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15 報復
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そして、2日後、私はレイブンの転移魔法で、北の地に戻っていた。
私が考えたチープなシナリオとしては、ありえない話かもしれないけど、追っ手に追われて逃げた私は、追っ手はまけたものの、階段から落ちて、意識を失い、記憶喪失になったという設定。
もし、ヘーベル家以外の誰かに見つかった場合は、レティアという名前ではなく、ティリーという名前で呼ぶという事にした。
お世話になる家は、街から少しだけ離れた場所にあり、近くに家はあまりない。
その家には、ティリーという私と年齢の変わらない、病気で寝たきりの女の子がいて、その子は、5歳くらいの頃から家を出た事がないから、周りの人は顔も知らないらしい。
もし、何かのきっかけで見られる事があったとしても、私はティリーのフリをすればいいわけ。
家の外には出ないつもりだけど、もし、見られた場合でも言い訳する事が出来る。
まあ、何にしても、ヘーベル公爵家に見つかったとわかった時点で逃げるだけだ。
バレた場合、家を提供してくれる人達も、倒れていた私を拾ったと嘘をつけばいいだけの話だし、私が逃げた後に、その家族が危険な目に合わない様に、その時は、北に潜入している魔道士の人が家族を助けてくれるそうだ。
もっと簡単な方法があるかもしれないけれど、どうしても南側に悪い状況に持っていきたくないから、できるだけ、レイブン達とは無関係にしたかった。
結婚してしまえば、ヘーベル家から籍はぬけるし、レティア・ニーソンとして、私の通行証を申請して、正式に南に移動する。
それまでの辛抱だ。
「レティア様、荷物はここに置いておきますね」
「ありがとう!」
アメリアと私は同じ部屋で、ベッドを並べて寝る事になった。
彼女はここにいる事を他の人に見られたらいけないので、
余計に大変だ。
といっても、見られる事はないと思うけれど…。
新しい生活が始まるけれど、一緒に住んでくれる人達も良さそうな人だし、何より、ティリーの病気をレイブンが回復魔法で治した為、家族揃ってレイブンに感謝しているから、私の情報を売るとかいう事はないと思われる。
あまり、深く考えすぎてもストレスになるだけだし、ヘーベル家の動向には気を付けつつ、今までよりも少しだけ自由になった暮らしを楽しむ事にした。
たくさんの人に迷惑をかけているけれど、それくらいは許されるわよね?
それに、少しでも早く私の身を自由にする為に、シブン様達は、私の家族を探してくれると言ってくれた。
役所には記録がまだ残っているはずだから、もし、両親が生きていたら、不正があって、私が養女にされた事、何より、私を拉致した事を証言してもらえるはず。
証言してもらえるからとかじゃなくて、生きてくれていたら、それだけで嬉しいし、会えたら、もっと嬉しい。
幸せな未来を思い浮かべていた私だったけれど、現実は、そう上手くはいかなかった。
約三十日後、新しい生活にも慣れて、仮の家族や、本物のティリーとも仲良くなった。
ティリーは元気にはなったけれど、何十年も寝込んでいた為、やせ細っていて、歩く事も中々出来ず、家の中でリハビリを頑張っており、そんな彼女が、せめて家の中だけでも歩ける手伝いをするという、穏やかな生活を送っていた、そんなある日の事。
アメリアの元に知らせが届いた。
「南の地に、王家から派遣された、レティア様の捜索隊が入ったとの事です。ニーソン家には、ヘーベル家が雇った魔道士が見張っている様ですので自由に動けないみたいです。私の姿が見えないと怪しまれる可能性がありますので、私は一度、南に戻ります。ノース、私の代わりが来るまで、レティア様を頼んだわよ」
「りょーかい」
この頃にはノースもこの家で護衛をアメリアと交代でしてくれていて、私達と同じ様に仮の家族に馴染んでいた。
「アメリア、大丈夫だと思うけれど気を付けて。向こうの雇った魔道士が、どんな手を使ってくるかわからないから」
「ありがとうございます、気を付けて行ってきます。レティア様も何かありましたら、ノースを盾にして自分を守って下さいね」
「私には加護のキスもネックレスもあるから大丈夫」
「そうでしたね、失礼しました」
アメリアは笑って、家の裏口から外へ出ると、近くに人がいない事を魔法で確認してから姿を消した。
「どうしても、ヘーベル家はニーソン家を潰したいみたいだな」
「そうみたいね。でも、南にいないとわかったら、きっと北にも調べが入るでしょうね…」
ノースと一緒にアメリアを見送ってから、家の中に入り、会話を続ける。
「そうだな」
「いつか、ここも突き止められてしまうのでしょうね」
「そうなる前に、こことはオサラバしないとな」
「ねえ、ノース」
「ん?」
「やっぱり、私はヘーベル家に戻った方がいいのかしら」
私の問いかけに、ノースが苛立った口調で聞き返してくる。
「どうして、そうなるんだよ!?」
「だって、そうすれば、誰にも迷惑はかからないでしょう?」
「レティアの居場所は、あの家じゃないだろ。本当の居場所は、本当の家族の元か、レイブンの隣だろ?」
「……そうね。戻っても、あの家には私の居場所はないし、ない方がいいわ。それに、考えたら、あの家にはフォーウッド様がいる。帰ったら、何をされるかわからないものね」
私にハンカチを差し出してきた時のフォーウッド様を思い出すと、気持ちが悪くて、今でも不快な気分になる。
「そうだよ。それに、レティアがあの家に戻っても、何も解決しないと思うぞ」
「私を探すという手間が省けるし、ニーソン家にも迷惑にならないわ」
「レティアがそんな事を気にして、ヘーベル家に帰るって言う方が、レイブン達は嫌がるだろうけどな」
「甘えてしまっていいのかしら」
「甘えとけ甘えとけ。小さい頃に親に甘えられなかった分、レイブン達には甘えときゃいいんだよ。もちろん、俺やアメリアにもな」
ノースがニッと笑って、ちょうどたどり着いた私の部屋の扉を開けてくれた。
「部屋の外にいるから、何かあったら言ってくれ」
「わかったわ。ありがとう、ノース」
「どういたしまして」
ノースと話をしていた時は、自分の事しか考えられていなかったけれど、私にはもっと、考えないといけない事がある事を忘れていた。
数時間後、ノースの焦った声が廊下から聞こえてきた。
女性の声もしたけれど、アメリアの声ではなかったので、代わりの人かもしれないと思って、扉に近付いたけれど、会話の内容が聞こえて、私は扉を開けるのを止めた。
「アメリアは無事か?」
「シブン様が回復魔法をかけてくださったから、命に別条はないわ。それに、助けを求める声に気が付いた、レイブン様が、騎士達を半殺しにして、今、留置所の檻に閉じ込めてる」
「とどめをさしにいってくる」
「駄目よ、ノース。あなたはレティア様の護衛なの。気持ちはわかるけれど」
「ノース、私を転移魔法で、アメリアの所へ連れて行ってくれない?」
扉を開けて、私がお願いすると、アメリアの代わりの女性の魔道士、ミントは驚いた顔をした。
彼女とも何度も話をした事があるし、護衛をしてくれるのは有り難い。
だけど、今は、アメリアがどうしているのか知りたかった。
「レティア様、アメリアなら無事です」
「一体、何があったの?」
「……」
ミントは困った様な顔で、ノースを見た。
「ミントが答えられないなら、ノースが答えて!」
「……はっきりとした事はわからないが、報復だろう」
「…報復?」
「以前、ヘーベル家の騎士をアメリアがボコった事がある。それの報復だろうって」
詳しい話を聞いてみると、アメリアに倒された仲間の騎士が、近くを通りかかった親子連れを人質にとって、無抵抗のアメリアに暴力をふるったらしい。
その際、魔力封じの鎖で手足を拘束されてしまったので、アメリアは魔法も使えなかった。
すぐに、シブン様とレイブンが、アメリアの魔力の異変に気が付いて駆け付けて、シブン様の回復魔法のおかげで命に別条はないらしいけれど、アメリアは頭を蹴られた時に気絶したらしく、意識を失ったままの状態の様だった。
「回復魔法で治ったんだから、意識は戻るのよね?」
「それは大丈夫です。後は、シブン様達にお任せ下さい」
私よりもだいぶ年上で、小さな子供もいるミントが優しく、言い聞かせる様に私に言う。
「騎士達が自分達で考えた事にしては、魔法を封じる鎖など、騎士の給料では到底買えない、高価な物を持っている時点で、誰が指示をしたかはわかります。何より、捕まえた騎士達から、シブン様達が吐かせるでしょう」
「どういう事?」
「すぐにわかるよ。それに俺も絶対に許さねぇ」
何が言いたいのかわからなくて聞いたけれど、ミントもノースも具体的には答えてくれなかった。
けれど、2日後の新聞を見て、二人の言っていた意味がわかった。
ヘーベル家に落雷が何度も落ち、そのせいなのか屋敷に火が付き、消火活動をしたが、なぜか火がおさまらず、ヘーベル家は全焼したと一面に載っていた。
奇跡的にも犠牲者はゼロ。
落雷が落ちた理由もわからない。
ヘーベル公爵は大魔道士の仕業だと訴えているという。
なぜなら、その数時間前、南から北へ三大魔道士が同時に入国したとの情報があったからだ。
私が考えたチープなシナリオとしては、ありえない話かもしれないけど、追っ手に追われて逃げた私は、追っ手はまけたものの、階段から落ちて、意識を失い、記憶喪失になったという設定。
もし、ヘーベル家以外の誰かに見つかった場合は、レティアという名前ではなく、ティリーという名前で呼ぶという事にした。
お世話になる家は、街から少しだけ離れた場所にあり、近くに家はあまりない。
その家には、ティリーという私と年齢の変わらない、病気で寝たきりの女の子がいて、その子は、5歳くらいの頃から家を出た事がないから、周りの人は顔も知らないらしい。
もし、何かのきっかけで見られる事があったとしても、私はティリーのフリをすればいいわけ。
家の外には出ないつもりだけど、もし、見られた場合でも言い訳する事が出来る。
まあ、何にしても、ヘーベル公爵家に見つかったとわかった時点で逃げるだけだ。
バレた場合、家を提供してくれる人達も、倒れていた私を拾ったと嘘をつけばいいだけの話だし、私が逃げた後に、その家族が危険な目に合わない様に、その時は、北に潜入している魔道士の人が家族を助けてくれるそうだ。
もっと簡単な方法があるかもしれないけれど、どうしても南側に悪い状況に持っていきたくないから、できるだけ、レイブン達とは無関係にしたかった。
結婚してしまえば、ヘーベル家から籍はぬけるし、レティア・ニーソンとして、私の通行証を申請して、正式に南に移動する。
それまでの辛抱だ。
「レティア様、荷物はここに置いておきますね」
「ありがとう!」
アメリアと私は同じ部屋で、ベッドを並べて寝る事になった。
彼女はここにいる事を他の人に見られたらいけないので、
余計に大変だ。
といっても、見られる事はないと思うけれど…。
新しい生活が始まるけれど、一緒に住んでくれる人達も良さそうな人だし、何より、ティリーの病気をレイブンが回復魔法で治した為、家族揃ってレイブンに感謝しているから、私の情報を売るとかいう事はないと思われる。
あまり、深く考えすぎてもストレスになるだけだし、ヘーベル家の動向には気を付けつつ、今までよりも少しだけ自由になった暮らしを楽しむ事にした。
たくさんの人に迷惑をかけているけれど、それくらいは許されるわよね?
それに、少しでも早く私の身を自由にする為に、シブン様達は、私の家族を探してくれると言ってくれた。
役所には記録がまだ残っているはずだから、もし、両親が生きていたら、不正があって、私が養女にされた事、何より、私を拉致した事を証言してもらえるはず。
証言してもらえるからとかじゃなくて、生きてくれていたら、それだけで嬉しいし、会えたら、もっと嬉しい。
幸せな未来を思い浮かべていた私だったけれど、現実は、そう上手くはいかなかった。
約三十日後、新しい生活にも慣れて、仮の家族や、本物のティリーとも仲良くなった。
ティリーは元気にはなったけれど、何十年も寝込んでいた為、やせ細っていて、歩く事も中々出来ず、家の中でリハビリを頑張っており、そんな彼女が、せめて家の中だけでも歩ける手伝いをするという、穏やかな生活を送っていた、そんなある日の事。
アメリアの元に知らせが届いた。
「南の地に、王家から派遣された、レティア様の捜索隊が入ったとの事です。ニーソン家には、ヘーベル家が雇った魔道士が見張っている様ですので自由に動けないみたいです。私の姿が見えないと怪しまれる可能性がありますので、私は一度、南に戻ります。ノース、私の代わりが来るまで、レティア様を頼んだわよ」
「りょーかい」
この頃にはノースもこの家で護衛をアメリアと交代でしてくれていて、私達と同じ様に仮の家族に馴染んでいた。
「アメリア、大丈夫だと思うけれど気を付けて。向こうの雇った魔道士が、どんな手を使ってくるかわからないから」
「ありがとうございます、気を付けて行ってきます。レティア様も何かありましたら、ノースを盾にして自分を守って下さいね」
「私には加護のキスもネックレスもあるから大丈夫」
「そうでしたね、失礼しました」
アメリアは笑って、家の裏口から外へ出ると、近くに人がいない事を魔法で確認してから姿を消した。
「どうしても、ヘーベル家はニーソン家を潰したいみたいだな」
「そうみたいね。でも、南にいないとわかったら、きっと北にも調べが入るでしょうね…」
ノースと一緒にアメリアを見送ってから、家の中に入り、会話を続ける。
「そうだな」
「いつか、ここも突き止められてしまうのでしょうね」
「そうなる前に、こことはオサラバしないとな」
「ねえ、ノース」
「ん?」
「やっぱり、私はヘーベル家に戻った方がいいのかしら」
私の問いかけに、ノースが苛立った口調で聞き返してくる。
「どうして、そうなるんだよ!?」
「だって、そうすれば、誰にも迷惑はかからないでしょう?」
「レティアの居場所は、あの家じゃないだろ。本当の居場所は、本当の家族の元か、レイブンの隣だろ?」
「……そうね。戻っても、あの家には私の居場所はないし、ない方がいいわ。それに、考えたら、あの家にはフォーウッド様がいる。帰ったら、何をされるかわからないものね」
私にハンカチを差し出してきた時のフォーウッド様を思い出すと、気持ちが悪くて、今でも不快な気分になる。
「そうだよ。それに、レティアがあの家に戻っても、何も解決しないと思うぞ」
「私を探すという手間が省けるし、ニーソン家にも迷惑にならないわ」
「レティアがそんな事を気にして、ヘーベル家に帰るって言う方が、レイブン達は嫌がるだろうけどな」
「甘えてしまっていいのかしら」
「甘えとけ甘えとけ。小さい頃に親に甘えられなかった分、レイブン達には甘えときゃいいんだよ。もちろん、俺やアメリアにもな」
ノースがニッと笑って、ちょうどたどり着いた私の部屋の扉を開けてくれた。
「部屋の外にいるから、何かあったら言ってくれ」
「わかったわ。ありがとう、ノース」
「どういたしまして」
ノースと話をしていた時は、自分の事しか考えられていなかったけれど、私にはもっと、考えないといけない事がある事を忘れていた。
数時間後、ノースの焦った声が廊下から聞こえてきた。
女性の声もしたけれど、アメリアの声ではなかったので、代わりの人かもしれないと思って、扉に近付いたけれど、会話の内容が聞こえて、私は扉を開けるのを止めた。
「アメリアは無事か?」
「シブン様が回復魔法をかけてくださったから、命に別条はないわ。それに、助けを求める声に気が付いた、レイブン様が、騎士達を半殺しにして、今、留置所の檻に閉じ込めてる」
「とどめをさしにいってくる」
「駄目よ、ノース。あなたはレティア様の護衛なの。気持ちはわかるけれど」
「ノース、私を転移魔法で、アメリアの所へ連れて行ってくれない?」
扉を開けて、私がお願いすると、アメリアの代わりの女性の魔道士、ミントは驚いた顔をした。
彼女とも何度も話をした事があるし、護衛をしてくれるのは有り難い。
だけど、今は、アメリアがどうしているのか知りたかった。
「レティア様、アメリアなら無事です」
「一体、何があったの?」
「……」
ミントは困った様な顔で、ノースを見た。
「ミントが答えられないなら、ノースが答えて!」
「……はっきりとした事はわからないが、報復だろう」
「…報復?」
「以前、ヘーベル家の騎士をアメリアがボコった事がある。それの報復だろうって」
詳しい話を聞いてみると、アメリアに倒された仲間の騎士が、近くを通りかかった親子連れを人質にとって、無抵抗のアメリアに暴力をふるったらしい。
その際、魔力封じの鎖で手足を拘束されてしまったので、アメリアは魔法も使えなかった。
すぐに、シブン様とレイブンが、アメリアの魔力の異変に気が付いて駆け付けて、シブン様の回復魔法のおかげで命に別条はないらしいけれど、アメリアは頭を蹴られた時に気絶したらしく、意識を失ったままの状態の様だった。
「回復魔法で治ったんだから、意識は戻るのよね?」
「それは大丈夫です。後は、シブン様達にお任せ下さい」
私よりもだいぶ年上で、小さな子供もいるミントが優しく、言い聞かせる様に私に言う。
「騎士達が自分達で考えた事にしては、魔法を封じる鎖など、騎士の給料では到底買えない、高価な物を持っている時点で、誰が指示をしたかはわかります。何より、捕まえた騎士達から、シブン様達が吐かせるでしょう」
「どういう事?」
「すぐにわかるよ。それに俺も絶対に許さねぇ」
何が言いたいのかわからなくて聞いたけれど、ミントもノースも具体的には答えてくれなかった。
けれど、2日後の新聞を見て、二人の言っていた意味がわかった。
ヘーベル家に落雷が何度も落ち、そのせいなのか屋敷に火が付き、消火活動をしたが、なぜか火がおさまらず、ヘーベル家は全焼したと一面に載っていた。
奇跡的にも犠牲者はゼロ。
落雷が落ちた理由もわからない。
ヘーベル公爵は大魔道士の仕業だと訴えているという。
なぜなら、その数時間前、南から北へ三大魔道士が同時に入国したとの情報があったからだ。
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