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3 第5王子がやって来る
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次の日、タントスの父親であるミゲル伯爵が私の家まで謝罪と婚約破棄のお願いにやって来た。
婚約破棄に関しては、エッジホール公爵からの手紙を一緒に持参していて、書かれていた内容は、難癖をつける事なく素直に婚約破棄を受け入れる様にとの事だった。
エッジホール公爵は親バカで有名なので、娘は一切悪くない、婚約者を奪われる様な私が悪いとも書かれていた。
いやいや、婚約者のいる男に色目使うような女は駄目でしょ。
しかも、自分にも婚約者がいたっていうのに。
だから、私が悪いだなんて反省する気にはならない。
昨日の晩、転移魔法が付与された石である魔石を使って、パーティー会場を出た後に、すぐに家に帰った私は、お父様に事情を全て話していたので、婚約破棄はすんなりとすすんだ。
もちろん、慰謝料はもらうけれども。
だって、公爵令嬢と婚約するから、私と婚約破棄しろというんだもの。
しかも浮気の責任をとるために。
「結婚前に相手がクズだとわかって良かったな」
ミゲル伯爵が帰ったあと、お父様はそんな風に慰めてくれた。
「新しい婚約者を探すのは急がなくていいわ。この家はロックが継ぐのだから、あなたが嫁に行かなくても、ロックはあなたを追い出したりしないはずよ」
「そうだぞ。焦って変な奴をつかむ方が良くない。独身を貫いたっていいんだしな」
お母様とお兄様もそんな風に慰めてくれて、家族の優しさにより、裏切られてショックだった気持ちがだいぶ楽になった。
そんな気持ちに甘えたいところではあるけれど、かといって何もしない訳にはいかないので、新しい婚約者を探す事に決めた。
派手に婚約破棄をしてくれたおかげで、私がフリーになった噂はすぐに広まり、私の父が辺境伯という爵位としては上の方の身分のため、繋がりを持ちたがる伯爵家の子息達から、早速、婚約の申し込みがあった。
といっても適齢期を逃した、もしくはだいぶ年下の少年ばかり。
私が住むアグリタ国の貴族の結婚の適齢期は18歳から23歳。
結婚は16歳から出来るけれど、18歳まで学園に通っている人間が多いから、卒業後に結婚する人が多い。
婚約者も大体、15歳になるまでに決められている事が多い。
そして、私はもうすぐ19歳になる。
今から婚約者を探すとして、20歳になるまでに新しい人が見つかるかどうかもわからない。
かといって、タントスがビアンカに捨てられてフリーになったとしても、絶対によりを戻したくなんかない。
今から婚約者を探すのって、本当に大変…。
婚約破棄から3日後の朝、自室でテーブルの上に積まれた釣書の一つを見ながらため息を吐いていると、部屋の扉が叩かれた。
入室を許可すると、メイドが私に来客を告げられる。
「お約束のない方なのですが、ぜひ、お嬢様にお会いしたいと。今は、旦那様が応対されておられます」
「私に? しかも、お父様が約束もない人に会われるなんて、よっぽどね。どなたが来られたの?」
「それが…、第5王子のルーザー殿下なんです」
「ルーザー殿下!?」
驚いて聞き返す。
でも、王子なら、常識的なものは欠けているかもしれないけれど、なんの約束もなしに、我が家を訪れて、私に会いたいと言い出してもおかしくない。
なぜなら、相手は王子。
彼の方が身分が上なのだから。
「王子がお相手じゃ、会わないという選択肢はないわね。何より、殿下が何をしに来られたのか気になるし」
メイドにそう言うと、応接間に案内してくれた事を教えてくれたので、早速、向かう事にした。
応接間に向かいながら、彼の情報を頭の中で思い浮かべる。
ルーザー・クレミナル。
アグリタ国の第5王子。
年齢は私より1つ年上の20歳。
パーティーにはあまり出席されないから、何年か前に見たきりだけど、気な強そうに見えはしたが、整った顔立ちだった事は覚えている。
戦好きで女性嫌い、自分をトップとする傭兵部隊を持ち、冷酷な人間だと貴族の中では有名な人物だ。
そして、ビアンカの元婚約者でもある。
公爵家といえど、よく王家との婚約破棄を選択できたな、と驚きでもあるけれど、殿下が嫌がらなかったから、婚約破棄がスムーズにいったのかもしれない。
まあ、ビアンカは私に張り合ってきてはいたけれど、成績もあまり良くなかった。
だから、今回も婚約者の王子が彼女の好みじゃないのと、私から婚約者を奪いたかった、そんなくだらない理由なんだろうな。
自分達の世間体や王家からの印象が悪くなる事なんて何も考えていなさそう。
そんな事を考えている間に、応接間に着いたので、深呼吸してから扉をノックする。
すぐに返事が返ってきたので、扉を開けると、真正面に置かれてある一人がけのソファーに座っている人物が目に飛び込んできた。
私と同じ、日に焼けた小麦色の肌。
紺色の髪に同じ色の瞳。
ぱっちりとした大きな目のせいか、年齢より幼く見える。
座っていてもわかる、がっしりとした体躯で、組まれている足は長く、服で隠れていない手の甲には大きな傷があるのがわかった。
「ルーザー殿下、紹介いたします。話題にしていただいた、リアラでございます」
お父様が立ち上がり、私の横に立って紹介してくれたので、カーテシーをしてから名乗る。
「王子殿下にお会いできて光栄です。リアラ・フセラブルと申します」
「ルーザー・クレミナルだ。約束もなしにおしかけてしまいすまない」
「とんでもございません」
殿下がわざわざ立ち上がって侘びて下さるので、頭に疑問符が浮かぶ。
おかしい。
女性嫌いなのよね?
それなのに、嫌な態度ではないんだけど。
「リアラ、ルーザー殿下がお前と婚約をしたいんだそうだ」
お父様の言葉に、耳を疑って聞き返す。
「え?」
「驚くよな。もう一度言う。ルーザー殿下はお前と婚約したいんだそうだ」
「ええ!?」
気品などどこへやら。
私は大声を上げて聞き返した。
婚約破棄に関しては、エッジホール公爵からの手紙を一緒に持参していて、書かれていた内容は、難癖をつける事なく素直に婚約破棄を受け入れる様にとの事だった。
エッジホール公爵は親バカで有名なので、娘は一切悪くない、婚約者を奪われる様な私が悪いとも書かれていた。
いやいや、婚約者のいる男に色目使うような女は駄目でしょ。
しかも、自分にも婚約者がいたっていうのに。
だから、私が悪いだなんて反省する気にはならない。
昨日の晩、転移魔法が付与された石である魔石を使って、パーティー会場を出た後に、すぐに家に帰った私は、お父様に事情を全て話していたので、婚約破棄はすんなりとすすんだ。
もちろん、慰謝料はもらうけれども。
だって、公爵令嬢と婚約するから、私と婚約破棄しろというんだもの。
しかも浮気の責任をとるために。
「結婚前に相手がクズだとわかって良かったな」
ミゲル伯爵が帰ったあと、お父様はそんな風に慰めてくれた。
「新しい婚約者を探すのは急がなくていいわ。この家はロックが継ぐのだから、あなたが嫁に行かなくても、ロックはあなたを追い出したりしないはずよ」
「そうだぞ。焦って変な奴をつかむ方が良くない。独身を貫いたっていいんだしな」
お母様とお兄様もそんな風に慰めてくれて、家族の優しさにより、裏切られてショックだった気持ちがだいぶ楽になった。
そんな気持ちに甘えたいところではあるけれど、かといって何もしない訳にはいかないので、新しい婚約者を探す事に決めた。
派手に婚約破棄をしてくれたおかげで、私がフリーになった噂はすぐに広まり、私の父が辺境伯という爵位としては上の方の身分のため、繋がりを持ちたがる伯爵家の子息達から、早速、婚約の申し込みがあった。
といっても適齢期を逃した、もしくはだいぶ年下の少年ばかり。
私が住むアグリタ国の貴族の結婚の適齢期は18歳から23歳。
結婚は16歳から出来るけれど、18歳まで学園に通っている人間が多いから、卒業後に結婚する人が多い。
婚約者も大体、15歳になるまでに決められている事が多い。
そして、私はもうすぐ19歳になる。
今から婚約者を探すとして、20歳になるまでに新しい人が見つかるかどうかもわからない。
かといって、タントスがビアンカに捨てられてフリーになったとしても、絶対によりを戻したくなんかない。
今から婚約者を探すのって、本当に大変…。
婚約破棄から3日後の朝、自室でテーブルの上に積まれた釣書の一つを見ながらため息を吐いていると、部屋の扉が叩かれた。
入室を許可すると、メイドが私に来客を告げられる。
「お約束のない方なのですが、ぜひ、お嬢様にお会いしたいと。今は、旦那様が応対されておられます」
「私に? しかも、お父様が約束もない人に会われるなんて、よっぽどね。どなたが来られたの?」
「それが…、第5王子のルーザー殿下なんです」
「ルーザー殿下!?」
驚いて聞き返す。
でも、王子なら、常識的なものは欠けているかもしれないけれど、なんの約束もなしに、我が家を訪れて、私に会いたいと言い出してもおかしくない。
なぜなら、相手は王子。
彼の方が身分が上なのだから。
「王子がお相手じゃ、会わないという選択肢はないわね。何より、殿下が何をしに来られたのか気になるし」
メイドにそう言うと、応接間に案内してくれた事を教えてくれたので、早速、向かう事にした。
応接間に向かいながら、彼の情報を頭の中で思い浮かべる。
ルーザー・クレミナル。
アグリタ国の第5王子。
年齢は私より1つ年上の20歳。
パーティーにはあまり出席されないから、何年か前に見たきりだけど、気な強そうに見えはしたが、整った顔立ちだった事は覚えている。
戦好きで女性嫌い、自分をトップとする傭兵部隊を持ち、冷酷な人間だと貴族の中では有名な人物だ。
そして、ビアンカの元婚約者でもある。
公爵家といえど、よく王家との婚約破棄を選択できたな、と驚きでもあるけれど、殿下が嫌がらなかったから、婚約破棄がスムーズにいったのかもしれない。
まあ、ビアンカは私に張り合ってきてはいたけれど、成績もあまり良くなかった。
だから、今回も婚約者の王子が彼女の好みじゃないのと、私から婚約者を奪いたかった、そんなくだらない理由なんだろうな。
自分達の世間体や王家からの印象が悪くなる事なんて何も考えていなさそう。
そんな事を考えている間に、応接間に着いたので、深呼吸してから扉をノックする。
すぐに返事が返ってきたので、扉を開けると、真正面に置かれてある一人がけのソファーに座っている人物が目に飛び込んできた。
私と同じ、日に焼けた小麦色の肌。
紺色の髪に同じ色の瞳。
ぱっちりとした大きな目のせいか、年齢より幼く見える。
座っていてもわかる、がっしりとした体躯で、組まれている足は長く、服で隠れていない手の甲には大きな傷があるのがわかった。
「ルーザー殿下、紹介いたします。話題にしていただいた、リアラでございます」
お父様が立ち上がり、私の横に立って紹介してくれたので、カーテシーをしてから名乗る。
「王子殿下にお会いできて光栄です。リアラ・フセラブルと申します」
「ルーザー・クレミナルだ。約束もなしにおしかけてしまいすまない」
「とんでもございません」
殿下がわざわざ立ち上がって侘びて下さるので、頭に疑問符が浮かぶ。
おかしい。
女性嫌いなのよね?
それなのに、嫌な態度ではないんだけど。
「リアラ、ルーザー殿下がお前と婚約をしたいんだそうだ」
お父様の言葉に、耳を疑って聞き返す。
「え?」
「驚くよな。もう一度言う。ルーザー殿下はお前と婚約したいんだそうだ」
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気品などどこへやら。
私は大声を上げて聞き返した。
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