4 / 28
3 レティシアの恋
しおりを挟む
レティシア様は、何とか両親を説得した様で、自らが夜会に出席し、レイブンと出会い、そして、彼女は彼の事を一晩で好きになってしまった様だった。
「どうして、あんな素敵な方を隠していたの!」
レティシア様は夜会から帰ってくるなり、その足で私の部屋まで来て、そう言うと、私の頬を叩いた。
今まで、殴ったり、叩いたりするのは禁止されていたのに、レティシア様がそんな事を気にせずに叩いたのには、彼女なりの理由があった。
「あんなに素敵な人だったなんて…! あんたなんてもう用無しよ! これからは、レイブン様と会う時は、全てわたくしが行きますから!」
「…どういう、意味ですか」
ジンジンする頬をおさえながら尋ねると、レティシア様は声を上げて笑う。
「キャハハ。何、その顔。悔しい? 悔しいわよねえ? 隠してた大事なものを取られちゃいそうだものねぇ? キャハハ! でも、その顔を見ると、余計に嬉しくなっちゃうわ!」
「……」
何も言わずに彼女を見つめると、声を上げて笑うのは止めて、にんまりと意地の悪い笑みを浮かべる。
「さっきも言ったけれど、わたくしがこれからは、レイブン様に会いに行くわ。わたくしの身代わりなんて必要なくなったの。だから、下婢、あなたは用無しって事」
「公爵閣下はお許しになられるんですか? 元々は、大魔道士の息子であるレイブン様とあなたを近付けさせない為に、私をここに連れてきたんですよ?」
「そんなの何とかするに決まってるじゃない。今回だって何とかなったんだから、下婢が心配する様な事じゃないわ。魔道士にも例外がいるって事を、お父様達に教えて差し上げればいいんだから」
レティシア様はキャハハと笑った後、何も言えないでいる私を一瞥してから、部屋を出ていった。
外側から鍵が締められる音がして、私はへなへなと、冷たい床に座り込んだ。
……レイブンは気付いてくれなかったの…?
魔力の流れが、レティシア様と私では違うはずだから、気付いてくれると思っていたのに…。
それに、ネックレスをしていない事にだって気付いたはず。
なのに、どうして…?
どうして、何も言わなかったの?
そこまで考えて、気が付いた。
レイブンは気が付かなかったんじゃなくて、レティシア様を選んだのかもしれない…。
私が勝手に、レイブンは私の事を好きでいてくれているのだと、勘違いしていただけなのかもしれない。
でも、本当はそうじゃなかった。
彼は、公爵令嬢である、レティシアであれば、誰でも良かった?
ううん。
彼はそんな人じゃない。
きっと、嘘をついていた私に怒ったんだわ。
大事な形見を渡してしまった事を、とても悔やんでるに違いない。
もっと早くに、素直に彼に真実を話していれば良かった?
それとも、何があっても、彼からネックレスは受け取るべきじゃなかった?
もうレイブンに会えないのなら、ネックレスをレティシア様に渡さないと…。
ベッドに倒れ込み、その日は、これから自分の身がどうなるかわからないという不安と、レイブンともう二度と会えない事が悲しくて、こんな事になるくらいなら、自分から打ち明ければ良かったという事を悔やんで、夜遅くまで泣いた。
結局、レイブンとの次の約束の日も、レティシア様が行く事になり、私はレイブンから預かっていたネックレスを彼女に渡そうとしたけれど「そんなダサいネックレスはいらない」と投げ返されてしまい、ネックレスは私の手元に残る事になってしまった。
きっと、レイブンがいつかはこのネックレスの事を口にするはず。
その時に返せばいいわよね?
ネックレスの石を握りしめて、そう考えていると、まるで返事をする様に、石がキラキラと光った気がした。
それから、数日後の事、なぜかレイブンが、急遽、屋敷に来る事になったと、部屋にやって来たヘーベル公爵から聞かされた。
こんな事は今までになかったから驚きだった。
いつもは、私を迎えに来てくれた後は、どこかに出かける事が多く、家に来たいだなんて言われた事がなかったから。
よっぽど、レティシア様の事を気に入ったのかもしれない。
そんな事を考えていると、今度はレティシア様が部屋にやって来た。
「あんたはもういらないわ」
「……え?」
「今日はレイブン様が来るの。私に正式にプロポーズして下さるはずよ。あんたは、もう用済み。ほら、この子を連れて行って!」
レティシア様はそう言うと、部屋の中に騎士を二人、呼び込んだ。
「私をどうするつもりなんですか!?」
「心配しないで。せめてもの情けで売り飛ばしたりはしないわ。治安の悪い場所に放り出すだけよ」
キャハハと笑ってから、レティ様は続ける。
「天罰が下ったと思って諦めるのね。下婢のくせに、レイブン様を隠したりなんかするから。ああ、彼は私に本当に夢中なのよ! もっと早くにお会いしてさしあげるべきだったわ!」
「隠したりなんかしていません! それに、こんな事になるなら、あなたが最初から会えばよかったのに!」
叫ぶと、騎士が私の腕をつかんだ。
「はなして!」
「大人しくしろ! レティシア様、言われた場所に捨ててくれば良いのですね?」
「ええ、そうよ。早くして」
「絶対に許さないから…!」
騎士に両腕をつかまれ、彼女の前を通り過ぎる際、睨みつけながら言うと、レティシア様は笑う。
「キャハハ。何を怒ってるの? 今まで、この部屋で幸せに暮らしていれただけマシでしょ」
「幸せなんかじゃなかった!」
レイブンと一緒にいた時は幸せだった。
それは嘘じゃない。
だけど、本当なら、今頃は本当の家族とそれなりの幸せをつかんでいるはずだった!
貴族のマナーだなんて知りたくもなかったのに!
「そうよね。だって、あんた、実の両親にも捨てられてるもんねぇ」
「…どういう事ですか」
「知らないようだから教えてあげる! お父様はあんたを拉致させた後、騒ぎにならない様に、あんたの家に大金を送りつけたの。この金をあげるから、子供の事は諦めろって。そうしたら騒ぎ立てなかったそうよ! 警察には相談しないし、あんたの兄が騒いでも、それを止めさせていたらしいわ! あんたは人生で二度も捨てられるの! 何でかわかる!? それくらいの価値しかないから! キャハハハハ!」
「あなたなんかにそんな事を言われたくない。嫌な事はせずに、好きな事だけして、苦労もせずに生きてるあなたなんかに!」
「うるさぁい。早く捨てて来て!」
レティシア様は私の顔を扇で叩くと、騎士に叫んだ。
「はなしてよ!」
「大人しくしろ!」
「嫌よ、はなして!」
せめて、一発くらい、彼女の頬を殴りたい!
そんな考えが頭に浮かんだ時、私のお腹に騎士の拳が入った。
ゲホゲホと咳き込み、抵抗できなくなっている内に、私は騎士の肩に担ぎ上げられ、裏口から屋敷の外に運ばれると、待たせていた馬車の中に放り込まれたのだった。
「どうして、あんな素敵な方を隠していたの!」
レティシア様は夜会から帰ってくるなり、その足で私の部屋まで来て、そう言うと、私の頬を叩いた。
今まで、殴ったり、叩いたりするのは禁止されていたのに、レティシア様がそんな事を気にせずに叩いたのには、彼女なりの理由があった。
「あんなに素敵な人だったなんて…! あんたなんてもう用無しよ! これからは、レイブン様と会う時は、全てわたくしが行きますから!」
「…どういう、意味ですか」
ジンジンする頬をおさえながら尋ねると、レティシア様は声を上げて笑う。
「キャハハ。何、その顔。悔しい? 悔しいわよねえ? 隠してた大事なものを取られちゃいそうだものねぇ? キャハハ! でも、その顔を見ると、余計に嬉しくなっちゃうわ!」
「……」
何も言わずに彼女を見つめると、声を上げて笑うのは止めて、にんまりと意地の悪い笑みを浮かべる。
「さっきも言ったけれど、わたくしがこれからは、レイブン様に会いに行くわ。わたくしの身代わりなんて必要なくなったの。だから、下婢、あなたは用無しって事」
「公爵閣下はお許しになられるんですか? 元々は、大魔道士の息子であるレイブン様とあなたを近付けさせない為に、私をここに連れてきたんですよ?」
「そんなの何とかするに決まってるじゃない。今回だって何とかなったんだから、下婢が心配する様な事じゃないわ。魔道士にも例外がいるって事を、お父様達に教えて差し上げればいいんだから」
レティシア様はキャハハと笑った後、何も言えないでいる私を一瞥してから、部屋を出ていった。
外側から鍵が締められる音がして、私はへなへなと、冷たい床に座り込んだ。
……レイブンは気付いてくれなかったの…?
魔力の流れが、レティシア様と私では違うはずだから、気付いてくれると思っていたのに…。
それに、ネックレスをしていない事にだって気付いたはず。
なのに、どうして…?
どうして、何も言わなかったの?
そこまで考えて、気が付いた。
レイブンは気が付かなかったんじゃなくて、レティシア様を選んだのかもしれない…。
私が勝手に、レイブンは私の事を好きでいてくれているのだと、勘違いしていただけなのかもしれない。
でも、本当はそうじゃなかった。
彼は、公爵令嬢である、レティシアであれば、誰でも良かった?
ううん。
彼はそんな人じゃない。
きっと、嘘をついていた私に怒ったんだわ。
大事な形見を渡してしまった事を、とても悔やんでるに違いない。
もっと早くに、素直に彼に真実を話していれば良かった?
それとも、何があっても、彼からネックレスは受け取るべきじゃなかった?
もうレイブンに会えないのなら、ネックレスをレティシア様に渡さないと…。
ベッドに倒れ込み、その日は、これから自分の身がどうなるかわからないという不安と、レイブンともう二度と会えない事が悲しくて、こんな事になるくらいなら、自分から打ち明ければ良かったという事を悔やんで、夜遅くまで泣いた。
結局、レイブンとの次の約束の日も、レティシア様が行く事になり、私はレイブンから預かっていたネックレスを彼女に渡そうとしたけれど「そんなダサいネックレスはいらない」と投げ返されてしまい、ネックレスは私の手元に残る事になってしまった。
きっと、レイブンがいつかはこのネックレスの事を口にするはず。
その時に返せばいいわよね?
ネックレスの石を握りしめて、そう考えていると、まるで返事をする様に、石がキラキラと光った気がした。
それから、数日後の事、なぜかレイブンが、急遽、屋敷に来る事になったと、部屋にやって来たヘーベル公爵から聞かされた。
こんな事は今までになかったから驚きだった。
いつもは、私を迎えに来てくれた後は、どこかに出かける事が多く、家に来たいだなんて言われた事がなかったから。
よっぽど、レティシア様の事を気に入ったのかもしれない。
そんな事を考えていると、今度はレティシア様が部屋にやって来た。
「あんたはもういらないわ」
「……え?」
「今日はレイブン様が来るの。私に正式にプロポーズして下さるはずよ。あんたは、もう用済み。ほら、この子を連れて行って!」
レティシア様はそう言うと、部屋の中に騎士を二人、呼び込んだ。
「私をどうするつもりなんですか!?」
「心配しないで。せめてもの情けで売り飛ばしたりはしないわ。治安の悪い場所に放り出すだけよ」
キャハハと笑ってから、レティ様は続ける。
「天罰が下ったと思って諦めるのね。下婢のくせに、レイブン様を隠したりなんかするから。ああ、彼は私に本当に夢中なのよ! もっと早くにお会いしてさしあげるべきだったわ!」
「隠したりなんかしていません! それに、こんな事になるなら、あなたが最初から会えばよかったのに!」
叫ぶと、騎士が私の腕をつかんだ。
「はなして!」
「大人しくしろ! レティシア様、言われた場所に捨ててくれば良いのですね?」
「ええ、そうよ。早くして」
「絶対に許さないから…!」
騎士に両腕をつかまれ、彼女の前を通り過ぎる際、睨みつけながら言うと、レティシア様は笑う。
「キャハハ。何を怒ってるの? 今まで、この部屋で幸せに暮らしていれただけマシでしょ」
「幸せなんかじゃなかった!」
レイブンと一緒にいた時は幸せだった。
それは嘘じゃない。
だけど、本当なら、今頃は本当の家族とそれなりの幸せをつかんでいるはずだった!
貴族のマナーだなんて知りたくもなかったのに!
「そうよね。だって、あんた、実の両親にも捨てられてるもんねぇ」
「…どういう事ですか」
「知らないようだから教えてあげる! お父様はあんたを拉致させた後、騒ぎにならない様に、あんたの家に大金を送りつけたの。この金をあげるから、子供の事は諦めろって。そうしたら騒ぎ立てなかったそうよ! 警察には相談しないし、あんたの兄が騒いでも、それを止めさせていたらしいわ! あんたは人生で二度も捨てられるの! 何でかわかる!? それくらいの価値しかないから! キャハハハハ!」
「あなたなんかにそんな事を言われたくない。嫌な事はせずに、好きな事だけして、苦労もせずに生きてるあなたなんかに!」
「うるさぁい。早く捨てて来て!」
レティシア様は私の顔を扇で叩くと、騎士に叫んだ。
「はなしてよ!」
「大人しくしろ!」
「嫌よ、はなして!」
せめて、一発くらい、彼女の頬を殴りたい!
そんな考えが頭に浮かんだ時、私のお腹に騎士の拳が入った。
ゲホゲホと咳き込み、抵抗できなくなっている内に、私は騎士の肩に担ぎ上げられ、裏口から屋敷の外に運ばれると、待たせていた馬車の中に放り込まれたのだった。
50
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】真の聖女だった私は死にました。あなたたちのせいですよ?
時
恋愛
聖女として国のために尽くしてきたフローラ。
しかしその力を妬むカリアによって聖女の座を奪われ、顔に傷をつけられたあげく、さらには聖女を騙った罪で追放、彼女を称えていたはずの王太子からは婚約破棄を突きつけられてしまう。
追放が正式に決まった日、絶望した彼女はふたりの目の前で死ぬことを選んだ。
フローラの亡骸は水葬されるが、奇跡的に一命を取り留めていた彼女は船に乗っていた他国の騎士団長に拾われる。
ラピスと名乗った青年はフローラを気に入って自分の屋敷に居候させる。
記憶喪失と顔の傷を抱えながらも前向きに生きるフローラを周りは愛し、やがてその愛情に応えるように彼女のほんとうの力が目覚めて……。
一方、真の聖女がいなくなった国は滅びへと向かっていた──
※小説家になろうにも投稿しています
いいねやエール嬉しいです!ありがとうございます!
【完結】以上をもちまして、終了とさせていただきます
楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。
伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。
そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。
「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」
神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。
「お話はもうよろしいかしら?」
王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。
※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
とある令嬢の優雅な別れ方 〜婚約破棄されたので、笑顔で地獄へお送りいたします〜
入多麗夜
恋愛
【完結まで執筆済!】
社交界を賑わせた婚約披露の茶会。
令嬢セリーヌ・リュミエールは、婚約者から突きつけられる。
「真実の愛を見つけたんだ」
それは、信じた誠実も、築いてきた未来も踏みにじる裏切りだった。だが、彼女は微笑んだ。
愛よりも冷たく、そして美しく。
笑顔で地獄へお送りいたします――
〈完結〉伯爵令嬢リンシアは勝手に幸せになることにした
ごろごろみかん。
恋愛
前世の記憶を取り戻した伯爵令嬢のリンシア。
自分の婚約者は、最近現れた聖女様につききっきりである。
そんなある日、彼女は見てしまう。
婚約者に詰め寄る聖女の姿を。
「いつになったら婚約破棄するの!?」
「もうすぐだよ。リンシアの有責で婚約は破棄される」
なんと、リンシアは聖女への嫌がらせ(やってない)で婚約破棄されるらしい。
それを目撃したリンシアは、決意する。
「婚約破棄される前に、こちらから破棄してしてさしあげるわ」
もう泣いていた過去の自分はいない。
前世の記憶を取り戻したリンシアは強い。吹っ切れた彼女は、魔法道具を作ったり、文官を目指したりと、勝手に幸せになることにした。
☆ご心配なく、婚約者様。の修正版です。詳しくは近況ボードをご確認くださいm(_ _)m
☆10万文字前後完結予定です
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので
ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。
しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。
異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。
異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。
公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。
『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。
更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。
だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。
ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。
モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて――
奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。
異世界、魔法のある世界です。
色々ゆるゆるです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる