88 / 258
20
足の匂いに侵されて:02
しおりを挟む
颯は、ソファに浅く腰かけたまま
体育座りの体勢を崩す。
靴下に指をかけ、くいっと脱ぐと――
そのまま、ゆっくりと脚を伸ばした。
「……先輩、ほら」
素足のつま先が
柊の顔の前に差し出される。
わざとらしいほど自然に。
何の説明もなく
それが“ご褒美”であるかのように。
柊の喉が、ごくんと鳴る。
瞬間、全身に電流が走ったようだった。
顔を背けることも
抗うことも、できなかった。
鼻先がふれた。
その瞬間――
「……っ、」
柊の鼻から、あられもない音が漏れる。
くん、くん……と、犬のように。
嗅いで、吸って、奪うように貪る。
颯の足に、頬を押し当てる。
吐息が乱れ、意識が霞んでいく。
「ふふ……やっぱり
好きなんですね。僕の匂い」
静かに笑う声が、耳の奥に落ちた。
だけどもう、理性は追いつかない。
「そんなに鼻息荒くして……っ。
そんなに我慢してたんですか?」
颯の声も、少しだけ荒い。
じわじわと昂ぶっていく熱が
呼吸の端に滲む。
「……先輩、顔、真っ赤ですよ。
そんな必死になって嗅がなくても
逃げたりしませんよ」
まるで慰めるように。
けれどその言葉は、甘く、残酷だった。
柊は、ただ応えるように――
さらに深く、香りを吸い込む。
鼻腔を満たすのは
颯の肌の匂い。汗の残り香。
本能を刺激する、強くて濃密な香り。
もう、逃げられない。
頭の中まで、支配されていく感覚。
自分がどれだけ
“この匂い”を欲しているかを、
全身が証明してしまっていた。
そして、颯は――
そのすべてを理解したうえで、
優しく笑っていた。
体育座りの体勢を崩す。
靴下に指をかけ、くいっと脱ぐと――
そのまま、ゆっくりと脚を伸ばした。
「……先輩、ほら」
素足のつま先が
柊の顔の前に差し出される。
わざとらしいほど自然に。
何の説明もなく
それが“ご褒美”であるかのように。
柊の喉が、ごくんと鳴る。
瞬間、全身に電流が走ったようだった。
顔を背けることも
抗うことも、できなかった。
鼻先がふれた。
その瞬間――
「……っ、」
柊の鼻から、あられもない音が漏れる。
くん、くん……と、犬のように。
嗅いで、吸って、奪うように貪る。
颯の足に、頬を押し当てる。
吐息が乱れ、意識が霞んでいく。
「ふふ……やっぱり
好きなんですね。僕の匂い」
静かに笑う声が、耳の奥に落ちた。
だけどもう、理性は追いつかない。
「そんなに鼻息荒くして……っ。
そんなに我慢してたんですか?」
颯の声も、少しだけ荒い。
じわじわと昂ぶっていく熱が
呼吸の端に滲む。
「……先輩、顔、真っ赤ですよ。
そんな必死になって嗅がなくても
逃げたりしませんよ」
まるで慰めるように。
けれどその言葉は、甘く、残酷だった。
柊は、ただ応えるように――
さらに深く、香りを吸い込む。
鼻腔を満たすのは
颯の肌の匂い。汗の残り香。
本能を刺激する、強くて濃密な香り。
もう、逃げられない。
頭の中まで、支配されていく感覚。
自分がどれだけ
“この匂い”を欲しているかを、
全身が証明してしまっていた。
そして、颯は――
そのすべてを理解したうえで、
優しく笑っていた。
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
壁乳
リリーブルー
BL
ご来店ありがとうございます。ここは、壁越しに、触れ合える店。
最初は乳首から。指名を繰り返すと、徐々に、エリアが拡大していきます。
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。
じれじれラブコメディー。
4年ぶりに続きを書きました!更新していくのでよろしくお願いします。
(挿絵byリリーブルー)
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる