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プロローグ
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わたしの婚約者であるビトイ・ノーマン伯爵令息と出会ったのは、わたしが7才、彼が9才の時だった。
親同士が決めた結婚で、わたしの家で初めて顔を合わせた。
ビトイは、その年頃の少年にしては背が高くて細身。
金色のふわふわの髪にエメラルドグリーンの瞳に垂れ気味の目。
彼の醸し出す優しげな雰囲気が、今まで会った貴族令息とは全く違っていて、わたしは彼に一目惚れをした。
「君は僕の婚約者なんだって。よろしくね」
「よ、よろしく…、お願いします…」
引っ込み思案のわたしは、お母様の後ろに隠れて挨拶をしたのを覚えている。
わたしは艶のあるストレートの黒髪に鳶色の瞳で、わたしの住んでいる国では珍しい髪色、珍しい瞳の色をしていた為、子供の頃はよくからかわれていた。
だから、笑われたらどうしようという怖さもあった。
けれど、ビトイはそんなわたしを笑わなかった。
「珍しい髪色だから、特別な感じがするよね? そんなに怖がらなくても、アザレアはとても可愛いんだから、堂々としたらいいと思う」
「あら、ビトイったら…」
わたしのお母様と彼のお母様は、ビトイの言葉を聞いて「ませた子ね」と笑った。
「あ、ありがとう…、ございます…」
その時のわたしは、そう言葉を返すしか出来なかった。
その日は、わたしにとって、特別な日。
だから、10年経った今でも覚えている。
そして、その日はビトイにとっても特別な日だった。
彼もその日に一目惚れをしていたから。
それは、わたしではなく。
わたしのお姉様にだったのだけれど…。
親同士が決めた結婚で、わたしの家で初めて顔を合わせた。
ビトイは、その年頃の少年にしては背が高くて細身。
金色のふわふわの髪にエメラルドグリーンの瞳に垂れ気味の目。
彼の醸し出す優しげな雰囲気が、今まで会った貴族令息とは全く違っていて、わたしは彼に一目惚れをした。
「君は僕の婚約者なんだって。よろしくね」
「よ、よろしく…、お願いします…」
引っ込み思案のわたしは、お母様の後ろに隠れて挨拶をしたのを覚えている。
わたしは艶のあるストレートの黒髪に鳶色の瞳で、わたしの住んでいる国では珍しい髪色、珍しい瞳の色をしていた為、子供の頃はよくからかわれていた。
だから、笑われたらどうしようという怖さもあった。
けれど、ビトイはそんなわたしを笑わなかった。
「珍しい髪色だから、特別な感じがするよね? そんなに怖がらなくても、アザレアはとても可愛いんだから、堂々としたらいいと思う」
「あら、ビトイったら…」
わたしのお母様と彼のお母様は、ビトイの言葉を聞いて「ませた子ね」と笑った。
「あ、ありがとう…、ございます…」
その時のわたしは、そう言葉を返すしか出来なかった。
その日は、わたしにとって、特別な日。
だから、10年経った今でも覚えている。
そして、その日はビトイにとっても特別な日だった。
彼もその日に一目惚れをしていたから。
それは、わたしではなく。
わたしのお姉様にだったのだけれど…。
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