モブのモブ!? 気付いたら、大好きなアニメの世界だった!?

SORA

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クラウスとヘクターがシュバルツ学園に転入して来て数週間が過ぎようとしていた。

最近の日課は皆で中庭での昼食だった。

何故こんな事に…。

理由は簡単だ。シーラと私は同じクラスだけれどクラウスとはクラスが違う。ヘクターやケヴィン、ユーリとケイトは中等部で皆バラバラだった。

最初は別々で食事をしていると、一緒に食べるとヘクターにゴリ押しされ、

「ヘクターが一緒なのに俺は駄目なんて言わないよね?」

そうクラウスに笑顔で押されて、それならとケヴィンやユーリ、ケイトが私の教室へと集まった。

教室で注目を浴びる様になり、居心地の悪さを感じ始めた時、それならばと中庭に集まる事になったのだ。

そして今日もまた中庭での昼食の時間、いつもの様に集まっていた。

「今日はワグナー嬢とヘクターは遅いんだね。」

「ああ、俺達とはクラス違うからな。」

ふといつもより少ない人数にクラウスはユーリとケヴィンに話しかけるとユーリが答える。

「クラウス、今日この後…。」

「ああ、判ってる。」

「すまない。」

ケヴィンが小声でクラウスに何かを頼んでいた。クラウスも頷いて一瞬真顔になる。

仕事をする時の顔だ…。

真っ直ぐなクラウスの顔を見て、ふとアニメのワンシーンをおもいだした。
多分、ケヴィンは依頼を受ける為の特訓が上手くいっていないのかもしれない。ここニ、三日元気がなかった。
クラウスならきっといいアドバイスが出来るだろう。

「マーガレットは今日は図書室へ?」

「え、ええ。少し調べたい事があるの。」


やり取りを見ながら耽っていると、隣に座っているクラウスに急に話を振られ慌てて返事を返した。

「そう…。マーガレット、遅くまで残らない様にね?」

「は、はい…っ!」

クラウスは耳元で囁いて、ほんの一瞬頬に唇が触れた様な気がしたが、もしかしたらクラウスの吐息だったのかもしれない。

どちらにせよ、私は真っ赤になっているだろう。

顔が…熱い。

クラウスが囁いた耳元をギュッと押さえて冷静さを取り戻そうと、心を落ち着ける様に深呼吸する。

「…何をしてるんだ?」

背後から背筋が凍る様な声がして振り向くと、不機嫌そうなヘクターとその後ろに苦笑したケイトが立っていた。

「ヘクター、ケイト様御機嫌よう。」

「早かったな。」

「疲れたわ~!」

私が二人に言うと、「早かったな」と言うクラウスをムッとする。ケイトはユーリの隣に座ると大きな溜息を吐いた。

ヘクターは私とクラウスの間に割り込んで座った。

「反対側に座ればいいのに。」

「…ユーリ煩い。」

「はいはい。ヘクター男の嫉妬は見苦しいぞ~。」

ユーリに笑いながら言われたヘクターがギロリと睨みつけながら昼食を取り始めた。

「ヘクター様、ヘクター様もケヴィン達と出かけるのですか?」

既に食べ終えているシーラがヘクターに訊ねると口をもぐもぐと動かしながら、コクンと頷いた。

「そろそろ時間だ。行こうかケヴィン。」

「ああ、頼む。」

「俺とヘクターは後から合流するよ。」

ケヴィンとクラウスが立ち上がると、ユーリが二人に手を振りながら言う。

「マーガレット嬢、また明日。」

「また明日ケヴィン様、クラウス様。」

「…マーガレット。」

「…っ!」

ケヴィンがそう言って先に歩き出すと、クラウスは私の左手をそっと持ち上げて手の甲に唇を寄せた。
が、ヘクターが触れる前に私の手を引っ込める。

「ヘクター…。」

「早く行ったらどうだ?」

クラウスが眉を寄せてヘクターを見ると、ヘクターはまた食べ始めてどこ吹く風だ。

「はぁ…。マーガレットもう行くよ。」

「あ、はい。…行ってらっしゃい。」

「…っ! ああ…行ってきます。」

溜息を吐いて私を見るから、笑顔で「行ってらっしゃい」そう返すと、目を見開いた後破顔してケヴィンの後を追って行った。

うわぁ…っ!

クラウスの打算の無い満面の笑みは心臓に悪い!やばい!好き…っ!
胸がギュウゥって締め付けられて痛い。

どうにか離れなければならないに…。
何でこんな事になってしまったのだろう…。

立ち去った方を見ながら小さく溜息を吐く。
それを見ていたシーラとユーリとケイトはヘクターをちらりと見る。

ヘクターは昼食を慌てて食べていたのか、私の視線の先に気付かなかったらしい事に、シーラとユーリ、ケイトは顔を見合わせて溜息を吐いた。


◇◇◇◇◇
シーラside
◇◇◇◇◇

マーガレットは小さな頃から私の大切な大好きな女の子。

昔も今も身体が弱かったけれど、可憐で愛らしいその大きな瞳は宝石みたいにキラキラと光輝き、透き通る白い肌は月の女神の様だった。

初めて会った時から守ってあげなきゃと思った。大切にしたいと、この子は私の特別なのだとそう思った。
 
けれど最近そんなマーガレットの様子がおかしい。

突然泣き出したり、私によそよそしくなったり、今まではそんな事無かったのに…。
いつもあの愛らしい笑顔を私に向けてくれたのに…!
それも図書室で彼とすれ違った時から始まった気がする。

許せないわ。クラウス・オルセン!

要注意人物はやっぱりクラウス・オルセン。
私の大事なマーガレットを泣かせたり心を乱す存在。

彼は邪魔だわ。
何とかしなくては…。

早く手を打たないと、いつかケヴィンと結婚させて私の本当の家族になる計画が台無しになる。

何の為にケヴィンとマーガレットを合わせたのか判らないじゃない!

狙い通りケヴィンはマーガレットに好意を持ち始めたし…。
これでマーガレットがケヴィンと婚約すれば、マーガレットは私とずっと一緒にいられるのだから。

その為にはクラウス・オルセンからマーガレットを離さなければ…。

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