モブのモブ!? 気付いたら、大好きなアニメの世界だった!?

SORA

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突然現れたヘクターに驚いていると、グレース様の所へ歩いて来た。

「まあヘクター!お帰りなさい。お仕事は済んだの?」

「…ただいま。グレース様この人は?」

公爵夫人はヘクターを優しく労いながら迎えている。
ヘクターはブラン領で会った私を覚えている様子だった。

どうして此処にヘクターが…。

驚きを隠せずにいる私を他所に二人は私がいる経緯を話している。

ん?
ヘクター? グレース?
……ああっ!?

そうだ、思い出した!

グレース・アスバン公爵夫人!
平民のヘクターの身元引受人だ!!


ヘクターは早くに両親が亡くなっていて孤児院に居た。

ヘクターは逆境の中強くなる為に毎日一人で修行していたんだけど、その時グレースの馬車が盗賊に襲われかけていたのを助けて、そこでグレース様に見込まれたのだ。

そうか…。グレース様はあのグレース様だったのか。

私は凄く納得してしまった。

グレース様は平民や貴族達とを比べる事などしない。
しかも聖母の様な優しさで頑なに人を拒んでいたヘクターの心も開かせたのだ。

一人思い返しながら二人を見ていると、ヘクターは眉を顰めた。

「紹介するわね!マーガレット・ブラン子爵令嬢よ!マーガレットちゃん、こっちはヘクター。私の息子の様な者よ。」

「…息子じゃない。」

「あらあら照れちゃって!」

「照れてない…。」

グレース様はヘクターに私を紹介して、嬉しそうにヘクターを息子の様だと言った。

否定するヘクターだが、その顔は怒った訳ではなく明らかな照れ隠しに見えた。

そして、ヘクターに私が体調が落ち着くまで此処に居るのだと告げると、少し驚いて私を見ると溜息を吐いた。

すみません…。お世話になります。

◇◇◇◇

あれから数日が過ぎて、私の体調も大分良くなってきていた。

毎日の様にお見舞いに来るシーラは、お見舞い来られないケヴィンからのお見舞いの花を預かったりだとか、ユーリやケイトからの手紙を届けたりしていた。

アリスは両親に報告に行ったり来たりで忙しそうだった。

私は体調の良い時、グレース様とお茶やお喋りをしたりして随分仲良くなった。

グレース様は両親より歳上だが、その性格はアニメのストーリーに出てくる様な聖母の様な人だ。

そしてグレース様はお茶目で可愛いらしい人だった。


そして、ヘクターとは…。

「マーガレット、またそんな格好で…。また熱を出すぞ。」

「ふふ、大丈夫よ。心配してくれてありがとう、ヘクター。」

ブランケットを渡しながら眉を顰めたヘクターに笑顔で返して、渡されたブランケットを受け取ると眉が元の位置に戻る。

それを見て頬を緩めるとまた眉を顰める。

自然と隣にいるヘクターはケヴィン達と同じ歳だけれど、苦労していた分落ち着いている。

此処数日、私に向ける瞳が大分優しくなった気がする。

うん。
距離が近い。それは判っている。

判るのだけれど、元々平民育ちのヘクターとは前世の感覚の所為なのか、一緒にいて飾らない自分のままでいられるのだ。
中々この世界には無い感覚だから嬉しい。

だからつい、ヘクターに素で接するのだろう。

まあ、そう仲良くなるちょっとしたきっかけがあったのだけど。


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