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16 決戦間近(途中から視点変更あり)
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セルロッテ様からはすぐに返事が届き、この日に都合をつけることと、オズックを信じて何も話さないと約束してくれた。
自分のことで嘘をつくことは嫌う人のようだから、そこは信じることにする。
セルロッテ様にだって公爵夫人としての誇りはあるはずだから。
そうでないと、今までの権威を保てていないはずだ。
念の為にそのことを匂わせて書いておいたからか、秘密を漏らさないという誓約書まで送られてきた。
わたしがここまで動いている以上、覚悟を決められた様子だった。
だからか、自分一人ではなく数人で向かうと書かれてあった。
そして、これが誤解だった場合、わたしにはそれ相応の責任を取ってもらうとも書かれていた。
オズックがシャーロット様とデートすることは、他の人にも確認が取れている。
そして、万が一の保険として、あの人たちを呼ぶことにした。
わたしは、静かにその日がやって来るのを待った。
◇◆◇◆◇◆
(オズック視点)
国境警備隊の事務員として働くことになったという、シャルロットはオレのかなりの好みのタイプだった。
痩せすぎているところは気になるが、顔は美人だし、身に付けているものも高価なものばかりで所作も申し分ない。
母親は亡くなり父親と暮らしていて、一人娘らしいから父親が亡くなれば、実質、財産は全てオレのものになる。
シャルロットはオレにお熱のようだし、頼めば金を渡してくれるだろうからな。
一つ残念なのが金持ちではあるが、貴族ではないということだ。
彼女が貴族ならば、婿にしてもらって呑気に暮らすのも良いかもしれなかったが、平民では両親が許してくれないだろう。
それに、アルミラの奴が何を言ってくるかわからない。
何だかんだと理由をつけて彼女に会わずにいたからか、サプライズだと言って押しかけてきたアルミラはまるで別人のようになっていた。
大人っぽくなっていたし、容姿もオレに会うためにお洒落をしたのか、まあまあ可愛かった。
シャルロットとアルミラを天秤にかけると、まだアルミラに傾く。
だけど、アルミラのことは諦めないといけない可能性が出てきた。
彼女はオレとの婚約を破棄しようとしている。
だから、シャルロットは万が一の時のためにキープしておかなければならない。
アルミラを逃したことがわかれば、両親は怒るだろうし、兄上には心配をかけてしまう。
そうなった時に、オレにはちゃんと金蔓がいるとわかれば、少しは家族も安心するだろう。
アルミラを逃してしまった場合は、シャルロットの家のことを聞き出して、調査会社に頼み、彼女が嘘をついてないか確認してもらう。
嘘をついておらず金持ちだと分かれば、オレはシャルロットの家の財産で暮らすんだ。
色々と考えたが、まあ、あと2年ある。
その間にアルミラの機嫌も直るだろう。
それまではシャルロットと仲良く過ごすことにするか。
「ねえ、オズック! 次のデートはいつにするの?」
仕事時間中だというのに周りに人がいないからか、ファニがオレのデスクまでやって来て小声で聞いてきた。
「お前のせいでオレは色々と忙しくなったんだよ。だから当分、お前と会うことはできない」
「嫌よ! あなた、もしかして私を捨てようとしてるんじゃないでしょうね」
ファニが唇を震わせてオレを睨みつけてきた。
「別にそういうわけじゃない」
「じゃあ、今すぐデートの日にちを決めて!」
大声を上げたため、周りの視線がオレたちに集まった。
ここ最近のファニはオレとアルミラの婚約が無しになる可能性が高いということで、オレたちの仲を隠すことはなくなった。
まだ、アルミラと婚約中だからやめてくれと言っても無駄だった。
彼女は婚約者から結婚を迫られているらしい。
だから、その男と別れるからオレと結婚してくれと言ってきている。
平民落ちするぞと言っても、アルミラに泣き付けば助けてくれるだなんてことを言う。
今までのアルミラならそうだったろうが、ここ最近のアルミラはどう判断するかわからない。
ファニが邪魔で仕方がなかった。
シャルロットのデートが成功したら、ファニを上手く切り捨てる方法を考えよう。
そう思ったあと、彼女を宥めるためにオレは椅子から立ち上がった。
自分のことで嘘をつくことは嫌う人のようだから、そこは信じることにする。
セルロッテ様にだって公爵夫人としての誇りはあるはずだから。
そうでないと、今までの権威を保てていないはずだ。
念の為にそのことを匂わせて書いておいたからか、秘密を漏らさないという誓約書まで送られてきた。
わたしがここまで動いている以上、覚悟を決められた様子だった。
だからか、自分一人ではなく数人で向かうと書かれてあった。
そして、これが誤解だった場合、わたしにはそれ相応の責任を取ってもらうとも書かれていた。
オズックがシャーロット様とデートすることは、他の人にも確認が取れている。
そして、万が一の保険として、あの人たちを呼ぶことにした。
わたしは、静かにその日がやって来るのを待った。
◇◆◇◆◇◆
(オズック視点)
国境警備隊の事務員として働くことになったという、シャルロットはオレのかなりの好みのタイプだった。
痩せすぎているところは気になるが、顔は美人だし、身に付けているものも高価なものばかりで所作も申し分ない。
母親は亡くなり父親と暮らしていて、一人娘らしいから父親が亡くなれば、実質、財産は全てオレのものになる。
シャルロットはオレにお熱のようだし、頼めば金を渡してくれるだろうからな。
一つ残念なのが金持ちではあるが、貴族ではないということだ。
彼女が貴族ならば、婿にしてもらって呑気に暮らすのも良いかもしれなかったが、平民では両親が許してくれないだろう。
それに、アルミラの奴が何を言ってくるかわからない。
何だかんだと理由をつけて彼女に会わずにいたからか、サプライズだと言って押しかけてきたアルミラはまるで別人のようになっていた。
大人っぽくなっていたし、容姿もオレに会うためにお洒落をしたのか、まあまあ可愛かった。
シャルロットとアルミラを天秤にかけると、まだアルミラに傾く。
だけど、アルミラのことは諦めないといけない可能性が出てきた。
彼女はオレとの婚約を破棄しようとしている。
だから、シャルロットは万が一の時のためにキープしておかなければならない。
アルミラを逃したことがわかれば、両親は怒るだろうし、兄上には心配をかけてしまう。
そうなった時に、オレにはちゃんと金蔓がいるとわかれば、少しは家族も安心するだろう。
アルミラを逃してしまった場合は、シャルロットの家のことを聞き出して、調査会社に頼み、彼女が嘘をついてないか確認してもらう。
嘘をついておらず金持ちだと分かれば、オレはシャルロットの家の財産で暮らすんだ。
色々と考えたが、まあ、あと2年ある。
その間にアルミラの機嫌も直るだろう。
それまではシャルロットと仲良く過ごすことにするか。
「ねえ、オズック! 次のデートはいつにするの?」
仕事時間中だというのに周りに人がいないからか、ファニがオレのデスクまでやって来て小声で聞いてきた。
「お前のせいでオレは色々と忙しくなったんだよ。だから当分、お前と会うことはできない」
「嫌よ! あなた、もしかして私を捨てようとしてるんじゃないでしょうね」
ファニが唇を震わせてオレを睨みつけてきた。
「別にそういうわけじゃない」
「じゃあ、今すぐデートの日にちを決めて!」
大声を上げたため、周りの視線がオレたちに集まった。
ここ最近のファニはオレとアルミラの婚約が無しになる可能性が高いということで、オレたちの仲を隠すことはなくなった。
まだ、アルミラと婚約中だからやめてくれと言っても無駄だった。
彼女は婚約者から結婚を迫られているらしい。
だから、その男と別れるからオレと結婚してくれと言ってきている。
平民落ちするぞと言っても、アルミラに泣き付けば助けてくれるだなんてことを言う。
今までのアルミラならそうだったろうが、ここ最近のアルミラはどう判断するかわからない。
ファニが邪魔で仕方がなかった。
シャルロットのデートが成功したら、ファニを上手く切り捨てる方法を考えよう。
そう思ったあと、彼女を宥めるためにオレは椅子から立ち上がった。
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