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三章 キューピットのエデュケーション
乱される未熟な女心
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「原田さーん♡」
アスファルトで固めた硬い倉庫の床を、ヒールの音をたてながら女性が走ってくる。義務付けられているはずのヘルメットはかぶらず、手に持ったままで。
足元を見ずに手を振りながら歩み寄るその女性は、下に落ちている荷物を縛ったビニール紐に絡まってしまう。
「キャッ」
(危ない!)
羽七が思わず声を出そうとしたときだった。
「危ねえ!」
羽七の隣にいた航が素早く反応し、間一髪のところで彼女の腕を掴んで腰を支え、転倒するのを防いだ。
「大丈夫ですか?」
「やだっ、ごめんなさい。わたし、そそっかしくて」
「いや、こっちこそ悪かった。紐を片付けてなかった俺たちのせいだ」
「そんな。私が悪いんですから」
そう言いながら羽七の方をちらりと見たのは、今朝羽七に言い掛かりをつけてきた、欧州チームの花田だった。
(どうして花田さんがここに? ここはシンガポール行きの貨物エリアなのに)
「あっ、痛ったぁ」
すると花田は突然うずくまり足首を摩りながら、眉を歪めた。すぐさま航は花田の足元に膝をついて、心配そうに彼女の足首を触った。
「痛いのはどこ? ここか?」
「あっ、そこっ。いたーい」
「捻挫かな。すぐに冷やせばよくなるだろう」
航は花田を横抱きにして「あとは頼んだ」と部下に一言残して倉庫を出ていった。
これは予期せぬハプニングで、航がした事は当然の事だ。羽七はそう理解したのに胸が痛んだ。他の誰かを抱き上げる彼の後ろ姿を見るのがとても嫌だと思った。
(わたし、心が狭いな……)
そんな自分に嫌気がさす。すると、近くにいたあの青年が声をかけてきた。
「羽七ちゃん、ドンマイっす」
「えっ?」
「原田さんは大丈夫ですよ。あの手の女には靡きませんから。それに、倉庫なのにヒールのある靴を履いて来て、しかもヘルメットかぶってかかったんですよ? そもそも、あっちも悪いんです。俺たちのテリトリーにあんな格好でくるなんて失礼でしょ。安藤主任なら雷落としてますよ」
「あははっ。そうかもね」
(航さんは、優しいもん。仕方がないよ)
◇
それから羽七は、三課に戻って納品リストを更新し、ロジスティクスにメールを再送した。それが終わると、新しい商品のシステム登録などに追われ、あっという間に午前中は終わった。
「ふうっ」
羽七がお昼をどうしようかと悩んでいると、珍しく朱音が三課にやって来た。
「羽七っ、お昼どう?」
「うん。行く」
唯一、社内で気兼ねなく話せる友人の登場に、心が凪いだ。よく見ると朱音はお弁当を二つ手に持っている。
「はいこれ、私の奢りだから」
「ええ! なんで? どうして?」
「ふふ。その代わりお話聞かせてよねっ」
「そういうことかぁー」
二人は総務課の隣にある休憩室でお昼休憩をとることにした。ここなら他部署の女性たちがやって来ることがないからだ。
「ねえ、デートしたんでしょ? どこまで行ったのよ」
「水族館に」
「だーからっ、そっちのどこまでじゃなくって。もう、中学生の恋愛じゃないんだからさぁ」
「どういう意味よ」
「もうキス、したの?」
「ぶっ、ごほっ。ちょっと、どこまでってソッチ?」
「他にないでしょうに。相手はあの原田さんだよ! 知りたいのはソッチでしょう!」
羽七はお弁当なんて貰うんじゃなかったと後悔をする。なにが嬉しくて恋の進展状況を報告しなければならないのかと。しかし、女子はこういう話が好きなのだ。それが自分のそこそこ知った害のない人物であれば、なおさらだ。
「ねえ、ってば。したの? したんでしょ?」
「それは……したよ」
「やーん。で? で?」
「で? って、なによぉー」
(朱音の目が輝いてる! なにこの乙女はっ)
「それだけじゃ終わらないでしょ、あの色男は」
「ちょっ。そっちの話はするつもりないからね」
「きゃー。って事はシたのね? したんだっ。うわぁ……で、すごかった?」
きゃーきゃーはしゃぐ朱音の質問に、はいはいと軽く返すつもりでいた羽七。しかし、どうだと聞かれるとつい脳裏にあの日の航がよみがえって言葉に詰まる。
「あらぁ……。そんなにすごかったんだ」
(なんで分かったの! 顔に出たの? え? やだっ!)
「羽七っ、顔真っ赤だよ。ついでに耳も真っ赤っか」
羽七は顔を隠すために机に突っ伏した。朱音は楽しそうにケラケラと笑っている。本当は今朝あった嫌なことを相談しようと思っていたのに、そんなことは吹っ飛んでしまった。
(絶対に面白がってるよ! もう、くやしいー)
こんなに楽しそうに笑う朱音を見たあとに、欧州チームの陰険な話をするのは躊躇われた。
(朱音は正義感強いから、やめなさいよって言いにいきかねない。朱音まで嫌がらせされたら、わたしが嫌だもん)
羽七はくだらない事に彼女を巻き込んではいけないと思い直した。
昼休みも終わり羽七が三課に戻ろうとしたとき、朱音から大きな封筒を渡される。
「はい、これ」
「なに? これ」
「むふふっ、捨てないでよかったー。是非、ミッション遂行していただきたい佐藤くん」
封筒の中を覗くと、花見の前に二人して盛り上がった例の雑誌が入っていた。
『特集! 男の喘ぎ声を引き出す方法』
「ちょ! なんのミッションよ!」
朱音はがんばれと、手を振りながら総務へもどっていった。
◇
「お疲れ様でした」
残業を一時間ほどした羽七は朱音からもらったミッション本を、気づかれないようにバッグに入れた。エレベーターを降りて外に出ようとしたとき、人の気配を感じた。
(あの人って……花田さんじゃ?)
一足先に欧州グループの花田が本社ビルを出て行くところだった。栗色に染めた髪を揺らめかせ、ヒールのある靴で歩いている。
(なんか、ムカつく)
羽七は花田から距離をおきたくて、歩く速度を緩めた。すると、捻挫したはずの花田は小走りでビルの間に入った。
(え? 走ってる! 捻挫してたんじゃなかったっけ?)
羽七は通りすがりに花田が消えたビルの脇に目をやった。そこでスマートフォン片手に誰かと話す花田の声が聞こえてきた。少し高い、甘えた声が耳によく通る。
『今日さぁ、原田さんに助けてもらっちゃった。そうなの! 胸なんてすごいんだから。筋肉がとってもそそるのよ。うん、頑張る! 決めたの彼に。あの人は優しいから、絶対に拒まないと思うの……』
花田は友人と話しているのだろうか。明らかに航を狙っていると言う会話だった。羽七は逃げるようにその場から去る。そして今日の倉庫でのことを思い返す。倉庫にやってきたのも、紐に絡まって躓いたのも、足を捻挫したのも、全部計画的だったのだ。
花田は航の誠実な態度に、彼が彼女に好意を持っていると確信したのかもしれない。
(捻挫、嘘だったんだ。あれ、全部わざと⁉︎)
羽七は航が花田を抱き上げる光景を思い出し、胸の奥にどろどろした黒い気持ちが込み上げてくるのを感じた。そんな気持ちを吐き出す術を知らない羽七は、やり場のない苛立ちと嫉妬に自分を責めた。
(こんな普通のわたしが彼女だなんて、誰も思わないよね。航さんが花田さんを好きなる可能性はゼロじゃない。でも、航さんはわたしのことが好きだって。待って……わたしの何が、好き、なの?)
前を見ていたはずなのに、羽七は『ドンッ』と激しく誰かとぶつかった。
「はっ、すみません!」
「おいっ、危ないだろう。前を見てあるっ……佐藤じゃないか」
「はい! あっ、沢柳さん」
「君はどこを見て歩いているんだ。危ないな」
「ごめんなさい」
「まるで心ここに非ずだな。帰るぞ」
「え?」
「駅が同じだろう。それに、俺と会った直後に君がホームから転落したなど聞きたくはないからな」
「本当に、すみません」
羽七がぶつかったのは通関課の沢柳だ。彼とは最寄り駅が同じ、いわゆるご近所さんである。
沢柳は呆れたように眼鏡を人差し指で上げて、羽七に背を向けて歩き出す。その背中は俺にしっかりついて来いと言っているようだった。
(沢柳さんて、口より雰囲気で語るタイプなのね)
電車に乗ると、羽七はドアサイドに立ち外の流れる景色を見ていた。沢柳と交わす言葉を見つけられずに若干気まずい空気が漂っている。そんな沢柳は羽七のすぐ後ろに立ち吊革を握っていた。その姿を窓越しに見た羽七は思う。やっぱり彼は姿勢が良い。細身のスーツがよく似合っていて、モデルのような体つきだと思った。航とはぜんぜん違うタイプの男だ。
「仕事は順調なのか?」
「あ、はい。お陰様で仕事は順調です」
「仕事は、か」
「えっ!」
「着いたぞ。階段で転んだりするなよ」
「さすがにそれは、しませんよ……」
改札を抜けると沢柳は羽七と逆方向のようで、指で「俺はあっちだ」と合図をした。
「お疲れ様でした」
「あまり、一人で悩まない方がいい」
「あのっ?」
沢柳は羽七にそう一言残して、振り返ることなく帰って行った。沢柳は羽七が何かで悩んでいると感じたのだろう。
羽七は心の中で沢柳に頭を下げる。
ありがとうございます、と。
アスファルトで固めた硬い倉庫の床を、ヒールの音をたてながら女性が走ってくる。義務付けられているはずのヘルメットはかぶらず、手に持ったままで。
足元を見ずに手を振りながら歩み寄るその女性は、下に落ちている荷物を縛ったビニール紐に絡まってしまう。
「キャッ」
(危ない!)
羽七が思わず声を出そうとしたときだった。
「危ねえ!」
羽七の隣にいた航が素早く反応し、間一髪のところで彼女の腕を掴んで腰を支え、転倒するのを防いだ。
「大丈夫ですか?」
「やだっ、ごめんなさい。わたし、そそっかしくて」
「いや、こっちこそ悪かった。紐を片付けてなかった俺たちのせいだ」
「そんな。私が悪いんですから」
そう言いながら羽七の方をちらりと見たのは、今朝羽七に言い掛かりをつけてきた、欧州チームの花田だった。
(どうして花田さんがここに? ここはシンガポール行きの貨物エリアなのに)
「あっ、痛ったぁ」
すると花田は突然うずくまり足首を摩りながら、眉を歪めた。すぐさま航は花田の足元に膝をついて、心配そうに彼女の足首を触った。
「痛いのはどこ? ここか?」
「あっ、そこっ。いたーい」
「捻挫かな。すぐに冷やせばよくなるだろう」
航は花田を横抱きにして「あとは頼んだ」と部下に一言残して倉庫を出ていった。
これは予期せぬハプニングで、航がした事は当然の事だ。羽七はそう理解したのに胸が痛んだ。他の誰かを抱き上げる彼の後ろ姿を見るのがとても嫌だと思った。
(わたし、心が狭いな……)
そんな自分に嫌気がさす。すると、近くにいたあの青年が声をかけてきた。
「羽七ちゃん、ドンマイっす」
「えっ?」
「原田さんは大丈夫ですよ。あの手の女には靡きませんから。それに、倉庫なのにヒールのある靴を履いて来て、しかもヘルメットかぶってかかったんですよ? そもそも、あっちも悪いんです。俺たちのテリトリーにあんな格好でくるなんて失礼でしょ。安藤主任なら雷落としてますよ」
「あははっ。そうかもね」
(航さんは、優しいもん。仕方がないよ)
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それから羽七は、三課に戻って納品リストを更新し、ロジスティクスにメールを再送した。それが終わると、新しい商品のシステム登録などに追われ、あっという間に午前中は終わった。
「ふうっ」
羽七がお昼をどうしようかと悩んでいると、珍しく朱音が三課にやって来た。
「羽七っ、お昼どう?」
「うん。行く」
唯一、社内で気兼ねなく話せる友人の登場に、心が凪いだ。よく見ると朱音はお弁当を二つ手に持っている。
「はいこれ、私の奢りだから」
「ええ! なんで? どうして?」
「ふふ。その代わりお話聞かせてよねっ」
「そういうことかぁー」
二人は総務課の隣にある休憩室でお昼休憩をとることにした。ここなら他部署の女性たちがやって来ることがないからだ。
「ねえ、デートしたんでしょ? どこまで行ったのよ」
「水族館に」
「だーからっ、そっちのどこまでじゃなくって。もう、中学生の恋愛じゃないんだからさぁ」
「どういう意味よ」
「もうキス、したの?」
「ぶっ、ごほっ。ちょっと、どこまでってソッチ?」
「他にないでしょうに。相手はあの原田さんだよ! 知りたいのはソッチでしょう!」
羽七はお弁当なんて貰うんじゃなかったと後悔をする。なにが嬉しくて恋の進展状況を報告しなければならないのかと。しかし、女子はこういう話が好きなのだ。それが自分のそこそこ知った害のない人物であれば、なおさらだ。
「ねえ、ってば。したの? したんでしょ?」
「それは……したよ」
「やーん。で? で?」
「で? って、なによぉー」
(朱音の目が輝いてる! なにこの乙女はっ)
「それだけじゃ終わらないでしょ、あの色男は」
「ちょっ。そっちの話はするつもりないからね」
「きゃー。って事はシたのね? したんだっ。うわぁ……で、すごかった?」
きゃーきゃーはしゃぐ朱音の質問に、はいはいと軽く返すつもりでいた羽七。しかし、どうだと聞かれるとつい脳裏にあの日の航がよみがえって言葉に詰まる。
「あらぁ……。そんなにすごかったんだ」
(なんで分かったの! 顔に出たの? え? やだっ!)
「羽七っ、顔真っ赤だよ。ついでに耳も真っ赤っか」
羽七は顔を隠すために机に突っ伏した。朱音は楽しそうにケラケラと笑っている。本当は今朝あった嫌なことを相談しようと思っていたのに、そんなことは吹っ飛んでしまった。
(絶対に面白がってるよ! もう、くやしいー)
こんなに楽しそうに笑う朱音を見たあとに、欧州チームの陰険な話をするのは躊躇われた。
(朱音は正義感強いから、やめなさいよって言いにいきかねない。朱音まで嫌がらせされたら、わたしが嫌だもん)
羽七はくだらない事に彼女を巻き込んではいけないと思い直した。
昼休みも終わり羽七が三課に戻ろうとしたとき、朱音から大きな封筒を渡される。
「はい、これ」
「なに? これ」
「むふふっ、捨てないでよかったー。是非、ミッション遂行していただきたい佐藤くん」
封筒の中を覗くと、花見の前に二人して盛り上がった例の雑誌が入っていた。
『特集! 男の喘ぎ声を引き出す方法』
「ちょ! なんのミッションよ!」
朱音はがんばれと、手を振りながら総務へもどっていった。
◇
「お疲れ様でした」
残業を一時間ほどした羽七は朱音からもらったミッション本を、気づかれないようにバッグに入れた。エレベーターを降りて外に出ようとしたとき、人の気配を感じた。
(あの人って……花田さんじゃ?)
一足先に欧州グループの花田が本社ビルを出て行くところだった。栗色に染めた髪を揺らめかせ、ヒールのある靴で歩いている。
(なんか、ムカつく)
羽七は花田から距離をおきたくて、歩く速度を緩めた。すると、捻挫したはずの花田は小走りでビルの間に入った。
(え? 走ってる! 捻挫してたんじゃなかったっけ?)
羽七は通りすがりに花田が消えたビルの脇に目をやった。そこでスマートフォン片手に誰かと話す花田の声が聞こえてきた。少し高い、甘えた声が耳によく通る。
『今日さぁ、原田さんに助けてもらっちゃった。そうなの! 胸なんてすごいんだから。筋肉がとってもそそるのよ。うん、頑張る! 決めたの彼に。あの人は優しいから、絶対に拒まないと思うの……』
花田は友人と話しているのだろうか。明らかに航を狙っていると言う会話だった。羽七は逃げるようにその場から去る。そして今日の倉庫でのことを思い返す。倉庫にやってきたのも、紐に絡まって躓いたのも、足を捻挫したのも、全部計画的だったのだ。
花田は航の誠実な態度に、彼が彼女に好意を持っていると確信したのかもしれない。
(捻挫、嘘だったんだ。あれ、全部わざと⁉︎)
羽七は航が花田を抱き上げる光景を思い出し、胸の奥にどろどろした黒い気持ちが込み上げてくるのを感じた。そんな気持ちを吐き出す術を知らない羽七は、やり場のない苛立ちと嫉妬に自分を責めた。
(こんな普通のわたしが彼女だなんて、誰も思わないよね。航さんが花田さんを好きなる可能性はゼロじゃない。でも、航さんはわたしのことが好きだって。待って……わたしの何が、好き、なの?)
前を見ていたはずなのに、羽七は『ドンッ』と激しく誰かとぶつかった。
「はっ、すみません!」
「おいっ、危ないだろう。前を見てあるっ……佐藤じゃないか」
「はい! あっ、沢柳さん」
「君はどこを見て歩いているんだ。危ないな」
「ごめんなさい」
「まるで心ここに非ずだな。帰るぞ」
「え?」
「駅が同じだろう。それに、俺と会った直後に君がホームから転落したなど聞きたくはないからな」
「本当に、すみません」
羽七がぶつかったのは通関課の沢柳だ。彼とは最寄り駅が同じ、いわゆるご近所さんである。
沢柳は呆れたように眼鏡を人差し指で上げて、羽七に背を向けて歩き出す。その背中は俺にしっかりついて来いと言っているようだった。
(沢柳さんて、口より雰囲気で語るタイプなのね)
電車に乗ると、羽七はドアサイドに立ち外の流れる景色を見ていた。沢柳と交わす言葉を見つけられずに若干気まずい空気が漂っている。そんな沢柳は羽七のすぐ後ろに立ち吊革を握っていた。その姿を窓越しに見た羽七は思う。やっぱり彼は姿勢が良い。細身のスーツがよく似合っていて、モデルのような体つきだと思った。航とはぜんぜん違うタイプの男だ。
「仕事は順調なのか?」
「あ、はい。お陰様で仕事は順調です」
「仕事は、か」
「えっ!」
「着いたぞ。階段で転んだりするなよ」
「さすがにそれは、しませんよ……」
改札を抜けると沢柳は羽七と逆方向のようで、指で「俺はあっちだ」と合図をした。
「お疲れ様でした」
「あまり、一人で悩まない方がいい」
「あのっ?」
沢柳は羽七にそう一言残して、振り返ることなく帰って行った。沢柳は羽七が何かで悩んでいると感じたのだろう。
羽七は心の中で沢柳に頭を下げる。
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