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5 第5王子と話をする 2
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「殿下! 私も肌は焼けてますから、そんな事は気になりません」
「そうだな。それだけ外に出ているという事だろうな」
ルーザー殿下は頷いてから微笑んだ。
彼の日焼けは、日頃の鍛練や戦地に出向いているのもあるのだろう。
私のお父様達もそうだけど、殿下達の様な人がいてくれるから、平和に暮らせるのに、ビアンカはそれもわからないなんて。
あ、もしかして、私の肌色が気に食わないから、ビアンカは絡んできていたのかしら。
そんな理由だったとしたら、ビアンカは思ってた以上に馬鹿だわ。
もしくは、私の肌が小麦色だから、それが嫌で殿下の事も嫌になってしまったとか?
それなら、殿下には申し訳ない。
「私がビアンカ様に嫌われているせいで、殿下まで巻き込む事になり申し訳ございません」
「なんで君が謝るんだ? よくわからないが、たぶん理由はそれだけじゃないだろ。俺の事もどうせ野蛮だと思ってたはずだ。それに俺もビアンカと結婚したかったわけじゃない。あいつ、俺と顔を合わすたびに、嫌そうな顔をしやがって。それはこっちも同じだっての」
「……」
口調が変わったので、無遠慮に見てしまうと、また殿下は口をおさえる。
「今のは聞かなかった事にしてくれ」
「いいえ。私はそういう話し方をする男性の方が好きですから」
笑って首を横に振ると、殿下は驚いた様な顔をしたあと、また笑った。
よく笑う人だな。
へらへらしてるんじゃなくて、爽やかな笑顔。
良い人そうに見えるけど、私はチョロすぎるかしら?
「君が俺と婚約してくれるなら、ビアンカに直接ではないが仕返しをしてやる」
「どういう事です?」
「エッジホールの管轄している地域はあまり治安の良くない地域なんだ。治安部隊はいるようだが手が足りてないし、金をもらって悪事を見逃すような奴も多くいる」
「そうだったんですね」
そんな話はあまり聞いた事がなかった。
「一応、婚約者の領土でもあるし、俺の傭兵部隊とは別の部隊を暗躍させて治安を良くする様に動いていたんだが、それを引きあげさせる」
「じゃあ、殿下のおかげで、エッジホール公爵領の治安は安定していたんですか」
「もちろん、エッジホールの持っている治安部隊にも真面目な奴がいるから、それだけじゃないけどな」
「1番被害を被るのは領民かもしれませんが、ボディーブローの様にジワジワと効いていくでしょうから、いつかはエッジホール公爵に領民の恨みが集まるでしょうね」
今まで落ち着いていた治安がなぜ悪くなったかは、ルーザー殿下とビアンカの婚約が解消されてからだという事に領民もいつかは気付くだろうし。
「令嬢からボディーブローという言葉が飛び出るとはな」
また、殿下は少年みたいな顔をして笑う。
噂というものは真に受けるものではないのだな、と感じてしまう。
だって、冷酷な感じは一切見受けられないから。
もちろん、そんな時もあるのだろうけれど、それは必要に迫られた時だけの様な気がする。
「俺は戦が好きだと噂されている様だが、決して好きなわけではない。だけど、誰かが戦地に行かなければいけないなら俺が出ようと思う。第5王子っていう立場もあるしな。だけど、その気持ちを理解してくれる女性は少ない」
殿下は寂しそうな笑みを浮かべて続ける。
「国の為に戦うことは、家族や大事な人を守る事につながる。俺はそう考えて戦っている。でも、本当に自分にとって大事な人が大変な時に、そばにいてやれない事が多い。女性はそういう時こそ、夫や恋人にそばにいてほしいんだろ?」
「それはそうかもしれませんが、私の家はまさに…」
そこまで言って、殿下が何を言おうとしているかわかった。
「私なら理解できると?」
「そう思った。悪い」
「謝られる事ではありませんよ」
実際、私の家は小さい頃からその状態だったので、彼の立場も理解できる。
彼は王子という立場上、家族が心配だからといって、戦場から離れる訳にはいかない。
それはその場にいる兵士も同じ気持ちなはずだ。
私達が危なかった時も、お父様達は帰ってこれなかった。
そして、それがお父様達の立場上、しょうがない事も理解している。
「その点を気にされているのなら、私はちょうど良いでしょうね」
「そうなんだよな。だから、君が嫌でなければなんだが…」
「難しいところですね。父や兄が殿下の様だったからこそ、旦那様は普通の人が良いと思っていたんですが…」
少しだけ考える。
どのみち、第5王子からのお願いを断れるわけはないわよね?
「無理なら無理でかまわない。君が婚約者を探していると聞いただけだから」
「……あの、お願いがあるのですが」
「ん?」
「殿下をリーダーとする部隊がある事を先程、仰っておられましたが…」
「物騒だから嫌か?」
殿下の表情が曇る。
もしかして、普通の女性は嫌がる事なのかしら?
私は逆なんだけど!
「いいえ! ぜひ、お会いさせていただく事は出来ませんでしょうか!」
「は?」
「女性の方もいらっしゃるとお聞きしました! ぜひ、お会いしてみたかったんです!」
両手を口の前で組み合わせてお願いすると、殿下は一瞬の間のあと、声を上げて笑った。
「そうだな。それだけ外に出ているという事だろうな」
ルーザー殿下は頷いてから微笑んだ。
彼の日焼けは、日頃の鍛練や戦地に出向いているのもあるのだろう。
私のお父様達もそうだけど、殿下達の様な人がいてくれるから、平和に暮らせるのに、ビアンカはそれもわからないなんて。
あ、もしかして、私の肌色が気に食わないから、ビアンカは絡んできていたのかしら。
そんな理由だったとしたら、ビアンカは思ってた以上に馬鹿だわ。
もしくは、私の肌が小麦色だから、それが嫌で殿下の事も嫌になってしまったとか?
それなら、殿下には申し訳ない。
「私がビアンカ様に嫌われているせいで、殿下まで巻き込む事になり申し訳ございません」
「なんで君が謝るんだ? よくわからないが、たぶん理由はそれだけじゃないだろ。俺の事もどうせ野蛮だと思ってたはずだ。それに俺もビアンカと結婚したかったわけじゃない。あいつ、俺と顔を合わすたびに、嫌そうな顔をしやがって。それはこっちも同じだっての」
「……」
口調が変わったので、無遠慮に見てしまうと、また殿下は口をおさえる。
「今のは聞かなかった事にしてくれ」
「いいえ。私はそういう話し方をする男性の方が好きですから」
笑って首を横に振ると、殿下は驚いた様な顔をしたあと、また笑った。
よく笑う人だな。
へらへらしてるんじゃなくて、爽やかな笑顔。
良い人そうに見えるけど、私はチョロすぎるかしら?
「君が俺と婚約してくれるなら、ビアンカに直接ではないが仕返しをしてやる」
「どういう事です?」
「エッジホールの管轄している地域はあまり治安の良くない地域なんだ。治安部隊はいるようだが手が足りてないし、金をもらって悪事を見逃すような奴も多くいる」
「そうだったんですね」
そんな話はあまり聞いた事がなかった。
「一応、婚約者の領土でもあるし、俺の傭兵部隊とは別の部隊を暗躍させて治安を良くする様に動いていたんだが、それを引きあげさせる」
「じゃあ、殿下のおかげで、エッジホール公爵領の治安は安定していたんですか」
「もちろん、エッジホールの持っている治安部隊にも真面目な奴がいるから、それだけじゃないけどな」
「1番被害を被るのは領民かもしれませんが、ボディーブローの様にジワジワと効いていくでしょうから、いつかはエッジホール公爵に領民の恨みが集まるでしょうね」
今まで落ち着いていた治安がなぜ悪くなったかは、ルーザー殿下とビアンカの婚約が解消されてからだという事に領民もいつかは気付くだろうし。
「令嬢からボディーブローという言葉が飛び出るとはな」
また、殿下は少年みたいな顔をして笑う。
噂というものは真に受けるものではないのだな、と感じてしまう。
だって、冷酷な感じは一切見受けられないから。
もちろん、そんな時もあるのだろうけれど、それは必要に迫られた時だけの様な気がする。
「俺は戦が好きだと噂されている様だが、決して好きなわけではない。だけど、誰かが戦地に行かなければいけないなら俺が出ようと思う。第5王子っていう立場もあるしな。だけど、その気持ちを理解してくれる女性は少ない」
殿下は寂しそうな笑みを浮かべて続ける。
「国の為に戦うことは、家族や大事な人を守る事につながる。俺はそう考えて戦っている。でも、本当に自分にとって大事な人が大変な時に、そばにいてやれない事が多い。女性はそういう時こそ、夫や恋人にそばにいてほしいんだろ?」
「それはそうかもしれませんが、私の家はまさに…」
そこまで言って、殿下が何を言おうとしているかわかった。
「私なら理解できると?」
「そう思った。悪い」
「謝られる事ではありませんよ」
実際、私の家は小さい頃からその状態だったので、彼の立場も理解できる。
彼は王子という立場上、家族が心配だからといって、戦場から離れる訳にはいかない。
それはその場にいる兵士も同じ気持ちなはずだ。
私達が危なかった時も、お父様達は帰ってこれなかった。
そして、それがお父様達の立場上、しょうがない事も理解している。
「その点を気にされているのなら、私はちょうど良いでしょうね」
「そうなんだよな。だから、君が嫌でなければなんだが…」
「難しいところですね。父や兄が殿下の様だったからこそ、旦那様は普通の人が良いと思っていたんですが…」
少しだけ考える。
どのみち、第5王子からのお願いを断れるわけはないわよね?
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「……あの、お願いがあるのですが」
「ん?」
「殿下をリーダーとする部隊がある事を先程、仰っておられましたが…」
「物騒だから嫌か?」
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もしかして、普通の女性は嫌がる事なのかしら?
私は逆なんだけど!
「いいえ! ぜひ、お会いさせていただく事は出来ませんでしょうか!」
「は?」
「女性の方もいらっしゃるとお聞きしました! ぜひ、お会いしてみたかったんです!」
両手を口の前で組み合わせてお願いすると、殿下は一瞬の間のあと、声を上げて笑った。
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