聖女様が従騎士に指名した農夫は世界最強だったーリーム王国編ー

ぽとりひょん

文字の大きさ
38 / 64
第2章 従騎士誕生

第16話 ミリアに再会する

しおりを挟む
 教会ではウォールが騎士に叙任されたことで聖女ミリアの希望通り、ウォールを従騎士に押す声が高まる。ウォールはようやくミリアに会うことが出来る。
 俺はミリアに会うため、教会へ行く。そこには美しく成長したミリアがいた。幼馴染の美少女との再会、これは点数が高い。全てを投げ出してきたかいがある。
 「ミリア、俺のこと分かるか。」「忘れたことないわ。ウォール、たくましくなったのね。」
 「ミリアこそ美しくなったよ。」「これ、ウォール。美少女ミーム様のことをいないことにしていないか。」
 「ウォール、その子、だーれ、ずいぶん親し気ね。」「ミリア、何のことかな。ここには君と二人きりだよ。」
 「こら、無視するな。夜伽をしてやったではないか。」
ウォールの顔色が悪くなる。ミリアはミームに話しかける。
 「もしかけて、アストラ王国第三王女様かしら。」「そなたは聖女ミリアであろう。ウォールは我のものじゃ。」
 「ウォールは幼馴染でお風呂も一緒に入っていたし、一緒に寝ていたのよ。」「子供の頃の話であろう。我は先日夜伽をしたのじゃ。」
ミリアの顔が赤くなってくる。
 「ウォール、どういうこと。王女様と何かあったの。」「グレイグリズリーの群れから助けただけだよ。」
 「夜伽ってなーに。」「それは寝ていたらミーメが背中に抱き着いてきたんだよ。」
 「それだけ。」「そうだよ。」
 「なんだ、王女様の独りよがりだったのね。」「こら、ウォールがウソを言っているかもしれないぞ。」
 「ウォールがウソを言えばわかるわ。それに今日初めてあった人の話を信じる方が難しいわ。」「我は諦めないぞ。」
それから俺とミリアはミハス村の話で盛り上がる。ミーメが邪魔しようとするが二人には聞こえていない。しばらくすると司教が俺に質問する。
 「ウォール殿はミリア様と同様に無詠唱魔法を使えると聞きましたが。」「同じ先生に習ったので使えますよ。」
 「するとミハス村には他にも無詠唱魔法を使う魔法使いがいるのですか。」「いいえ、弟子は俺たち二人だけです。」
 「そうですか。失礼ですがどの程度魔法が使えるのですか。」「俺はミリアより3年余分に習っていましたのでミリアより使えますよ。」
 「まさか。聖女様以上だと・・・」
司教は驚いて床に座り込む。俺の方がミリアより長く習っていたのだ、その分魔法が使えることは当然だ。ミーメが余分なことを言う。
 「ウォールは一軍に匹敵するぞ。無数のアイスニードルやファイヤーアローを作りだしていたからな。」「何ということだ。」
司教は這いずりながら教会を出ていく。ミーメが勝ったように胸を張る。ミリアが怖い顔をして言う。
 「あんたたち、なんてこと言うのよ。これまで魔法を抑えてきたのよ。」「実力があるなら見せつければいいだろ。」
 「私も最初はそう考えていたけど、前の聖女様のことがあるから、あまり差を見せつけないようにしていたのよ。」「前の聖女様は亡くなったのだろ。」
 「そうよ。女神ケレスの神託を受けて聖女になってから死ぬまで国に尽くした立派な人よ。」「ミリアが言うのだからそうなんだろう。ミリアは大変だな。」
 「ウォールも従騎士になるのだから一蓮托生になるわよ。」「ああ、ミリアと一緒だ。」
教会の隅に控えていた従騎士代行のボニファーツがミリアに近づいて礼を言う。
 「ディアナをそのように考えてくれてありがとう。ディアナとミリアは仲が悪いものだと思っていたよ。」「最初は戸惑ったけど、ディアナ様を認めていましたよ。」
 「だったら、聖女ミリアは自分らしくやってくれ。ディアナもその方が喜ぶと思う。」「はい。」
ミリアは、無口なボニファーツがこんなに話すことは初めてだった。俺は先代の従騎士だったボニファーツに質問する。
 「従騎士は何をすればいいのだ。」「聖女を全てから守ることだ。魔物や敵だけではない聖女を利用しようとする者からも守るのだ。」
 「俺には剣と魔法しかない。」「今はそれで十分だ。」
俺はボニファーツにミリアを託されたように感じた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。

しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。 しかし―― 彼が切り捨てた仲間こそが、 実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。 事実に気づいた時にはもう遅い。 道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。 “荷物持ちがいなくなった瞬間”から、 アレクスの日常は静かに崩壊していく。 短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。 そんな彼と再び肩を並べることになったのは―― 美しいのに中二が暴走する魔法使い ノー天気で鈍感な僧侶 そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。 自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。 これは、 “間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる” 再生の物語である。 《小説家になろうにも投稿しています》

家の庭にダンジョンができたので、会社辞めました。

希羽
ファンタジー
都内のブラックIT企業で働く社畜・佐藤健太(27歳)。 手取り18万、残業100時間。唯一の資産は、亡き祖母から相続した郊外のボロ戸建てだけ。 「このまま死ぬのかな……」 そう絶望していたある夜、庭の物置の裏に謎の穴が出現する。 ​そこは、なぜか最弱モンスターしか出ないのに、ドロップアイテムだけは最高ランクという、奇跡のボーナスダンジョンだった。 試しにスライムを叩いたら、出てきた宝石の査定額はなんと――【1,000,000円】。 ​「……え、これ一個で、俺の年収の3分の1?」 ​スマホアプリで即換金、ドローン配送で手間いらず。 たった10分の庭仕事で5000万円を稼ぎ出した健太は、翌朝、上司に辞表を叩きつけることを決意する。 ※本作は小説家になろうでも投稿しています。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

現世にダンジョンができたので冒険者になった。

盾乃あに
ファンタジー
忠野健人は帰り道に狼を倒してしまう。『レベルアップ』なにそれ?そして周りはモンスターだらけでなんとか倒して行く。

七億円当たったので異世界買ってみた!

コンビニ
ファンタジー
 三十四歳、独身、家電量販店勤務の平凡な俺。  ある日、スポーツくじで7億円を当てた──と思ったら、突如現れた“自称・神様”に言われた。 「異世界を買ってみないか?」  そんなわけで購入した異世界は、荒れ果てて疫病まみれ、赤字経営まっしぐら。  でも天使の助けを借りて、街づくり・人材スカウト・ダンジョン建設に挑む日々が始まった。  一方、現実世界でもスローライフと東北の田舎に引っ越してみたが、近所の小学生に絡まれたり、ドタバタに巻き込まれていく。  異世界と現実を往復しながら、癒やされて、ときどき婚活。 チートはないけど、地に足つけたスローライフ(たまに労働)を始めます。

処理中です...