先輩は、僕のもの

ゆおや@BL文庫

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颯の過去:03

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画面の中では
汗で濡れた肌と肌がぶつかる湿った音が
スピーカー越しに部屋いっぱいに響いていた。

広い肩の男が腰を引き
再び奥まで突き上げるたび
受けている細身の
男の喉が反射的に鳴る。

腹筋が緊張で波打ち
その中心にそそり立つものは
布一枚も隠せないほど硬く脈打っていた。

颯は、画面から
視線を逸らさずにぽつりと言った。

「……この人エロい。
 すっごい立派な体してますよね」

声のトーンは低いのに、どこか甘い。

指先でスマホを持ち直し
画面を柊の方に少し傾ける。

「見てくださいよ、先輩。
 この太い……ちんちん」

その言葉を口にする瞬間だけ
舌先がわずかに唇を舐めていくのが見えた。

「ほら……この細い方も
 入れられて……ほら、ビンビンになってる。
 硬くなって……すっごい、えっち」

実況のように淡々と
それでいて一言ごとに
わざと含みを持たせてくる。

画面の中で細身の男が背を反らし
快感に震える様子がアップで映ると
颯は息を弾ませた声で囁く。

「ねぇ、先輩」
その呼びかけと同時に
颯の手が柊の太腿を
ゆっくり這い上がってくる。

「こんな……立派で太いのやつで……
 突かれたいでしょ?」

視線が絡み合い
柊は返事をする前に喉が大きく動いた。

それを見て
颯の口元がゆっくりと吊り上がる。

「でも僕のちんちん...こんなに太くないから
 例えば僕以外のちんちんでも...
 先輩は欲しがっちゃうのかなあ....」

「例えば、太いちんちんに突かれて
 よだれ垂らして喜んでる先輩を
 僕が目の前で見てあげるとか.....
 なかなかえっちですよね。」

映像の中で、太い男が
最後の一突きを深く押し込んだ瞬間
受けている細身の男が
喉を詰まらせるように絶頂し
その顔に白濁が飛び散った。

「あっ....先輩と一緒で
 お尻だけでこの人もイっちゃった...
 気持ちよさそうですね....先輩..」

そのまま余韻に震える
細身の男の表情をカメラが捉え――
颯が画面をタップ。

「――おーしまいっ」
「....っ!!」
軽い調子でそう言って
スマホをテーブルに置く。

「お酒、取ってきますね」

腰を上げ、台所へ消えていく背中は
まるで何事もなかったかのよう。

柊はテーブルの缶ビールを手に取ると
残りを一気に飲み干す。

(……なんだ今の時間)
自分でもわからない感情が
胸の奥で蠢いていた。

ただ確かなのは――
もう身体は反応してしまっているということ。

確かに、自分はこれまで
恋愛対象も性の対象も
ずっと女性だった。

だけど、颯と出会い
颯のペースに落とされてから……

「入れたい」という衝動より
「入れられたい」という欲が
確かに強くなっている。

女性の柔らかい肌よりも
今は男性の熱を、硬さを
疼くほどに欲してしまっている。

それでも――男としての
本能も消えてはいない。

締め付けてくる奥に自分を
埋め込みたいという衝動も
やっぱり確かに存在している。



そんな思考の中
不意に頭をよぎったのは――
颯の過去だった。

颯は、今まで
どんな関係を持ってきたのか。

誰かに抱かれたことがあるのか
抱いたことがあるのか。

あの支配的で、余裕のある笑みの裏に
どんな経験を隠しているのか――

無性に、知りたくなった。

……思い返す。
クライアントの女性に
言い寄られていた俺を
乱暴に支配したあの夜のこと。

互いの肉棒を咥えながら
颯は唇の端を上げてこう言った。

「ねえ……あの女と
 どっちがフェラ上手いですかね?」

そして、俺の喉奥まで
自分を突き入れながら
低く笑って続けた。

「でも多分あの人より……
 僕のほうが、男の人いっぱい食べてますから」

胸の奥で熱が弾ける感覚を
あの夜から俺は忘れられない。
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