他ない。
だけどアキラの持っている龍の髭についてはなにも分からない。
「お前の持っているアイテムの詳細が何も分からなくなった。持って来たのはお前だ。何か知っているんだろ?」
Nightが詰め寄って来る。
何も悪いことをしていないアキラは何故詰め寄られているのかまるで分らない。
しかしアキラは誤魔化すことはせず、一旦冷静になって貰う。
「落ち着いてよ、Night」
「私は落ち着いている」
「そうじゃなくて、同じ名前のアイテムがあってもおかしくないでしょ? ほら、世の中って広いんだよ? 私たちが知らないだけで、もしかしたら同系同名のアイテムがあってもおかしくはないでしょ?」
ここは冷静にアキラは説明する。
しかしこれだとアキラが持って来た龍の髭については何も伝えていない状態になる。
なのでまたしても詰め寄られた。
「そんなことは分かっている。だが、同じ場所で同系列同名のアイテムがあるなど、完全に陰湿……まあ、それも無くはないが」
「Night?」
Nightは一人で自問自答し始めた。
こうなってはお終いなので、観念して説明する。
とは言え何処に居たかは内緒にする。それがあの場所を守ることに繋がるだから。
「ごめんね。私、この二時間? の間、ずっとあるモンスターと一緒に居たんだ」
「モンスターと一緒に居ただと?」
「うん。私ね、龍と一緒に居たんだ。アクアドラゴンって言う、とっても強くてカッコいい水神様? って言うのかな……あれ?」
アキラは嘘偽りなく説明した。
そのつもりなのだがNightたちはポカンとしていて、アキラは困惑して頬を爪で掻いた。
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