7 / 34
6 お出かけする
しおりを挟む
ルーザー殿下の訪問の数日後、ワクワクしながら、私は平民の格好をして、殿下と一緒に城下の街を歩いていた。
「ちょっと面白い令嬢がいると言ったら、皆が会いたがって大変だった」
「面白い事なんて一つも言っておりませんでしたのに」
「悪い悪い。機嫌直せって。君が会いたがっている女性も連れて来るように言ってる」
「そうなんですか!? ありがとうございます! どんな方なのかしら。楽しみです!」
スキップしたくなる気持ちをおさえて、同じく平民の姿に扮した殿下の横を歩く。
浮かれている私を見て、殿下はやはり、何か面白いものを見るような顔で見てこられる。
殿下は身長160cmの私が見上げないといけないくらいに背が高い。
私は高身長の男性が好きだから、殿下は顔といい、体型といい、私の好きなタイプである。
友人からは私は惚れっぽいタイプだから気を付けろと言われている。
気を付けてはいるつもりだけれど、そんなもの、止めれるものではないから困っている。
ただ、殿下の場合は好きになっても、気持ちは返ってこなさそうだから、傷付く覚悟は必要そう。
現在、ルーザー殿下とは婚約前のお試し期間中だ。
殿下は婚約をした後に、私が心変わりをしたら、2回目の婚約破棄になってしまうから、世間的に印象が良くないかもしれないと考えて下さり、考える期間をくれた。
もちろん、期限を決めていて、あと10日程で答えを出す事になっている。
そのお試し期間が終わるまでに、殿下の部隊の方と会わせてもらえる事になった。
元々、婚約に関しては私からお断りする気はないけど、殿下からやっぱり他の女性と婚約する、と言われたら困るので、この機に憧れの人に会っておきたかった。
殿下がリーダーとなってまとめている傭兵部隊は、何グループに分かれているらしく、実際の人数や人物の詳細は謎だ。
けれど、噂としては色々な噂が流れていて、その中の1つに女性が存在するというものがあった。
顔は隠しているため、どんな顔かはわからないが、体付きが女性なので、そうなのではないかという噂だったのだけれど、やはり女性は存在していたらしい。
しかも私と会ってくれるなんて。
もちろん、機密事項だから、ここに来るまでに色々な誓約書を書かされた。
どんなものかというと、簡単に言えば、今日会った人間の話を仲間以外の誰かに話したら殺しちゃうからね?
という感じ。
物騒な内容だったので、可愛く脳内で変換してみた。
殿下が立ち止まったのは、路地裏にある外観だけ見ると、営業しているのかしていないかわからない様な店だった。
店の扉の前には屈強そうな男性が2人立っていて、その内の1人がまずは私を見て、口をへの字に曲げたあと、次に殿下を見て、ぽかんとした顔で言った。
「ボスじゃねぇか! ど、どういう事だよ、あんたが女連れだなんて!」
「しかもかわい子ちゃん!」
かわい子ちゃん?
そんな事を言われた事がなかったので、嬉しく思って、そう言ってくれた人にお礼を言う。
「ありがとうございます!」
「え~。可愛いなあ。ボスなんか止めて俺と付き合わん?」
「おい。彼女に近付くな」
殿下が近寄ってきた男性と私の間に割って入って下さった。
「はいはい。中へお通ししますよ。楽しんでくれ」
扉の前に立っていた男性が横によけてくれたあと、表情をゆるめて、そう言ってくれたので、私も笑顔で頷く。
カランカランというベルの音がなり、店の中に入ると、店内は狭く、カウンター席が5席、4人がけのテーブル席が4つ。
全ての席が埋まっているように見えたけど、店の入口から1番奥のテーブルに横に並んで2席だけ空いていて、向かい側には若い男性と女性が座っていた。
「な、なんで、こんなに人がいるんだよ!」
中を見回してから殿下が叫ぶと、静かだった店内が一斉に騒がしくなる。
「マジかよぉ! 普通に可愛いじゃん! 俺が婚約したい! ボス、代わってくれ!」
「彼女は嫌がるだろうが、俺の場合はお前が俺の代わりにトップになると言うなら考えてやる」
「はい、無理ーっ!」
ぎゃははは、と殿下と男性の会話を聞いて、周りの人達が笑う。
「あ、あの、殿下?」
「悪い。俺の婚約者候補が来ると噂を流した奴がいるみたいだ。そのせいで、今、ここにいるのは、店員も含め、俺の部下だ」
「ええっ!?」
謝ってくる殿下に大きな声で聞き返す。
殿下の部下という事は傭兵部隊の皆さんなのよね!?
なんて素敵なの!
色々と話を聞けたら幸せだわ!
「ちょっと面白い令嬢がいると言ったら、皆が会いたがって大変だった」
「面白い事なんて一つも言っておりませんでしたのに」
「悪い悪い。機嫌直せって。君が会いたがっている女性も連れて来るように言ってる」
「そうなんですか!? ありがとうございます! どんな方なのかしら。楽しみです!」
スキップしたくなる気持ちをおさえて、同じく平民の姿に扮した殿下の横を歩く。
浮かれている私を見て、殿下はやはり、何か面白いものを見るような顔で見てこられる。
殿下は身長160cmの私が見上げないといけないくらいに背が高い。
私は高身長の男性が好きだから、殿下は顔といい、体型といい、私の好きなタイプである。
友人からは私は惚れっぽいタイプだから気を付けろと言われている。
気を付けてはいるつもりだけれど、そんなもの、止めれるものではないから困っている。
ただ、殿下の場合は好きになっても、気持ちは返ってこなさそうだから、傷付く覚悟は必要そう。
現在、ルーザー殿下とは婚約前のお試し期間中だ。
殿下は婚約をした後に、私が心変わりをしたら、2回目の婚約破棄になってしまうから、世間的に印象が良くないかもしれないと考えて下さり、考える期間をくれた。
もちろん、期限を決めていて、あと10日程で答えを出す事になっている。
そのお試し期間が終わるまでに、殿下の部隊の方と会わせてもらえる事になった。
元々、婚約に関しては私からお断りする気はないけど、殿下からやっぱり他の女性と婚約する、と言われたら困るので、この機に憧れの人に会っておきたかった。
殿下がリーダーとなってまとめている傭兵部隊は、何グループに分かれているらしく、実際の人数や人物の詳細は謎だ。
けれど、噂としては色々な噂が流れていて、その中の1つに女性が存在するというものがあった。
顔は隠しているため、どんな顔かはわからないが、体付きが女性なので、そうなのではないかという噂だったのだけれど、やはり女性は存在していたらしい。
しかも私と会ってくれるなんて。
もちろん、機密事項だから、ここに来るまでに色々な誓約書を書かされた。
どんなものかというと、簡単に言えば、今日会った人間の話を仲間以外の誰かに話したら殺しちゃうからね?
という感じ。
物騒な内容だったので、可愛く脳内で変換してみた。
殿下が立ち止まったのは、路地裏にある外観だけ見ると、営業しているのかしていないかわからない様な店だった。
店の扉の前には屈強そうな男性が2人立っていて、その内の1人がまずは私を見て、口をへの字に曲げたあと、次に殿下を見て、ぽかんとした顔で言った。
「ボスじゃねぇか! ど、どういう事だよ、あんたが女連れだなんて!」
「しかもかわい子ちゃん!」
かわい子ちゃん?
そんな事を言われた事がなかったので、嬉しく思って、そう言ってくれた人にお礼を言う。
「ありがとうございます!」
「え~。可愛いなあ。ボスなんか止めて俺と付き合わん?」
「おい。彼女に近付くな」
殿下が近寄ってきた男性と私の間に割って入って下さった。
「はいはい。中へお通ししますよ。楽しんでくれ」
扉の前に立っていた男性が横によけてくれたあと、表情をゆるめて、そう言ってくれたので、私も笑顔で頷く。
カランカランというベルの音がなり、店の中に入ると、店内は狭く、カウンター席が5席、4人がけのテーブル席が4つ。
全ての席が埋まっているように見えたけど、店の入口から1番奥のテーブルに横に並んで2席だけ空いていて、向かい側には若い男性と女性が座っていた。
「な、なんで、こんなに人がいるんだよ!」
中を見回してから殿下が叫ぶと、静かだった店内が一斉に騒がしくなる。
「マジかよぉ! 普通に可愛いじゃん! 俺が婚約したい! ボス、代わってくれ!」
「彼女は嫌がるだろうが、俺の場合はお前が俺の代わりにトップになると言うなら考えてやる」
「はい、無理ーっ!」
ぎゃははは、と殿下と男性の会話を聞いて、周りの人達が笑う。
「あ、あの、殿下?」
「悪い。俺の婚約者候補が来ると噂を流した奴がいるみたいだ。そのせいで、今、ここにいるのは、店員も含め、俺の部下だ」
「ええっ!?」
謝ってくる殿下に大きな声で聞き返す。
殿下の部下という事は傭兵部隊の皆さんなのよね!?
なんて素敵なの!
色々と話を聞けたら幸せだわ!
89
あなたにおすすめの小説
【完結】結婚しておりませんけど?
との
恋愛
「アリーシャ⋯⋯愛してる」
「私も愛してるわ、イーサン」
真実の愛復活で盛り上がる2人ですが、イーサン・ボクスと私サラ・モーガンは今日婚約したばかりなんですけどね。
しかもこの2人、結婚式やら愛の巣やらの準備をはじめた上に私にその費用を負担させようとしはじめました。頭大丈夫ですかね〜。
盛大なるざまぁ⋯⋯いえ、バリエーション豊かなざまぁを楽しんでいただきます。
だって、私の友達が張り切っていまして⋯⋯。どうせならみんなで盛り上がろうと、これはもう『ざまぁパーティー』ですかね。
「俺の苺ちゃんがあ〜」
「早い者勝ち」
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結しました。HOT2位感謝です\(//∇//)\
R15は念の為・・
【完結】出逢ったのはいつですか? えっ? それは幼馴染とは言いません。
との
恋愛
「リリアーナさーん、読み終わりましたぁ?」
今日も元気良く教室に駆け込んでくるお花畑ヒロインに溜息を吐く仲良し四人組。
ただの婚約破棄騒動かと思いきや・・。
「リリアーナ、だからごめんってば」
「マカロンとアップルパイで手を打ちますわ」
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済みです。
R15は念の為・・
【完結】離縁したいのなら、もっと穏便な方法もありましたのに。では、徹底的にやらせて頂きますね
との
恋愛
離婚したいのですか? 喜んでお受けします。
でも、本当に大丈夫なんでしょうか?
伯爵様・・自滅の道を行ってません?
まあ、徹底的にやらせて頂くだけですが。
収納スキル持ちの主人公と、錬金術師と異名をとる父親が爆走します。
(父さんの今の顔を見たらフリーカンパニーの団長も怯えるわ。ちっちゃい頃の私だったら確実に泣いてる)
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
32話、完結迄予約投稿済みです。
R15は念の為・・
【完結】チャンス到来! 返品不可だから義妹予定の方は最後までお世話宜しく
との
恋愛
予約半年待ちなど当たり前の人気が続いている高級レストランのラ・ぺルーズにどうしても行きたいと駄々を捏ねたのは、伯爵家令嬢アーシェ・ローゼンタールの十年来の婚約者で伯爵家二男デイビッド・キャンストル。
誕生日プレゼントだけ屋敷に届けろってど〜ゆ〜ことかなあ⋯⋯と思いつつレストランの予約を父親に譲ってその日はのんびりしていると、見たことのない美少女を連れてデイビッドが乗り込んできた。
「人が苦労して予約した店に義妹予定の子と行ったってどういうこと? しかも、おじさんが再婚するとか知らないし」
それがはじまりで⋯⋯豪放磊落と言えば聞こえはいいけれど、やんちゃ小僧がそのまま大人になったような祖父達のせいであちこちにできていた歪みからとんでもない事態に発展していく。
「マジかぁ! これもワシのせいじゃとは思わなんだ」
「⋯⋯わしが噂を補強しとった?」
「はい、間違いないですね」
最強の両親に守られて何の不安もなく婚約破棄してきます。
追伸⋯⋯最弱王が誰かは諸説あるかもですね。
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
約7万字で完結確約、筆者的には短編の括りかなあと。
R15は念の為・・
【第一章完結】相手を間違えたと言われても困りますわ。返品・交換不可とさせて頂きます
との
恋愛
「結婚おめでとう」 婚約者と義妹に、笑顔で手を振るリディア。
(さて、さっさと逃げ出すわよ)
公爵夫人になりたかったらしい義妹が、代わりに結婚してくれたのはリディアにとっては嬉しい誤算だった。
リディアは自分が立ち上げた商会ごと逃げ出し、新しい商売を立ち上げようと張り切ります。
どこへ行っても何かしらやらかしてしまうリディアのお陰で、秘書のセオ達と侍女のマーサはハラハラしまくり。
結婚を申し込まれても・・
「困った事になったわね。在地剰余の話、しにくくなっちゃった」
「「はあ? そこ?」」
ーーーーーー
設定かなりゆるゆる?
第一章完結
【完結】婚約破棄の次は白い結婚? ちょっと待って、それって私可哀想すぎると思うんだけど・・
との
恋愛
婚約破棄されるって噂を聞きつけたけど、父親から
【命に関わるから我慢しなさい】
と言われ、言いたい放題の人達に文句も言わず婚約破棄を受け入れたエリン。
ところが次の相手は白い結婚だ!と言い出した。
えっ? しかも敷地内に恋人を囲ってる?
何か不条理すぎる気がするわ。
この状況打開して、私だって幸せになりますね。
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
大幅改訂しました。
R15は念の為・・
【完結】熟成されて育ちきったお花畑に抗います。離婚?いえ、今回は国を潰してあげますわ
との
恋愛
2月のコンテストで沢山の応援をいただき、感謝です。
「王家の念願は今度こそ叶うのか!?」とまで言われるビルワーツ侯爵家令嬢との婚約ですが、毎回婚約破棄してきたのは王家から。
政より自分達の欲を優先して国を傾けて、その度に王命で『婚約』を申しつけてくる。その挙句、大勢の前で『婚約破棄だ!』と叫ぶ愚か者達にはもううんざり。
ビルワーツ侯爵家の資産を手に入れたい者達に翻弄されるのは、もうおしまいにいたしましょう。
地獄のような人生から巻き戻ったと気付き、新たなスタートを切ったエレーナは⋯⋯幸せを掴むために全ての力を振り絞ります。
全てを捨てるのか、それとも叩き壊すのか⋯⋯。
祖父、母、エレーナ⋯⋯三世代続いた王家とビルワーツ侯爵家の争いは、今回で終止符を打ってみせます。
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済。
R15は念の為・・
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる