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贈り鳥
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10年ぶりの外だ。
周りを見渡すと、太陽が空にあり、洞窟にはなかった木々の自然も広がっている。正直に言えば凄く感動しているのも事実だ。事実なんだけど……。
「……ここからどうやってアリシア達と合流するか」
そもそもの話、目立ちたいわけではないのだが、彼女たちの破滅ルートはアリシアが病みきった時に起こることなので早く合流しないと困る。
だが、彼女達と会うためには必然的に目立つ必要があるわけで……。
「……いやだめだ。想像するだけで面倒くさい」
なんかみんなに注目されて、よいしょよいしょされる未来しか湧かない。原作通りに進めるのは最終手段として……どうするか……。
そんなときに俺は頭の中であるものを思い出した。
「とにかく街に行ってみるか……できるだけ周りからバレないように……」
名前も……少し偽名を使うか?確かテオの奴も使ってたよな?名前は確か……。
「……カラ、だったか?」
……なんだかヘンテコな名前だなとか思いつつも、俺は早速近くの街に行くためにフードを被り、森の中を疾走するのであった。
途中思ったが……なんか身体が思った以上に軽くてびっくりした。
◇
「……ふぅ、とにかく着いたぞ」
少し門番にいる騎士さんに色々と聞かれながらも、事情を説明してなんとか通らせてもらった。
王都ほどじゃないけど、普通の街だ。商品も揃っていれば娯楽場のような施設もある。だが、十年前と比べて発展しなさすぎなんじゃないか……?いや、前世が異常なだけか。
そう思いながらも、目的の場所に赴くために俺は街を散策していく。所々でアリシア達勇者パーティーの名前が耳に入り、分かってはいたが改めて思うとあいつらって凄いんだなと思わせられる。
「……あった」
目の前には風羽の便という郵便局のような施設が目の前にある。そう、これで俺はアリシアに手紙で安否だけでも伝えようと思ったのだ。
確か仕組みが、手紙を書いてから魔法陣が記されている贈り鳥という手紙に預けて、送り先に届けるもの……だった気がする。
アリシアが病むことになったのが、俺の安否の不明だ。だから彼女に手紙を通じて安否を伝えることで少しでも精神を安定させようっという魂胆だ。
……でもこれ、手紙を受け取ることを拒否することもできるんだよな。もしかしたらアリシアが手紙を受け取ることを拒否………いやいや、そんなことはない………なんでだろ、だいぶ不安になってきた。
「……とりあえず行こう。それにやらないよりかはマシだし」
そんなことを思いながら、俺はその風羽の便の中にはいるのであった。
◇
「……大丈夫アリシア?顔色が悪いよ?」
「あ、あぁ……すまない。もしかしたら歩き疲れたのかもな」
一方、勇者パーティーはアリシアの体調が優れないということで、今は人里離れた岩場にて休憩がてら休んでいた。
ティアはアリシアに回復魔法を掛けながら彼女を心配するが、アリシアは心配掛けないように大丈夫の一点張り。表情が曇っていくのが自分でも分かった。
「お前が歩き疲れるなんてあるわけないだろ」
「……ロア」
アリシアに水を渡しながら、そう行ってくるロアに対して彼女は蹲ってしまう。
「……少し一人にさせてくれ」
「あ、アリシア……」
「……ティア、行こう。今は一人にさせといた方がいい」
自身の妹であるティアを連れて、身体をまるくしているアリシアを置いていく。
「……お兄ちゃん。今のアリシアには言い過ぎだよ。察してあげて」
「わ、わりぃ……でも、いつまでもあいつのことを引っ張っていくわけにはいかないだろ」
「そ、それはそうなんだけどさ……私だってまだ……」
ティアの言葉にロアもなんと声を掛けたらいいか分からず黙ってしまう。そんな静寂な空間を壊すようにクレフィがやってきた。
「結界は張っといたわ。これで安全なはずよ」
「あぁ、悪いクレフィ」
「……ねぇ、クレフィ。アリシア大丈夫かな?あんなの見てられないよ」
「……私にも分からないわ。ただ、このままだとあの子、近いうちに精神が崩壊するかもね」
淡々と彼女は事実を言う。その言葉に二人はさらに押し黙ってしまう。
「きっと大丈夫よ。アリシアだもの。勇者がこんなところで折れるはずないわ」
「そう、なのかな?」
「……俺達もできるだけサポートしよう。このままじゃあ本末転倒だからな」
三人はそれだけ会話をしてアリシア方を見る。彼ら彼女らもテオがいなくなったことで心に余裕がなくなったのだ。
アリシアとは違う、精神的な強さ……三人もまた、彼に支えられていたのだ。
だが、そんな彼は……もういない。自分たちが追放してしまったのだから。
「……テオ」
風にかき消されそうなか細い声がアリシアから発せられる。自分が原因なのは分かっている。彼の心の心に消えない傷を作ったのも……自分だ。
「……うぅ…ひっぐ……テオぉ……」
普段のアリシアにはない弱々しい姿。だが、平然といられるわけがなかった。自分のせいで彼は行方不明になった。自分のせいで彼の夢を壊してしまった。
思い出も、関係も……なにもかも壊したのは、自分だ。
あってはならない考えが湧いてくる。このまま死んでしまおうか?
いいかもしれない。こんな仲間を、大切な人を傷つける勇者なんていないほうが……。
そんな時にアリシアに向かって飛んでくる鳥が見える。剣を抜こうと思ったが、クレフィの結界を通り抜けたのを見て理解する。
「……また贈り鳥か。懲りない奴もいるもんだ。すぐに拒否を……」
だが、送り主の名前を見て、アリシアは……絶句してしまった。
なぜならその名前は……自身の幼馴染であるテオなのであったからだ。
周りを見渡すと、太陽が空にあり、洞窟にはなかった木々の自然も広がっている。正直に言えば凄く感動しているのも事実だ。事実なんだけど……。
「……ここからどうやってアリシア達と合流するか」
そもそもの話、目立ちたいわけではないのだが、彼女たちの破滅ルートはアリシアが病みきった時に起こることなので早く合流しないと困る。
だが、彼女達と会うためには必然的に目立つ必要があるわけで……。
「……いやだめだ。想像するだけで面倒くさい」
なんかみんなに注目されて、よいしょよいしょされる未来しか湧かない。原作通りに進めるのは最終手段として……どうするか……。
そんなときに俺は頭の中であるものを思い出した。
「とにかく街に行ってみるか……できるだけ周りからバレないように……」
名前も……少し偽名を使うか?確かテオの奴も使ってたよな?名前は確か……。
「……カラ、だったか?」
……なんだかヘンテコな名前だなとか思いつつも、俺は早速近くの街に行くためにフードを被り、森の中を疾走するのであった。
途中思ったが……なんか身体が思った以上に軽くてびっくりした。
◇
「……ふぅ、とにかく着いたぞ」
少し門番にいる騎士さんに色々と聞かれながらも、事情を説明してなんとか通らせてもらった。
王都ほどじゃないけど、普通の街だ。商品も揃っていれば娯楽場のような施設もある。だが、十年前と比べて発展しなさすぎなんじゃないか……?いや、前世が異常なだけか。
そう思いながらも、目的の場所に赴くために俺は街を散策していく。所々でアリシア達勇者パーティーの名前が耳に入り、分かってはいたが改めて思うとあいつらって凄いんだなと思わせられる。
「……あった」
目の前には風羽の便という郵便局のような施設が目の前にある。そう、これで俺はアリシアに手紙で安否だけでも伝えようと思ったのだ。
確か仕組みが、手紙を書いてから魔法陣が記されている贈り鳥という手紙に預けて、送り先に届けるもの……だった気がする。
アリシアが病むことになったのが、俺の安否の不明だ。だから彼女に手紙を通じて安否を伝えることで少しでも精神を安定させようっという魂胆だ。
……でもこれ、手紙を受け取ることを拒否することもできるんだよな。もしかしたらアリシアが手紙を受け取ることを拒否………いやいや、そんなことはない………なんでだろ、だいぶ不安になってきた。
「……とりあえず行こう。それにやらないよりかはマシだし」
そんなことを思いながら、俺はその風羽の便の中にはいるのであった。
◇
「……大丈夫アリシア?顔色が悪いよ?」
「あ、あぁ……すまない。もしかしたら歩き疲れたのかもな」
一方、勇者パーティーはアリシアの体調が優れないということで、今は人里離れた岩場にて休憩がてら休んでいた。
ティアはアリシアに回復魔法を掛けながら彼女を心配するが、アリシアは心配掛けないように大丈夫の一点張り。表情が曇っていくのが自分でも分かった。
「お前が歩き疲れるなんてあるわけないだろ」
「……ロア」
アリシアに水を渡しながら、そう行ってくるロアに対して彼女は蹲ってしまう。
「……少し一人にさせてくれ」
「あ、アリシア……」
「……ティア、行こう。今は一人にさせといた方がいい」
自身の妹であるティアを連れて、身体をまるくしているアリシアを置いていく。
「……お兄ちゃん。今のアリシアには言い過ぎだよ。察してあげて」
「わ、わりぃ……でも、いつまでもあいつのことを引っ張っていくわけにはいかないだろ」
「そ、それはそうなんだけどさ……私だってまだ……」
ティアの言葉にロアもなんと声を掛けたらいいか分からず黙ってしまう。そんな静寂な空間を壊すようにクレフィがやってきた。
「結界は張っといたわ。これで安全なはずよ」
「あぁ、悪いクレフィ」
「……ねぇ、クレフィ。アリシア大丈夫かな?あんなの見てられないよ」
「……私にも分からないわ。ただ、このままだとあの子、近いうちに精神が崩壊するかもね」
淡々と彼女は事実を言う。その言葉に二人はさらに押し黙ってしまう。
「きっと大丈夫よ。アリシアだもの。勇者がこんなところで折れるはずないわ」
「そう、なのかな?」
「……俺達もできるだけサポートしよう。このままじゃあ本末転倒だからな」
三人はそれだけ会話をしてアリシア方を見る。彼ら彼女らもテオがいなくなったことで心に余裕がなくなったのだ。
アリシアとは違う、精神的な強さ……三人もまた、彼に支えられていたのだ。
だが、そんな彼は……もういない。自分たちが追放してしまったのだから。
「……テオ」
風にかき消されそうなか細い声がアリシアから発せられる。自分が原因なのは分かっている。彼の心の心に消えない傷を作ったのも……自分だ。
「……うぅ…ひっぐ……テオぉ……」
普段のアリシアにはない弱々しい姿。だが、平然といられるわけがなかった。自分のせいで彼は行方不明になった。自分のせいで彼の夢を壊してしまった。
思い出も、関係も……なにもかも壊したのは、自分だ。
あってはならない考えが湧いてくる。このまま死んでしまおうか?
いいかもしれない。こんな仲間を、大切な人を傷つける勇者なんていないほうが……。
そんな時にアリシアに向かって飛んでくる鳥が見える。剣を抜こうと思ったが、クレフィの結界を通り抜けたのを見て理解する。
「……また贈り鳥か。懲りない奴もいるもんだ。すぐに拒否を……」
だが、送り主の名前を見て、アリシアは……絶句してしまった。
なぜならその名前は……自身の幼馴染であるテオなのであったからだ。
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