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7 『無償の愛』の効果が消えた日
私とアーサーの婚約をサウザン王国の王家は猛反対した。理由は私がサウザン王国の王家のことを知りすぎているからだった。
陛下に呼び出された私とお父様は、同行を許可されたアーサーと共に謁見の間に向かった。
「いきなり婚約をしたいだなどと、無償の愛はそんなに簡単に消え去るものなのか」
「私がフォークス様に無償の愛を捧げることをやめたのは、婚約の破棄が決まってからです」
「1日も経たずに消えてしまうものなのか!?」
「セブレブ王国は愛人は許されておりませんから、妻になれるのであればという前提の無償の愛だったのです。1年前から裏切られていたとわかった時点で気持ちが揺らいでしまったのです」
私が妻になれば、愛人は許すと思っていただけで愛人になりたいとは思わなかった。無償の愛なら正妃になる方が捧げるべきだと思っていた。
「今はもうフォークスのことを愛していないのか?」
「……全ての気持ちを忘れてしまったとは言えません。ただ、フォークス殿下がウェンディ様との結婚を決めたのであれば、忘れていく努力をするつもりでした。そして、アーサー殿下との婚約が決まりそうな今は、すぐにでも忘れるつもりでおります」
陛下は複雑そうな表情で私を見つめた。アーサーのいる前で思ったこと全てを口に出すわけにはいかないのでしょうね。
アーサーは黙って私の隣に立っている。彼は私よりも頭一つ分背が高いので、目だけ動かして顔は真正面を向いている今は、彼の表情はわからない。
陛下は吐き捨てるように言う。
「フォークスのことは忘れなくてもいい」
「……そうですね。無理に忘れなくてもいいでしょう」
私の考えを否定した陛下に、アーサーが答えた。陛下は眉根を寄せて聞き返す。
「どういうことだ?」
「無理に忘れる必要はありません。私の妻になってくれればそれで良いのです」
「愛がなくても良いと言うのか?」
「ええ。ですが、ララティアがフォークス殿下への無償の愛を捧げることをやめるのは、彼女の自由です。それから、王家の内情については公言されていること以外は話さないように誓約書を書くのはどうでしょうか」
「誓約書では安心できん」
「魔法のかかった誓約書をご用意できます。それなら良いでしょうか?」
ミランなら、秘密を守らせる誓約書を作ることは可能だ。陛下だって魔法使いの力は身をもって知っている。
公言することはできないが、陛下はトンボに変化したそうだ。
少しずつ変わっていき、人間の姿で顔の半分が大きな目になった時は多くのメイドが悲鳴を上げたそうだ。
王妃陛下がいなければ、完全に巨大なトンボの姿になっていたと言われている。ちなみに何に変わるかは、その時にならないとわからない。
「……わかった。必ず、魔法のかかった誓約書にサインさせろ」
陛下は渋々といった様子でそう言った。
これで私とアーサーの婚約が認められ、2日後にはアーサーたちと共にセブレブ王国に向かうことになった。
そして、私たちがセブレブ王国に入国し、王城に向かっている頃、フォークス様の身に変化が起きるのだった。
陛下に呼び出された私とお父様は、同行を許可されたアーサーと共に謁見の間に向かった。
「いきなり婚約をしたいだなどと、無償の愛はそんなに簡単に消え去るものなのか」
「私がフォークス様に無償の愛を捧げることをやめたのは、婚約の破棄が決まってからです」
「1日も経たずに消えてしまうものなのか!?」
「セブレブ王国は愛人は許されておりませんから、妻になれるのであればという前提の無償の愛だったのです。1年前から裏切られていたとわかった時点で気持ちが揺らいでしまったのです」
私が妻になれば、愛人は許すと思っていただけで愛人になりたいとは思わなかった。無償の愛なら正妃になる方が捧げるべきだと思っていた。
「今はもうフォークスのことを愛していないのか?」
「……全ての気持ちを忘れてしまったとは言えません。ただ、フォークス殿下がウェンディ様との結婚を決めたのであれば、忘れていく努力をするつもりでした。そして、アーサー殿下との婚約が決まりそうな今は、すぐにでも忘れるつもりでおります」
陛下は複雑そうな表情で私を見つめた。アーサーのいる前で思ったこと全てを口に出すわけにはいかないのでしょうね。
アーサーは黙って私の隣に立っている。彼は私よりも頭一つ分背が高いので、目だけ動かして顔は真正面を向いている今は、彼の表情はわからない。
陛下は吐き捨てるように言う。
「フォークスのことは忘れなくてもいい」
「……そうですね。無理に忘れなくてもいいでしょう」
私の考えを否定した陛下に、アーサーが答えた。陛下は眉根を寄せて聞き返す。
「どういうことだ?」
「無理に忘れる必要はありません。私の妻になってくれればそれで良いのです」
「愛がなくても良いと言うのか?」
「ええ。ですが、ララティアがフォークス殿下への無償の愛を捧げることをやめるのは、彼女の自由です。それから、王家の内情については公言されていること以外は話さないように誓約書を書くのはどうでしょうか」
「誓約書では安心できん」
「魔法のかかった誓約書をご用意できます。それなら良いでしょうか?」
ミランなら、秘密を守らせる誓約書を作ることは可能だ。陛下だって魔法使いの力は身をもって知っている。
公言することはできないが、陛下はトンボに変化したそうだ。
少しずつ変わっていき、人間の姿で顔の半分が大きな目になった時は多くのメイドが悲鳴を上げたそうだ。
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「……わかった。必ず、魔法のかかった誓約書にサインさせろ」
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