モブのモブ!? 気付いたら、大好きなアニメの世界だった!?

SORA

文字の大きさ
23 / 58

23

しおりを挟む
グレース様のお屋敷から戻ってすっかり体調の戻った私は変わらない学園での生活を過ごしていた。

「マーガレット、今日はケイト達が中庭で昼食を食べましょうって言っていたわよ。」

「わかったわ。」

あれからまだユーリやケイト達に会っていなかった私は素直に頷いた。

心配かけたお詫びとお見舞いに手紙や花など色々してくれた三人にちゃんと顔を見てお礼が言いたかったのだ。

授業を終え、シーラと中庭に向かうと中等部の三人は既に来ていた。

「あ!マーガレット様!」

「久しぶりだな!」

私とシーラを見つけた、ケイトとユーリが声を掛けてくれる。
早足で私達の所にケヴィンは駆け寄って来た。

「大丈夫か?その荷物預かる。」

「ありがとう。ケヴィン様」

そう言って私の荷物を持ってくれた。
重くは無いのだけれど、ケヴィンはエスコートが上手い。
隣で「私のは?」とそう言ってシーラはケヴィンに半ば強制的に荷物を預けた。

「ユーリ様ケイト様、お手紙やお見舞いの贈り物ありがとうございました。」

「本当はお顔を拝見したかったのだけど。」

「公爵家じゃ無理だろ。」

「確かに。」

お礼を言う私に、ケイトとユーリは元気になって良かったと言ってくれる。

「ケヴィン様も本当にありがとうございます。」

「朝も聞いた。でも元気な顔が見れて安心した。」

そう言ってケヴィンは目を細めて私を見た。ケヴィンはシーラと共に登校が一緒だから朝もお礼を伝えたのだか、改めてケヴィンに伝えると少し照れた様な笑みを見せた。

「ケヴィンったらずっと元気が無かったんですよ!」

「ケイト!」

「そうなのですか?ケヴィン様も体調が?大丈夫ですか?」

ケイトが私に耳打ちすると、少し慌てるケヴィンを見て私は素直に心配してしまう。
ケヴィンも何処か悪いのだろうか。

「マーガレット嬢…。いや大丈夫だ…。」

複雑な顔をしたケヴィンの後ろでくの字になったユーリが笑いを堪えている。
横にいたケイトとシーラとも顔を逸らしているが、肩が揺れていた。

「…っくくっ!!ケヴィン…大変だな~。」

「?」

「…まあ、相手はマーガレットですから。」

ケヴィンの肩を叩いて言うユーリとシーラを見ながら首を傾げていると、何でもないとケヴィンは眉を寄せそう言って昼食を広げ始めた。

何なんだろう…。

誰も答えてくれなさそうなので、諦めて私も皆の側に座った。


食べ始めて暫くした頃、ケイトがそういえばと何かを思い出したようだ。

「ねえ、ユーリ。最近ケヴィンと何処へ行っているの?」

「「!!」」

突然ケイトから言われた二人は顔を見合わせいる。

「そういえばケヴィン、貴方も最近帰りが遅いわよね?」

「「!!!」」

「何してるのかしら?」

「白状しなさい!」

シーラにも言われたケヴィンとユーリは、悪戯がバレた時の様な顔をしている。

二人は何とかケイトとシーラを誤魔化していたが、私は何となく気付いてしまった。

ユーリとケヴィンは今、アニメのストーリー通りに動いているのだろう。恐らく今、クラウスやヘクターと共に依頼を受ける為の特訓をしているのだ。

あのアニメの主人公ユーリは才能を認められて、ケヴィンやクラウス、ヘクター達と絆を深めていく。
多分この時期に、この国の〝とある人物〟に二人はスカウトされたはずだ。

ただこうして二人が話せない理由はそれが〝極秘任務〟になるからだった。

そうか、始まったんだ…。

私はストーリーがちゃんと進んでいる事に安堵していた。少し予想外の出来事があってもちゃんとクラウスや皆の幸せに向かってる事に。

そう、だから胸の奥がギュッと痛んだのは、私の勘違いだ。

「もう!仕方ないわね。でも無茶な事しちゃダメよ?」

これ以上問い詰めても教えないだろうと、ケイトは溜息を吐きながら話を終わらせた。
シーラとケイトが追求するのを諦めてあからさまにホッとする二人に、私は思わず笑みが溢れた。

「あ、なあケイト。そう言えばお前のクラスに転校生が来たって言ってなかったか?」

「ああ、それは俺も聞いた。どんな奴だ?」

ふと思い出した様にユーリとケヴィンがケイトに尋ねると、ケイトは少し考える様な仕草をした。

「ん~?無口な男の子。」

「無口なの?」

「シーラさん、そうなんですよ。無表情で笑わないんです。誰が話しかけても黙っているんですよ。」

ケイトは思い出したのか頬を膨らませている。

その話を昼食を食べながら、何だか誰かに似ているなと思っているとケイトが私の後ろを指差した。

「あ、あの子ですよ!私のクラスに来た転校生!あれ?一人じゃない…?」

「へぇ、あの子が。あら?隣の彼は何処かで見たような…。」

「おい、こっちに来るぞ?ジロジロ見過ぎだろ…ってー。」

「…おいユーリ。」

「やだ…どうしよう。怒っちゃったかな?」

ケイトとシーラがその子を見ていると、ユーリが小声で二人を諭す。
すると、近づいて来たその人達を見てユーリとケヴィンが顔を見合わせた。

私はそのやり取りを見ていて、そんなに怒っているのだろうか?と気になり後ろを振り向いた。

「!?」

「マーガレット!?大丈夫?」

私はその人達を見て驚いて、持っていた昼食を落としてしまった。
シーラが私を気遣っていたけどそれどころではない。

何で…。

何で二人が此処にいるの!?


私の前に現れたのは、此処にいる筈の無いクラウスとヘクターの二人だった。

しおりを挟む
感想 65

あなたにおすすめの小説

【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!

ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。 ※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

お母様が国王陛下に見染められて再婚することになったら、美麗だけど残念な義兄の王太子殿下に婚姻を迫られました!

奏音 美都
恋愛
 まだ夜の冷気が残る早朝、焼かれたパンを店に並べていると、いつもは慌ただしく動き回っている母さんが、私の後ろに立っていた。 「エリー、実は……国王陛下に見染められて、婚姻を交わすことになったんだけど、貴女も王宮に入ってくれるかしら?」  国王陛下に見染められて……って。国王陛下が母さんを好きになって、求婚したってこと!? え、で……私も王宮にって、王室の一員になれってこと!?  国王陛下に挨拶に伺うと、そこには美しい顔立ちの王太子殿下がいた。 「エリー、どうか僕と結婚してくれ! 君こそ、僕の妻に相応しい!」  え……私、貴方の妹になるんですけど?  どこから突っ込んでいいのか分かんない。

追放された悪役令嬢はシングルマザー

ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。 断罪回避に奮闘するも失敗。 国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。 この子は私の子よ!守ってみせるわ。 1人、子を育てる決心をする。 そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。 さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥ ーーーー 完結確約 9話完結です。 短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS

himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。 えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。 ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ! アルファポリス恋愛ランキング入りしました! 読んでくれた皆様ありがとうございます。 *他サイトでも公開中 なろう日間総合ランキング2位に入りました!

このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。

若松だんご
恋愛
 「リリー。アナタ、結婚なさい」  それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。  まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。  お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。  わたしのあこがれの騎士さま。  だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!  「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」  そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。  「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」  なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。  あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!  わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!

モブが乙女ゲームの世界に生まれてどうするの?【完結】

いつき
恋愛
リアラは貧しい男爵家に生まれた容姿も普通の女の子だった。 陰険な意地悪をする義母と義妹が来てから家族仲も悪くなり実の父にも煙たがられる日々 だが、彼女は気にも止めず使用人扱いされても挫ける事は無い 何故なら彼女は前世の記憶が有るからだ

え?わたくしは通りすがりの元病弱令嬢ですので修羅場に巻き込まないでくたさい。

ネコフク
恋愛
わたくしリィナ=ユグノアは小さな頃から病弱でしたが今は健康になり学園に通えるほどになりました。しかし殆ど屋敷で過ごしていたわたくしには学園は迷路のような場所。入学して半年、未だに迷子になってしまいます。今日も侍従のハルにニヤニヤされながら遠回り(迷子)して出た場所では何やら不穏な集団が・・・ 強制的に修羅場に巻き込まれたリィナがちょっとだけざまぁするお話です。そして修羅場とは関係ないトコで婚約者に溺愛されています。

処理中です...