先輩は、僕のもの

ゆおや@BL文庫

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柊のマーキング:05

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柊は、震える指先でワイシャツをたぐり寄せた。
布の内側から立ちのぼる濃い匂いは
もう頭の奥まで染み付いて離れない。

「……っはぁ……颯……」

吐息を漏らしながら
硬く熱を帯びた自身の肉棒を
ワイシャツで包み込む。

柔らかな布地が先端を
すっぽりと覆い
熱と匂いを閉じ込める。

その瞬間、下腹の奥が
ビリッと痺れるように震えた。

布を握る手は股間を押しつけ
もう片方の手は自分の胸へ。

指先で乳首を探り、爪を軽く立てる。
「あ……っ、んっ……」
自分の声に、自分でさらに熱くなる。

爪を滑らせ、軽く捻り上げるたび
颯にされてきた愛撫が鮮明に蘇る。

ワイシャツの内側からふわりと漂うのは
清潔感の奥に隠れた
汗と体温の生々しい香り。

それが下から立ちのぼり
顔のすぐ下まで迫ってくる。

「……っ、はぁん……くぅ……っ」

声と一緒に熱い吐息が布に吸い込まれ
さらに匂いが濃くなった気がした。

腰が自然と動く。
くちゅ、くちゅっ……と
湿った音が、布越しに股間から響く。

それと同時に、指で弄る乳首からも
じんじんと快感が波のように広がる。

「……颯……っ……もう……っ……」

吐息は荒く、喉が勝手に鳴る。
背中が反り返り
腰の動きが細かく速くなる。

更衣室には、自分の吐息と
布と肌が擦れる湿った音だけが響いていた。

限界は突然だった。
腰の奥がきゅうっと縮まり、視界が揺れる。
「……っ、あっ……ぁぁ……っ!!」
熱いものが、一気にワイシャツの
内側へと解き放たれる。

どぷっ、どぷっ……と脈打つたび
布地の中で温かい液が広がっていく感触。

ワイシャツは股間にぴたりと張り付き
精と汗と吐息が入り混じった
淫らな香りを放ち始めた。

柊はしばらくそのまま
荒い呼吸を繰り返しながら
ワイシャツに顔を押し付けたまま動けなかった。

匂いと温もりが
まだ全身を支配していた――。




「……っ、はぁ、はぁ……」
荒い呼吸の余韻の中で
ふと視界が戻ってきた。

硬く握っていた布の感触が
じわりと現実に引き戻す。

ここは、残業を終えた
静まり返ったオフィスの一角。
その奥にある更衣室――
自分がいる場所の意味を、遅れて理解する。

視線を落とす。
両手に包み込まれていたのは
真っ白なワイシャツ。

それはさっきまで颯のロッカーに
掛けられていたもの。

紛れもなく、部下の服だ。

恐る恐る股間から布を離す。
……ぬちっ、と粘る音が小さく響いた。

薄い生地の中央は透けるほどに湿り
精液が重たく染み込んでいる。
絹のような白は、ところどころに
濁った液の斑模様を作っていた。

「……やっ……ちまった……」
喉の奥で鳴ったのは
ため息とも嗚咽ともつかない声。

なのに、その震えの奥には
まだ熱が残っている。

羞恥で顔が火照る。
――誰も見ていないはずなのに

誰かに見られたら
と思うと下腹がまた疼いた。

自分がさっきまで何をしていたのか
その行為の生々しさが
逆に興奮の火種になる。

「……っ、はは……」
苦笑いが零れる。

後悔と快感が入り混じった
自分でも呆れるほどの笑いだった。
股間にはまだ熱が残り
ワイシャツからはさっきまで
嗅ぎ続けた颯の匂いが濃く漂っていた――。



軽くため息を吐きながら
汚れの目立つ部分をハンカチで拭き取る。
……とはいえ、生地に
染み込んだものまでは落とせない。
それでも形だけ整えて
ワイシャツを丁寧にたたんだ。
指先に残る温もりと匂いを振り払うように
ゆっくり更衣室を出る。

自席に戻ると
机の上のスマホが小刻みに震え
画面がメッセージ通知で埋まっていた。

「……っ」 思わず肩が跳ねる。
 差出人は、やはり――颯。

一通目。
 『でも、会社戻ったら自分
 で持ち帰るから
 やっぱり大丈夫でした🐶
 すみません』

二通目。
『あれれ?既読にならない。先輩~?』

三通目。
『もしかして、先輩…..更衣室で匂い嗅いで…..
 シコシコしてないですよね🐶?』

四通目。
 『さすがの先輩でも、会社の更衣室で
 部下のワイシャツの
 腋のところに顔すりすりして
 僕の名前呼びながらそんな
 変態な事するわけないですよね🐶』

五通目。
 『でも、先輩ならやりかねない。
 なんなら、ワイシャツに精子かけてたりして🐶』

そして、極めつけの六通目。
『あっ。ワイシャツでちんちん
 包んでシコシコとか論外ですよ🐶』

画面を見つめたまま
柊は吹き出してしまった。

「……はは……」

まるで全てを見透かされている。
いや、もしかしたら最初から
これが狙いだったのでは――
そんな考えがよぎる。

肩の力が抜け
指先が自然に動く。

『まいりました🐶』

とだけ返す。

既読がつくや否や
画面に「入力中…」の表示が浮かんだ。

この続きを読んだとき
自分の身体がどう反応してしまうか――
わかっていながらも
もう止められなかった。

つづく。





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