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エピローグ
陛下はシラージェの願い通り助からなかった。
けれど、天国で式を挙げるいう事はかなわなかった。
なぜなら、シラージェが死のうとしたところを兵士達が止めたからだ。
目の前で人が死のうとしていたら、それが悪人であろうとも止めるのが人だと思うのだけれど、シラージェは兵士達に罵声を浴びせたらしかった。
そのため、亡き国王陛下の正妃としてシラージェを扱うようにするというと大人しくなったのだそう。
結局、シラージェは陛下を愛していたのか、それとも正妃になりたかっただけなのか、今となってはもうわからない。
きっと、彼女の心は陛下に見捨てられた時に壊れてしまっているだろうから。
レストワの城を攻めたのはアーク様の国のゲルドア国を含む連合軍で、陛下の死亡により抵抗する人間もおらず、ほとんど血は流れずに済み、現在は新たな国王を誰にするか連合国の間で協議している。
無事に保護された私は、それから約30日後、ゲルドア国のアーク様が用意してくれた屋敷で家族と一緒に平穏な日々を過ごしていた。
もちろん、無料で用意してくれたわけではなく、お父様は伯爵位をもらって城で内勤の仕事をしているし、お兄様も王家騎士団に入団した。
ルークスはアーク陛下の側近の1人に抜擢され、毎日忙しくしている様だけれど、今日はお休みがもらえたらしく、私の家に来てくれていた。
「体調はどうだ?」
「大丈夫よ。ルークスは仕事の方はどう?」
「覚えないといけない事は多いけど、やりがいがあるよ。陛下も口は悪いし厳しいけど、王妃陛下には頭が上がらないから、何かあったら王妃陛下に助けてもらえるし」
バルコニーに置かれている白色のベンチに座り、お茶を飲みながら話をしていると、ルークスが突然、話題を変えた。
「リゼに言いたい事があるんだ」
「どうしたの?」
「僕達の婚約は解消されただろ?」
「…無理やりだけれど…、そうね…」
そうだった。
私はルークスの婚約者気分でいたけれど、もう私達の婚約は解消されているのだった。
もしかして、ルークスに新しい婚約者か恋人が出来たとかかしら?
不安な思いで、ルークスの言葉を待つ。
すると、彼は言った。
「父上にもリゼのお父上にも相談して、リゼが良いならって言われてるんだ」
そう言うと、ルークスは立ち上がり、私の前で跪くと、白手袋をしたままの手を差し出した。
「リゼア嬢、私の婚約者になっていただけないでしょうか」
ルークスが私の目を見つめて言った。
嬉しくて涙が出そうになるのを何とかこらえて、微笑んで何度も首を縦に振る。
「もちろん…、もちろんです!」
そう言って、私はルークスの手を取るのではなく、跪いている彼の体に抱きついた。
ルークスは体勢を崩して尻もちをついたけれど、笑いながら受け止めてくれ抱きしめてくれた。
「リゼはやっぱりお子様だな」
「ルークスの傍にいられるなら子供でいいわ!」
私とルークスの笑い声がバルコニーから一望できる中庭に響き渡った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
そして、本作の完結と共に新作を投稿しております。
「幸せに暮らしてますので放っておいてください!」
というタイトルになります。
ご興味ありましたら、読んでいただけますと嬉しいです。
お気に入り登録、しおり、エールなど本当に励みになりました。
ありがとうございました。
けれど、天国で式を挙げるいう事はかなわなかった。
なぜなら、シラージェが死のうとしたところを兵士達が止めたからだ。
目の前で人が死のうとしていたら、それが悪人であろうとも止めるのが人だと思うのだけれど、シラージェは兵士達に罵声を浴びせたらしかった。
そのため、亡き国王陛下の正妃としてシラージェを扱うようにするというと大人しくなったのだそう。
結局、シラージェは陛下を愛していたのか、それとも正妃になりたかっただけなのか、今となってはもうわからない。
きっと、彼女の心は陛下に見捨てられた時に壊れてしまっているだろうから。
レストワの城を攻めたのはアーク様の国のゲルドア国を含む連合軍で、陛下の死亡により抵抗する人間もおらず、ほとんど血は流れずに済み、現在は新たな国王を誰にするか連合国の間で協議している。
無事に保護された私は、それから約30日後、ゲルドア国のアーク様が用意してくれた屋敷で家族と一緒に平穏な日々を過ごしていた。
もちろん、無料で用意してくれたわけではなく、お父様は伯爵位をもらって城で内勤の仕事をしているし、お兄様も王家騎士団に入団した。
ルークスはアーク陛下の側近の1人に抜擢され、毎日忙しくしている様だけれど、今日はお休みがもらえたらしく、私の家に来てくれていた。
「体調はどうだ?」
「大丈夫よ。ルークスは仕事の方はどう?」
「覚えないといけない事は多いけど、やりがいがあるよ。陛下も口は悪いし厳しいけど、王妃陛下には頭が上がらないから、何かあったら王妃陛下に助けてもらえるし」
バルコニーに置かれている白色のベンチに座り、お茶を飲みながら話をしていると、ルークスが突然、話題を変えた。
「リゼに言いたい事があるんだ」
「どうしたの?」
「僕達の婚約は解消されただろ?」
「…無理やりだけれど…、そうね…」
そうだった。
私はルークスの婚約者気分でいたけれど、もう私達の婚約は解消されているのだった。
もしかして、ルークスに新しい婚約者か恋人が出来たとかかしら?
不安な思いで、ルークスの言葉を待つ。
すると、彼は言った。
「父上にもリゼのお父上にも相談して、リゼが良いならって言われてるんだ」
そう言うと、ルークスは立ち上がり、私の前で跪くと、白手袋をしたままの手を差し出した。
「リゼア嬢、私の婚約者になっていただけないでしょうか」
ルークスが私の目を見つめて言った。
嬉しくて涙が出そうになるのを何とかこらえて、微笑んで何度も首を縦に振る。
「もちろん…、もちろんです!」
そう言って、私はルークスの手を取るのではなく、跪いている彼の体に抱きついた。
ルークスは体勢を崩して尻もちをついたけれど、笑いながら受け止めてくれ抱きしめてくれた。
「リゼはやっぱりお子様だな」
「ルークスの傍にいられるなら子供でいいわ!」
私とルークスの笑い声がバルコニーから一望できる中庭に響き渡った。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
そして、本作の完結と共に新作を投稿しております。
「幸せに暮らしてますので放っておいてください!」
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