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第196話 side景
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「佐伯さんに今度お礼言わないとな。うまくいったのは佐伯さんのお蔭ですって」
「え、て事はもう付き合ってんの? 何だよみずくせーなー早く言えよ! 誰? マジでDカップと?」
「ううん、一般人」
「「いっぱんじん……」」
二人は顔を見合わせる。
「……景ちゃんダメじゃん! いくら南以上のいい女が見つかんないからって、ファンの子に手を出しちゃ!」
「ファンの子じゃ無いよ。友達の紹介で知り合った、普通の大学生」
タケは「大学生……」とぽつりと呟く。
桜理は頬杖をついて、興味津々といった様子で僕の顔を覗き込んだ。
「へぇ。どんな子なんだよ。可愛いの?」
「可愛くて、小さくて、タヌキ顔で、関西弁話してる」
「えっ! 関西弁?」
反応したタケは、桜理と色々と言い合って盛り上がっている。
「そういうの超いい! そういう方言話す子と一回エッチしてみたいんだよね。萌えそうー」
「そんなとこ、触らんといてやー、イってまうからーみたいな?」
「あぁ、超やばい。景ちゃんから奪っちゃおっかなぁその子!」
僕は二人に冷たい眼差しを送った。
桜理はそうでも無いけれど、タケは遊びが激しい。
詳しく聞いた事は無いけど、特定の恋人を作らないのは女を取っ替え引っ換えする為だというのはファンや内輪の中では有名な話だ。
「タケ、そんな事しようもんなら悪いけどお前の今後の人生狂わすからね」
「「怖……っ」」
そんな時、タケのスマホが光った。
見るつもりは無かったけれど、僕もよく知っている同世代の女優の名前が表示されていた。
……やっぱり、なんとなくは勘付いていたけど、今遊んでいる子はこの子か。
「もしもーし! お疲れ! もう終わったの?」
タケが話しながら店の外に出たところで、僕は煙草に火をつけた。
「え、て事はもう付き合ってんの? 何だよみずくせーなー早く言えよ! 誰? マジでDカップと?」
「ううん、一般人」
「「いっぱんじん……」」
二人は顔を見合わせる。
「……景ちゃんダメじゃん! いくら南以上のいい女が見つかんないからって、ファンの子に手を出しちゃ!」
「ファンの子じゃ無いよ。友達の紹介で知り合った、普通の大学生」
タケは「大学生……」とぽつりと呟く。
桜理は頬杖をついて、興味津々といった様子で僕の顔を覗き込んだ。
「へぇ。どんな子なんだよ。可愛いの?」
「可愛くて、小さくて、タヌキ顔で、関西弁話してる」
「えっ! 関西弁?」
反応したタケは、桜理と色々と言い合って盛り上がっている。
「そういうの超いい! そういう方言話す子と一回エッチしてみたいんだよね。萌えそうー」
「そんなとこ、触らんといてやー、イってまうからーみたいな?」
「あぁ、超やばい。景ちゃんから奪っちゃおっかなぁその子!」
僕は二人に冷たい眼差しを送った。
桜理はそうでも無いけれど、タケは遊びが激しい。
詳しく聞いた事は無いけど、特定の恋人を作らないのは女を取っ替え引っ換えする為だというのはファンや内輪の中では有名な話だ。
「タケ、そんな事しようもんなら悪いけどお前の今後の人生狂わすからね」
「「怖……っ」」
そんな時、タケのスマホが光った。
見るつもりは無かったけれど、僕もよく知っている同世代の女優の名前が表示されていた。
……やっぱり、なんとなくは勘付いていたけど、今遊んでいる子はこの子か。
「もしもーし! お疲れ! もう終わったの?」
タケが話しながら店の外に出たところで、僕は煙草に火をつけた。
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