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21 変わる気のある人とそうでない人②〜トワナ視点〜
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デイリとの婚約は簡単に解消できると思っていた。
私の言うことを何でも聞くように教育したはずなのに、デイリは生意気にも私との婚約の解消を嫌がった。
しかも、今までは深く首を突っ込んでこなかった侯爵までもが反対してきたのは予想外だった。
どうしても私と婚約を解消したくなくて、デイリが父親を巻き込んだのかもしれない。
このままでは、リネとエディ様の婚約が進んでいってしまう。
そんなのは駄目よ。
あんなに鬱陶しい女が公爵夫人になるだなんてあり得ない。
いいえ。
どうせ公爵夫人なんてマスコットのようなものだもの。
楽をさせてやるつもりはないわ。
それに私の相手よりも良い男と結婚するだなんて許さない。
私はリネよりも幸せになるべき女性なのよ。
今、私はデイリの部屋にいて、今日こそはデイリに婚約を解消してもらおうと意気込んでいた。
けれど、彼は私の思い通りにはならない。
三人掛けの黒のソファーに間隔を空けて座ったのにも関わらず、距離を詰めて私の肩を抱き寄せてきた。
「トワナ、考え直してほしい。僕と幸せになろう?」
「無理だわ。だってあなた、学校を退学処分になったのでしょう? そんな人と結婚なんて出来ないわ」
泣き落としが無理なら、正論で攻めてみることにした。
「大丈夫だよ。新たな学園に行くことになったから」
そう言って、デイリは自慢げに学校名を教えてくれた。
でも、今まで行っていた学校よりもレベルが下だった。
リネが通っている学園よりもレベルが下だなんてありえない。
「嫌よ。私と結婚したいなら、もっとレベルが上のところに行ってちょうだい。元々、今まで通っていた学園だってレベルが上というわけではないんだから」
「でも、ニーソン公爵令息も通ってるじゃないか」
「……そう言われればそうね」
中の上とはいえ、公爵家が通うレベルにしては低すぎる。
何か目的があったのかしら。
これも調べてみないといけないわ
「とにかく、学力レベルが上の学校に通ってちょうだい。そうじゃないと婚約は解消すると約束して」
「……わかった。頑張るよ。その代わり入学できれば僕と結婚してくれるんだよね?」
「考えておくわ」
「駄目だ。約束してくれ。それに、どうしてそんなに態度が変わってしまったのかも教えてほしい」
デイリは私を逃さないと言わんばかりに抱きしめてきた。
粘着質な男を捕まえてしまったわ。
こんな男、リネに戻してやらないと。
「わかったわ。約束する。それから、別に態度を変えてなんかいないわ」
首を横に振ると、デイリは私を見つめて話しかけてくる。
「トワナ」
「何かしら?」
「僕はリネに悪いことをしてしまったのか? リネは遊びだとわかってくれるって君が言ったんだよな?」
「そうね。そうだったけれど、思ったよりも弱い子だったのかも。もしくは、ニーソン公爵家の人に許すなと言われているのかもね」
まさか、こんなことになるだなんて思っていなかった。
あの子がショックで死を選べば、私は妹を亡くした悲劇のヒロインになれるはずだったのに。
そして、妹にそんなことをしたデイリとの婚約も解消出来るはずだった。
私の計画を崩すなんて許せない。
どうせ、デイリはレベルが上の学校に通えるはずがない。
編入試験は特に難しいと聞くもの。
そう思っていた私だったけど甘かった。
デイリはコネを使ったのか、リネたちが通っている学校よりも学力レベルが上の学校に入学することになったのだった。
私の言うことを何でも聞くように教育したはずなのに、デイリは生意気にも私との婚約の解消を嫌がった。
しかも、今までは深く首を突っ込んでこなかった侯爵までもが反対してきたのは予想外だった。
どうしても私と婚約を解消したくなくて、デイリが父親を巻き込んだのかもしれない。
このままでは、リネとエディ様の婚約が進んでいってしまう。
そんなのは駄目よ。
あんなに鬱陶しい女が公爵夫人になるだなんてあり得ない。
いいえ。
どうせ公爵夫人なんてマスコットのようなものだもの。
楽をさせてやるつもりはないわ。
それに私の相手よりも良い男と結婚するだなんて許さない。
私はリネよりも幸せになるべき女性なのよ。
今、私はデイリの部屋にいて、今日こそはデイリに婚約を解消してもらおうと意気込んでいた。
けれど、彼は私の思い通りにはならない。
三人掛けの黒のソファーに間隔を空けて座ったのにも関わらず、距離を詰めて私の肩を抱き寄せてきた。
「トワナ、考え直してほしい。僕と幸せになろう?」
「無理だわ。だってあなた、学校を退学処分になったのでしょう? そんな人と結婚なんて出来ないわ」
泣き落としが無理なら、正論で攻めてみることにした。
「大丈夫だよ。新たな学園に行くことになったから」
そう言って、デイリは自慢げに学校名を教えてくれた。
でも、今まで行っていた学校よりもレベルが下だった。
リネが通っている学園よりもレベルが下だなんてありえない。
「嫌よ。私と結婚したいなら、もっとレベルが上のところに行ってちょうだい。元々、今まで通っていた学園だってレベルが上というわけではないんだから」
「でも、ニーソン公爵令息も通ってるじゃないか」
「……そう言われればそうね」
中の上とはいえ、公爵家が通うレベルにしては低すぎる。
何か目的があったのかしら。
これも調べてみないといけないわ
「とにかく、学力レベルが上の学校に通ってちょうだい。そうじゃないと婚約は解消すると約束して」
「……わかった。頑張るよ。その代わり入学できれば僕と結婚してくれるんだよね?」
「考えておくわ」
「駄目だ。約束してくれ。それに、どうしてそんなに態度が変わってしまったのかも教えてほしい」
デイリは私を逃さないと言わんばかりに抱きしめてきた。
粘着質な男を捕まえてしまったわ。
こんな男、リネに戻してやらないと。
「わかったわ。約束する。それから、別に態度を変えてなんかいないわ」
首を横に振ると、デイリは私を見つめて話しかけてくる。
「トワナ」
「何かしら?」
「僕はリネに悪いことをしてしまったのか? リネは遊びだとわかってくれるって君が言ったんだよな?」
「そうね。そうだったけれど、思ったよりも弱い子だったのかも。もしくは、ニーソン公爵家の人に許すなと言われているのかもね」
まさか、こんなことになるだなんて思っていなかった。
あの子がショックで死を選べば、私は妹を亡くした悲劇のヒロインになれるはずだったのに。
そして、妹にそんなことをしたデイリとの婚約も解消出来るはずだった。
私の計画を崩すなんて許せない。
どうせ、デイリはレベルが上の学校に通えるはずがない。
編入試験は特に難しいと聞くもの。
そう思っていた私だったけど甘かった。
デイリはコネを使ったのか、リネたちが通っている学校よりも学力レベルが上の学校に入学することになったのだった。
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