「その結婚ちょっと待つのじゃー!」ってワシは何を言っているのだろうか?

だらけたい

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19.店の鍵

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『教えて、夕夜先生!』
「というわけで始まった夕夜先生の異世界講座の3回目のアシスタントはリムっす!」
「いや!毎度毎度唐突じゃな!」
「唐突ってなんっすか?」
「この講座が始まるのが唐突なんじゃよ!」
「はいっす。今回の講座内容は国についてっす」
「会話になってないのじゃよ!」
「前回の最後に葵がバユルハッシュ聖国と言ってたっすけど、他にはどんな国があるっすか?」
「………」
「夕夜先生?」
「………」
「………」
「………」
「………」
「わかったのじゃよ。説明するからそんなにマジマジと見るななのじゃ」
「それじゃあお願いするっす」
「もちろん色々な国があるのじゃが、ナーラーナ王国・バユルハッシュ聖国・クロクラヤミ神国・ジカラワサカ騎士国・アラハバラサ共和国が5大国家と言われておるの。そして魔族達のワンサカラタ魔国もあるのじゃよ」
「シャルフィム達がバユルハッシュ聖国と聞いて驚いてた理由はなぜっすか?」
「シャルフィム達が暮らしていた村があったのはアラハバラサ共和国だったからじゃな」
「それが驚く理由になるんすか?」
「バユルハッシュ聖国とアラハバラサ共和国の間にはクロクラヤミ神国とナーラーナ王国の大国2つといくつかの小国があって、移動するにしても馬車でも数ヶ月はかかるからじゃの」
「数ヶ月っすか。確かにそれだけ離れているなら驚くのも無理ないっすね」
「そうじゃな」
「というわけで今回も講座ありがとうございましたっす、夕夜先生」
「もうこの講座が開かれないことを願うのじゃよ」
「では次回、4回目の講座をお楽しみにっす!」
「開かれないことを願うのじゃよ!」

           ✳

「という講座が間にありつつ」
「講座とは何じゃよ?」
「葵からはシャルフィム達が村に住むことになったという連絡があったっす」

 ワシの肩に乗るリムが訳のわからないことを言いつつシャルフィム達のことを教えてくれたのじゃよ。

 そして、この会話から分かるように、葵はアンドロイドじゃ。

 そんな葵がフロイトラク村の村長をやっておるのは色々あった中でのたまたまそうなっただけじゃが、今回に関してはそれが良かったので2人のことは葵に任せようと思ったのじゃよ。

「そうか。無事に村に住めるようになったのならよかったのじゃよ」
「というかっすよ。なんの説明もなくあそこに放置して帰ってくるのはどうかと思うっすよ?」
「言いたいことはわからんでもないの」

 一応はフロイトラク村が目視出来る場所に寝かせておいたので2人は無事にフロイトラク村に着いて住むことになったのじゃが、本来ならワシが場所などの説明をしながらフロイトラク村に連れて行くのが普通じゃろう。

 しかしじゃ。

「しかし、あの状況では普通にフロイトラク村に着くことは出来なかったじゃろうし、説明したところで聞いてくれるような状況でもなかったしの」

 シャルフィムは泣きじゃくり、シバルは怯えておった。

 そんな状況でこれからのことや行く先のことなどを説明したところで、2人がまともに聞けるとも思えんかったからの。

 まぁ、怯えていなくともシバルに理解出来るとは思えんがの。

「そうっすけど、単純に説明するのが面倒くさかった、という理由でもあるんじゃないっすか?」
「ないとは言わないのじゃよ」

 例えシャルフィムが泣いていなかって、シバルに理解するだけの脳があったとしても、

「今からバユルハッシュ聖国のフロイトラク村の近くまで転移でお主達を送るのじゃよ」

 などと説明すれば確実に色々と聞かれることになるじゃろう。

 そうなれば聞かれたことに対しての説明を行わなければいけなくなるわけで、そうなれば確実にかなりの時間を要することになるじゃろう。

 そして、別れの際にも素直にさよならとはいかないことも容易に想像が出来たので、今回は眠らせているうちに運んでしまって勝手にさよならという方法を取ったのじゃよ。

「それより、イビラチャの方はどうなったのじゃ?」

 流石に結婚式の最中に花嫁を奪われた、となれば、かなり激怒して不穏な行動を起こしてもおかしくないのじゃよ。

「そっちの方は、マスターの予想通り、といったところっすかね」
「やっぱりシャルフィム達の村へと私兵を向けたのじゃな」
「はいっす。イビラチャの言い分としては、

「乱入してきたのは見たことのない服を着た見たことのない獣人だったが、シャルフィムを奪いに来たことを考えればあの村の関係者に違いない!そして、あの村に御前様とやらも居るはずだ!もし隠したり嘘を言うようなら捕らえて拷問しろ!口を割りやすいように見せしめにその場で何人か殺しても構わない!絶対に乱入者と御前様とやらを見つけ出して捕まえ、シャルフィムを救い出せ!」

 ってことっすね」
「相変わらず最低なことを言っているの」
「っすね。でも、マスターの指示通り各方面からガビルゼン、忘れている人もいるっすから言っておくとイビラチャの父親っすね」
「忘れている人ってなんじゃ?」
「に連絡を入れておいたおかげで、イビラチャが村に着く前にガビルゼンが村に着いて待っていたため、イビラチャはガビルゼンとの口論のあとに捕まって追放処分をうけ、ハイミャーも実家の方へと送り返されたっすね」

 リムが途中訳のわからないことを言っていたこと以外は予想通りじゃったので、よしといったところじゃの。

 しかし、いつもなら権力に固執して冷静な判断をするハイミャーならイビラチャの暴走を止めたじゃろうが、結婚式を駄目にされ、集まった参列者の前で顔に泥を塗られる様なことをされれば冷静さを失ってイビラチャを止めなかったのじゃろうな。

 そのせいで実家に戻されるという最悪とも言える結末を迎えたわけじゃが。

 嫁ぎ先から実家に戻されるということはよっぽどの理由がない限りは駄目な人という烙印を押された様なものなので、そんな人と関わりを持とうと思う人は少ないじゃろうから、これから先ハイミャーに権力が行くことはないじゃろうな。

「さて、これでハイミャーは実家に戻られたことによって権力とか言ってられる状態ではなくなったし、イビラチャは追放されたから貴族ではなくなったし、次になにか変なちょっかいをかけてきた時は容赦なく潰せるの」
「ハハハ!今までも容赦なく潰してきたじゃないっすか!」
「それもそうじゃったの」

 しかし、今回はまさかの依頼じゃったが無事に終えることが出来たのでホッとしたの。

「それじゃあ帰るとするかの」
「そうっすね」

 店の鍵を締めてから島へ転移すると、なぜか島では宴会の準備が行われていた。

「どういうことじゃ?」
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