私がヒロイン!?〜いえ、丁重にお断りします!

SORA

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打ち明けました。

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泣き崩れたアチェロさんを暫く抱き締めていたけど、小さい体では段々と辛くなってきた時、「いい加減、離れろ!」と、父様が助け船を出してくれた。

落ち着きを取り戻した、アチェロさんは照れ臭そうに笑った。

「いや~、ごめんごめん!チビ姫さん…、いやセーラ嬢が痛い所突いてくるからさぁ!」

「…わたしは…。」

「アチェロ、私達は無理にセーラから聞き出したい訳じゃない。君にはセーラの魔法の指導者をと頼んだじゃないか。」

「わかってるって!ただ…な?オイラは正直言って、この世界が何なのかすら知らない。」

「あちぇろさん…。」

「だからさ、知ってたら教えて欲しかったんだよ。」

父様に言われるアチェロさんを見ると、伸びた前髪の間から寂しげな表情をしていた。

(この世界が何処か知らない方がいいのかもしれない。でも…。)

「…あちぇろさん、わたしがしってることをはなします。」

「セーラ!?」

「セーラ嬢…。」

話そうと決めた私が父様や母様、アチェロさんを見て頷いた。

私は地球で事故にあって死んでしまった事。

生まれた時からその前世の記憶を持って生まれた事。

そして、この世界がゲームの世界で、私の未来が大まかにわかる事を教えた。

父様と母様、セバスチャンはゲームはともかく私が事故にあった事や、未来が分かる事に驚いていた。
そもそもが、ゲームの無い世界だから意味が判る訳がないのだけれど。

そしてアチェロさんは何かを考え込んでいた。

私は話が終えても、父様達の顔を見る事が出来なかった。

(生まれた時から記憶があるなんて、普通に気味悪いもんね…。)

後ろから伸びてきた手が、下を向いていた私を抱き寄せる。
驚いて顔を上げると、母様と父様が目を細めて微笑んでいた。

「私達の娘は、生まれる前も生まれてからも優しい子だったのね!」

「本当に、自慢の娘だよ。」

父様も母様もそう言うと、私の額に口付けた。

「…きみがわるくないんですか…?」

「なぜ?」

「なぜって…。」

本当に訳が分からないとでも言いた気な父様と母様に、私が困っているとアチェロさんが近づいて来た。

「セーラは私達が不幸になるのが怖くて、言えなかったんだろう?」

「それにアチェロが苦しんでるからって、助けたくて話す事にしたんでしょう?」

「私の娘は世界一だな!」

頬を寄せて撫でる父様に、されるがままの状態を見たアチェロさんの口の先が、嬉しそうに上がった。

「セーラ嬢が思っている以上に、ソティもリリーも君が大切なんだよ。前世の記憶があろうと変わりはないのさ。」

「あちぇろさん…。」

「こんなに親バカも中々いないけどな~。」

「アチェロ…。」

「ありがとうな。後、ごめん。辛い事まで思い出させて…。」

眉を寄せて話すアチェロさんの目には、穏やかな光が見えた気がした。

「…いつでも…。」

「ん?」

「…いつでも、おはなしつきあいますよ。わたしのもうひとつの、ふるさとですから…。」

「はは!間違いないねぇ。」

「これから、よろしくおねがいします。かえでせんせい!」

「!!」

驚いて目を見開く、アチェロさんに『かえでせんせい。』、と悪戯っぽく言うと父様と母様は不思議そうな顔をしていた。

「かえでせんせい…?」

「…あってますか?」

「…ああ、間違いないねぇ…。っつ!………う。」

アチェロさんに笑顔でそう言うと、
ありがとう、と言って笑ったアチェロさんの目に光るモノが見えた。


イタリア語でアチェロは楓。

ここで生きて行くために、馴染みやすい名前にしたんだろうな。

だからせめて、私はアチェロさんを楓と呼ぼうと決めた。

『二度と呼ばれる事はないと思ってたから、すごく嬉しい。』

そう言って、本当に嬉しそうに目を細めながら笑った。


『強制力』は、正直怖い。
けれど、抗う力を付けろと言ってくれた。
その為にアチェロさん、自分は父様達に呼ばれたのだと。

どんな時も味方だと言ってくれた、父様や母様を守る力を付けなくてはいけない。

アチェロさんと言う味方も増えたし、どんどんフラグ回収していこう。


そんなやる気とは裏腹に、母様の腕の中で勝てない睡魔に瞼を閉じた。
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