私がヒロイン!?〜いえ、丁重にお断りします!

SORA

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魔力を測定してみます。

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「セーラは魔法に興味があるのね。」

「はい!」


私がそう勢いよく返事をすると、兄様と姉様は目を逸らして肩を震わせている。

だって、魔法だよ?前の(前世)で魔法なんて無いのに、使えるかもしれないのに興奮しない方がおかしいと思う。
小さい時見たテレビの魔法少女に憧れだってあったんだから!


「?…まほうおしえてくだしゃい!」


不思議に思いながら言うと二人は顔を見合わせて、こほん、と姉様は私に向き直った。


「セーラにはまだ早いと思うわ。しっかりお勉強してからじゃないと大変な事になるの。」


姉様は私の頭を撫でながら、眉を下げて諭す様に言う。


(姉様は反対なんだ…。でも、せっかく魔法があるのにっ!…姉様が駄目なら…。)


「…どうしてもだめでしゅか?」


二人を見ると、うっ…、と二人が怯んだのを見逃さなかった。
あと一押しで、聞いてくれるかな?
必殺、上目遣い!でお願い…って、二人を願いを込めて見つめた。


「…ルーチェ、魔力の流し方とかなら危険はないんじゃないかな。」

「ルークス!」


先に私の味方になってくれたのは兄様だった。
私は心の中でガッツポーズする。

それを止めようとする姉様に兄様は真剣な顔で見つめた。


「僕達だって、勝手に覚えたじゃないか。」

「ルークス!!」

「それに、僕が見てない所で怪我でもされたらその方が嫌だ。」


兄様が姉様に少し強い口調で言うと、姉様は言葉を呑み込んだ。

心当たりがあるのかな?

「セーラ、ルーチェの言ったことは間違えじゃない。でも、セーラのしたい事も応援してあけだいんだ。」

「にいしゃま…。」


姉様の困った様な顔を遠目に見ながら、兄様の真剣な顔を見て我儘を言ってしまった罪悪感と、兄様の優しさに私は泣きそうになる。


「…セーラ、約束してくれる?僕が教えてあげる。でも…僕がいない所では、魔法を使わないって。」

「ルークス…。」


私に目線を合わせて、真剣な眼差しでそう兄様が言うと、姉様が苦笑しながら兄様を見た。


「…仕方ないわね。ルークス一人では心配ですからね、私も教えます。」

「ルーチェ…。」

「ねぇしゃま?」


兄様が、ありがとう、と笑顔を見せると姉様は私に目線を合わせた。
やっぱり二人はお互いをわかり合っているんだな。


「セーラ、ルークスの言った事ちゃんと守れますか?」

「…はい。」


真っ直ぐ見つめる二人に、私もしっかりと頷くと、二人はとびきり優しい笑顔を見せてくれた。



二人から魔法を教えてもらえる事になった私は、書庫から姉様のお部屋に移動する事になった。


「ねぇしゃま、ねぇしゃまとにいしゃまは、いつまほうをおぼえたんでしゅか?」


ふと気になってそう聞くと二人は顔を顰めた。


(…ん?なんでそんな顔をするの?)


不思議に思って首を傾げている私に、口を開いたのは姉様だった。


「私達が覚え始めたのは4歳の時よ。」

「…父様達に内緒でね。」

「ほぉ…。しゅごいね!にいしゃま、ねぇしゃま!」


私が二人を尊敬の眼差しで見つめると、二人は苦笑する。
どうしてそんな顔をするのだろう。


「?」

「セーラは真似しちゃ駄目だよ?」

「ちゃんと学ばないと、セーラと私達は二度と会えなくなるから。」



兄様と姉様の言葉の意味がわかった。



二度と会えないーー。



つまり、死ーーー。と言うこと。


私にとって、一番身近な感覚だった。



(ああ…。晶は無事だったのかな…。)



ふと前世の親友を思い出した。

それと同時に、二人は正しく魔法を学ばなかったから死にかけたのだーーと。

いつもは何だかんだで許してくれるのにダメだと反対したんだ。
それでも、私の為にこうして最善の方法を考えて教えてくれる。


(ああ…。私…この二人の妹でよかった。)


繋いでいた二人手をぎゅっ、と握りしめた。

「セーラ?」

「どうしたの?」

込められた力に(まあ、そんなに力が強い訳じゃないけど)歩きを止めて、両方から私の顔を覗き込む二人。
私は顔を上げて二人をジッと、見つめる。


「わたし、やくしょくまもりましゅ!」

「「!」」

真剣に、力強く言った私に二人は少し驚いて、嬉しいそうに眉を下げた。



◇◇◇◇◇


姉様の部屋にたどり着いて椅子に座ると、姉様が水晶の様な物を持ってきた。

「なんでしゅか?」

「これは、魔力があるかを調べる為の道具よ。」

「おお~!」


(ファンタジーっぽいっ!!)


私が感動してその水晶を見つめていると、二人はクスリと顔を見合わせて笑った。


「これでまずはセーラの魔力を図るんだけど…、ルークス、セーラが怖がるといけないから貴方が手本を見せて。」

「そうだね。セーラ、僕が先にやって見せるね。」

「はい!」


私の頭を優しく撫でると、兄様は水晶に手を置いた。

手を置くと、水晶の色がゆっくりと変わっていく。緑と青だ。

「…きれーでしゅ。」

「緑とは風、青は水ね。ルークスは二属性なのよ。」


惚けて見ている私に姉様が教えてくれた。

「ねぇしゃまはなにいりょでしゅか?」

「私?私は赤と緑よ。赤は火、緑はルークスと同じ風ね。」

「ほぉ~。」


(火属性と水属性って、相性悪そう…。)


そう思ったけど、口に出すことはない。言わない事も大事。


「じゃあ、セーラも調べてみようか。」

「はぁい!」


ワクワクした気持ちで水晶にゆっくり手を置いた。

水晶の中の色が段々と変わっていくのを、三人でジッと見ていた。


「「!!」」


私達は水晶を見て言葉を失った。



(…やっちゃった…かも?)

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