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◇404 アクア・カカオ豆を調べたい
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アキラとNightはギルドホームを出た。
とりあえず各々で調べることになったのだが、なにを調べたら良いのか分からない。
そこでNightはアキラに指示を出す。
「アキラはソウラに直接話を聴いて来てくれ」
「それはいいけど、Nightはどうするの?」
「おそらくは情報の種はないが、図書館に行ってみる」
「図書館?」
アキラが利用したことの無い施設だった。
この街には大きな図書館がある。
けれどそこまで書蔵数が多くはなく、貴重な代物は少ない。
本の街にでも行けばたくさんのネットに転がっていない秘匿情報もあるだろうが、この街では無縁だった。
「それじゃあ頼んだぞ」
「はーい」
アキラは先に行くNightを見送った。
後ろ姿が見えなくなると、アキラもソウラに話を聴くために、Deep Skyに向かった。
「ってことがあったんですけど」
「なるほど、Nightが本気になるなんて珍しいわね」
アキラはDeep Skyの店にやって来ると、今日もソウラが居た。
地下にはピーコも居るようで、相変わらずの雰囲気と体制にホッと胸を撫で下ろす。
ジュース(お酒ではない)を出して貰ったアキラは一人グラスを磨くソウラと話をしていた。
「それでアクア・カカオ豆なんですけど、何処にあるのか知ってますか?」
「うーん、一応知っているわよ。でも確信が無くて」
「眉唾な情報ってことですか? それじゃあ最初から採りには……」
「そう言うことじゃないのよ。ネットには転がっていない、この世界だけの情報なの」
「えっ?」
あまりにも意外過ぎた。
まさかネットに転がっていないのはわざとそうしていたということだろうか。
今時リーク情報が無いのは珍しいGAMEだったが、そこまで情報漏洩に厳重なのは流石に度肝を抜かされる。
「それでアクア・カカオ豆だけど、もう少しでバレンタインデーでしょ。それに合わせて限定的に開かれている特別なエリアにだけ生っているそうなのよ」
「特別なエリア?」
と言うことは、普通に入手するのはできない気がする。
今まで以上に今の季節限定だと判ると、流石に急がないとダメだと密かに焦る。
けれど問題は何処にあるかだ。ネットの海を広く探してもない情報に、そう易々と辿り着ける気がしなかった。
「特別なエリアとなると、まだ私たちが行ったことないエリアってことですかね?」
「おそらくそうね。そう言えば、私が聞いた話だと、海を越える必要があるって言っていたわね」
「う、海ですか!?」
まさかの事実を突きつけられた。
海と言うエリアはこの世界で最も広い。
けれど未だに海エリアに行った経験は少なく、スタットからは見ることもできなかった。
「海を越えるってことは、船も必要ってことですよね? そんなの操舵できないよ……」
「そうよね。自動操縦してくれるものじゃないから、ちゃんとした技術やスキルを持っていないとダメよね」
「それって色んなプレイヤーに厳し過ぎません?」
「そうよ。だから港町に行って、NPCの操舵する船に乗せて貰うしかないわね」
「港町……行ったことないなー」
未だにほとんどの街や村に行ったことがない。
限られたエリアを行ったり来たりしながらレベルを上げたりモンスターと戦っていた。
そのせいで継ぎ接ぎメンバーの脳内マップは限りなく狭く、何処に行くにも新鮮で楽しいけれど大変でもあった。
「うーん、アクア・カカオ豆」
「本当にあるのかしら」
「それを言ったらお終いですよ」
もはやそのレベルで疑い始めていた。
けれど眉唾な情報でも何もないよりは面白い。
とは言えここまで情報が少ないと、推測も何もできやしない。
如何したらと頭を抱えると、ポツリと一言吐かれた。
「こうなったら一縷の望みを懸けて、ギルドにでも行ってみたらどうかしら?」
「ギルドですか? うーん、それしかないですね」
ソウラもお手上げだった。
しかし最後にギルドと言う良い場所が残っていた。
もしかしたらそこなら情報があるかもしれない。
それを期待して、アキラも応答した。
「分かりました。それじゃあ調べてみます」
「頑張ってね。それからもしも余裕が有ったら……」
「はい、できれば採って来ますよ」
「ありがとう。その時は何かお礼をするわね」
ソウラと果たせるか分からない約束を交わした。
とは言えまだまだ何も分かっていない。果たして本当にアクア・カカオ豆は有るのだろうか? アキラは一縷の望みを懸けて、明日ギルド会館に行ってみることにした。
とりあえず各々で調べることになったのだが、なにを調べたら良いのか分からない。
そこでNightはアキラに指示を出す。
「アキラはソウラに直接話を聴いて来てくれ」
「それはいいけど、Nightはどうするの?」
「おそらくは情報の種はないが、図書館に行ってみる」
「図書館?」
アキラが利用したことの無い施設だった。
この街には大きな図書館がある。
けれどそこまで書蔵数が多くはなく、貴重な代物は少ない。
本の街にでも行けばたくさんのネットに転がっていない秘匿情報もあるだろうが、この街では無縁だった。
「それじゃあ頼んだぞ」
「はーい」
アキラは先に行くNightを見送った。
後ろ姿が見えなくなると、アキラもソウラに話を聴くために、Deep Skyに向かった。
「ってことがあったんですけど」
「なるほど、Nightが本気になるなんて珍しいわね」
アキラはDeep Skyの店にやって来ると、今日もソウラが居た。
地下にはピーコも居るようで、相変わらずの雰囲気と体制にホッと胸を撫で下ろす。
ジュース(お酒ではない)を出して貰ったアキラは一人グラスを磨くソウラと話をしていた。
「それでアクア・カカオ豆なんですけど、何処にあるのか知ってますか?」
「うーん、一応知っているわよ。でも確信が無くて」
「眉唾な情報ってことですか? それじゃあ最初から採りには……」
「そう言うことじゃないのよ。ネットには転がっていない、この世界だけの情報なの」
「えっ?」
あまりにも意外過ぎた。
まさかネットに転がっていないのはわざとそうしていたということだろうか。
今時リーク情報が無いのは珍しいGAMEだったが、そこまで情報漏洩に厳重なのは流石に度肝を抜かされる。
「それでアクア・カカオ豆だけど、もう少しでバレンタインデーでしょ。それに合わせて限定的に開かれている特別なエリアにだけ生っているそうなのよ」
「特別なエリア?」
と言うことは、普通に入手するのはできない気がする。
今まで以上に今の季節限定だと判ると、流石に急がないとダメだと密かに焦る。
けれど問題は何処にあるかだ。ネットの海を広く探してもない情報に、そう易々と辿り着ける気がしなかった。
「特別なエリアとなると、まだ私たちが行ったことないエリアってことですかね?」
「おそらくそうね。そう言えば、私が聞いた話だと、海を越える必要があるって言っていたわね」
「う、海ですか!?」
まさかの事実を突きつけられた。
海と言うエリアはこの世界で最も広い。
けれど未だに海エリアに行った経験は少なく、スタットからは見ることもできなかった。
「海を越えるってことは、船も必要ってことですよね? そんなの操舵できないよ……」
「そうよね。自動操縦してくれるものじゃないから、ちゃんとした技術やスキルを持っていないとダメよね」
「それって色んなプレイヤーに厳し過ぎません?」
「そうよ。だから港町に行って、NPCの操舵する船に乗せて貰うしかないわね」
「港町……行ったことないなー」
未だにほとんどの街や村に行ったことがない。
限られたエリアを行ったり来たりしながらレベルを上げたりモンスターと戦っていた。
そのせいで継ぎ接ぎメンバーの脳内マップは限りなく狭く、何処に行くにも新鮮で楽しいけれど大変でもあった。
「うーん、アクア・カカオ豆」
「本当にあるのかしら」
「それを言ったらお終いですよ」
もはやそのレベルで疑い始めていた。
けれど眉唾な情報でも何もないよりは面白い。
とは言えここまで情報が少ないと、推測も何もできやしない。
如何したらと頭を抱えると、ポツリと一言吐かれた。
「こうなったら一縷の望みを懸けて、ギルドにでも行ってみたらどうかしら?」
「ギルドですか? うーん、それしかないですね」
ソウラもお手上げだった。
しかし最後にギルドと言う良い場所が残っていた。
もしかしたらそこなら情報があるかもしれない。
それを期待して、アキラも応答した。
「分かりました。それじゃあ調べてみます」
「頑張ってね。それからもしも余裕が有ったら……」
「はい、できれば採って来ますよ」
「ありがとう。その時は何かお礼をするわね」
ソウラと果たせるか分からない約束を交わした。
とは言えまだまだ何も分かっていない。果たして本当にアクア・カカオ豆は有るのだろうか? アキラは一縷の望みを懸けて、明日ギルド会館に行ってみることにした。
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