先輩は、僕のもの

ゆおや@BL文庫

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25.

何度も何度もイカされて:01

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バレンタインの日から数ヶ月。
季節は冬を越えて春がやってきた。

あれから、会社での颯は相変わらずよく出来た部下。

その反面、仕事以外での2人の時間の中では
相変わらず柊は颯の犬になり
躾とご褒美を身体で受け止めていた。

完全に、颯に身も心も支配されていた。


「今日も、喉の奥
 いっぱいにしてあげますね」
「……ちゃんと、全部飲んでください」

柊は抵抗することなく
静かに、でも貪るように受け入れる。
首筋を伝う熱。
身体の奥まで甘さが
満ちていく感覚に、息が浅くなる。

じんわりと温かくて
颯の精液が
胃のあたりをぽかぽかと満たしていく。

それは、確かに“颯の贈り物”だった。

──しばらくの沈黙のあと。
柊はそっと顔を上げて
潤んだ瞳で見つめた。

「……ねぇ、颯……」
「……印、消えちゃったから……
 また、つけてほしい」

それは、小さな声だった。
でも──確かに届く言葉だった。

いつの間にか薄れていた
肩や胸元の“跡”。
シャツの下にあった証が
今はもう目に見えない。

(……自分は、颯のものだって……
 証がほしい)

柊の中に滲むそんな気持ちを
颯はしっかりと見つめ返す。


「……先輩は、僕のもの」

「その、印が欲しいんですね?」

「よく言えました...っ。」

「ほんっとに......可愛くて下品なワンコくん」


そう言って、そっと手を伸ばす。
指先が、首筋を優しくなぞるように撫でて

颯は柊の首筋にそっと唇を寄せた。
肌の上に吐息が触れ
続いて──歯が、当たる。

かぷ、と噛みつかれた瞬間
柊の身体がびくりと跳ねる。

そしてすぐに、じん、とした
痛みが肌の奥に沁み込んできた。

「──あっ、……あ……っ!」

痛み。けれど
それは“快感”に変わるまで、一瞬だった。

「もっと……っ」
「もっと、痛くしてっ。もっと噛んでっ....。
 ちゃんと、つけて……」

ねだる声は震えながらも、確かだった。
柊の中に眠るものが、今まさに火を灯し、
疼きとともに欲を訴えていた。

颯の目が細くなる。

「…いつからそんなにおねだり
 できるようになったんですか?先輩」

「昔は、恥ずかしくて....してほしくても
 何にも言えなかったくせに....」

その声音は呆れたようでいて
どこまでも甘い。
そのまま、今度は肩口へと唇を滑らせ──

ちゅっ、くちゅ……と湿った音を
立てて舌を這わせたあと、
再び、鋭く歯を立ててくる。

「……ッ、ひ、っ……!」

今度の噛み痕は
明確に「残す」ための強さだった。
咬みつかれた部分が熱を持ち
赤く浮かび上がっていく。

首、鎖骨、肩、胸元──
噛まれ、吸われ
舌を這わせられ、そして刻まれていく。

歯形も、キスの跡も、全部。
柊にとっては、ただの痕跡ではない。
これは、服従の証。
ご主人様のものだと
知らしめるための烙印。

「……ちゃんと残してますよ」
「誰が見てもわかるくらい……
 強く、きつく、深く」

ぴちゃっ、と最後に
音を立てて吸い上げたあと、
颯は頬に唇を重ねる。

「これで、もう消えませんね」

その言葉に、柊は安堵にも
似た熱を喉奥に感じながら、
そっと目を閉じた。

痛みと共に落とされたそれは──
確かに、自分の“場所”を教えてくれる印だった。
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