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24 レイドック侯爵家の応接室での話④
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事実を知ったファニは、すぐには言葉の意味が理解できないようだった。
「レッドが伯爵ですって?」
「そうだよ。でも、もう君には関係ないことだ」
「待って!」
レッド様が婚約破棄の書類を近くにいた執事に渡そうとすると、ファニが叫ぶ。
「オズックのことは諦めるわ! だから、婚約の破棄は無効にしてちょうだい! ちゃんと反省するから!」
「そんなことを認めるわけがないだろう!」
レッド様は声を荒らげると立ち上がった。
「ファニ、君は反省する気なんてないだろう! もう話は終わりだ。僕は慰謝料は求めない。あとはアルミラ様たちと話をしてくれ」
「待ってレッド!」
「待ちなさい、ファニ」
必死に追いすがろうとしたファニの腕を掴み、ブァーカルド子爵は彼女を無理やり椅子に座らせる。
「どうして止めるんですか、お父様!」
「まだアルミラ様との話は終わっていないだろう」
立ち止まっていたラギル家の人たちに、子爵は改めて連絡をすることを伝えると、ラギル家の人たちは部屋から出て行った。
「ああ、最悪だわ。どうしてそんな大事なことをもっと早くに言ってくれないのよ」
テーブルに両肘をついて頭を抱えるファニに話しかける。
「ファニ、あなたは爵位がある相手なら誰でも良いの?」
ファニは頭に当てていた手を離し、わたしを睨みつける。
「そういうわけじゃないわ! 最初はオズックに惹かれてしまったけれど、やっぱりレッドが良いと思ったのよ」
「やっぱり良いと思ったのはいつなの? レッド様が伯爵の爵位を継ぐとわかった今でしょう」
「そんなこと、アルミラに話す必要はないでしょう」
「そうね。余計なことを聞いてしまってごめんなさいね」
「ああ! 私ったら本当に馬鹿だわ!」
ファニは机に突っ伏して泣き始めた。
ファニとはもうお別れだもの。
いつまでもかまってあげる必要はないわ。
そう思っていると、お父様がわたしに話しかけてくる。
「慰謝料については私が話すことにするから、アルミラはもう部屋から出なさい」
「お願いいたします」
立ち上がると、ファニがわたしに話しかけてくる。
「婚約破棄した女性と婚約したがる男性なんていないわよ。あなたはもう行き遅れ決定ね」
「それを言ったら婚約破棄されたあなたのほうが大変でしょう。素敵な人が見つかると良いわね」
笑顔でそう言って、わたしは応接室を出た。
ファニはこれから、オズックの所に向かうのかもしれない。
そこで現実を知れば良いと思う。
オズックとファニの二人には見張りをつけるから、これからも動きはわかる。
ファニが来た時のオズックはどんな反応をするのかしら。
きっと、彼のことだもの。
ファニを受け付けないでしょうし、行き場のないファニは彼に付きまとうでしょう。
ずる賢いほうが勝つでしょうから、勝敗は決まっているわね。
そして、反省しなければ、きっと二人はまたわたしの前に現れる。
その時は、今度こそ切り捨てるつもりだ。
それよりも今は他に考えなければいけないことがあった。
今、一番頭を悩ませているのはアフック様のことだ。
アフック様はオズック様の責任を取りたいからと、わたしが望むならアフック様が新しい婚約者になるだなんて馬鹿なことを言い始めた。
目的が見え見えだから、わたしが絶対に引っかかることはない。
兄弟揃って、わたしをあまりにも馬鹿にしすぎだわ。
引っかかったふりをしてあげようかとも思ったけれど、やっぱり嫌だった。
今は、彼に婚約者がいるからということと、自分を裏切った男性の兄に責任を取ってもらいたくないと答えている。
でも、アフック様は諦めない。
わたしが彼に落ちると思っている。
それにしても、彼は自分の婚約者をどうするつもりなのかしら。
わたしはわたしで先を読んでアフック様の思い通りにならないようにしなければならない。
あることを思いついたわたしは、シャーロット様に手紙を書くことにしたのだった。
「レッドが伯爵ですって?」
「そうだよ。でも、もう君には関係ないことだ」
「待って!」
レッド様が婚約破棄の書類を近くにいた執事に渡そうとすると、ファニが叫ぶ。
「オズックのことは諦めるわ! だから、婚約の破棄は無効にしてちょうだい! ちゃんと反省するから!」
「そんなことを認めるわけがないだろう!」
レッド様は声を荒らげると立ち上がった。
「ファニ、君は反省する気なんてないだろう! もう話は終わりだ。僕は慰謝料は求めない。あとはアルミラ様たちと話をしてくれ」
「待ってレッド!」
「待ちなさい、ファニ」
必死に追いすがろうとしたファニの腕を掴み、ブァーカルド子爵は彼女を無理やり椅子に座らせる。
「どうして止めるんですか、お父様!」
「まだアルミラ様との話は終わっていないだろう」
立ち止まっていたラギル家の人たちに、子爵は改めて連絡をすることを伝えると、ラギル家の人たちは部屋から出て行った。
「ああ、最悪だわ。どうしてそんな大事なことをもっと早くに言ってくれないのよ」
テーブルに両肘をついて頭を抱えるファニに話しかける。
「ファニ、あなたは爵位がある相手なら誰でも良いの?」
ファニは頭に当てていた手を離し、わたしを睨みつける。
「そういうわけじゃないわ! 最初はオズックに惹かれてしまったけれど、やっぱりレッドが良いと思ったのよ」
「やっぱり良いと思ったのはいつなの? レッド様が伯爵の爵位を継ぐとわかった今でしょう」
「そんなこと、アルミラに話す必要はないでしょう」
「そうね。余計なことを聞いてしまってごめんなさいね」
「ああ! 私ったら本当に馬鹿だわ!」
ファニは机に突っ伏して泣き始めた。
ファニとはもうお別れだもの。
いつまでもかまってあげる必要はないわ。
そう思っていると、お父様がわたしに話しかけてくる。
「慰謝料については私が話すことにするから、アルミラはもう部屋から出なさい」
「お願いいたします」
立ち上がると、ファニがわたしに話しかけてくる。
「婚約破棄した女性と婚約したがる男性なんていないわよ。あなたはもう行き遅れ決定ね」
「それを言ったら婚約破棄されたあなたのほうが大変でしょう。素敵な人が見つかると良いわね」
笑顔でそう言って、わたしは応接室を出た。
ファニはこれから、オズックの所に向かうのかもしれない。
そこで現実を知れば良いと思う。
オズックとファニの二人には見張りをつけるから、これからも動きはわかる。
ファニが来た時のオズックはどんな反応をするのかしら。
きっと、彼のことだもの。
ファニを受け付けないでしょうし、行き場のないファニは彼に付きまとうでしょう。
ずる賢いほうが勝つでしょうから、勝敗は決まっているわね。
そして、反省しなければ、きっと二人はまたわたしの前に現れる。
その時は、今度こそ切り捨てるつもりだ。
それよりも今は他に考えなければいけないことがあった。
今、一番頭を悩ませているのはアフック様のことだ。
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目的が見え見えだから、わたしが絶対に引っかかることはない。
兄弟揃って、わたしをあまりにも馬鹿にしすぎだわ。
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でも、アフック様は諦めない。
わたしが彼に落ちると思っている。
それにしても、彼は自分の婚約者をどうするつもりなのかしら。
わたしはわたしで先を読んでアフック様の思い通りにならないようにしなければならない。
あることを思いついたわたしは、シャーロット様に手紙を書くことにしたのだった。
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