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39話
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39話
……え?
冗談でしょ………
ザーザーと降りしきる雨の中、ただただ座り込んでいるしかなかった。
「あ、お兄ちゃん。あの人って……お兄ちゃんにとってのなに?」
「………え?なにって……いらない人」
「へぇ。いらない人か」
と、雨の中なのにこっちに聞こえるくらいの声でそんなことを言っている。
いらない人……誰が?私が……士郎にとっていらない人ってことはもう、誰にとってもいらない人……
「………あ、じゃ、僕は行くね」
「まって、私も途中まで一緒に行くっ!!」
と、士郎と梨花は私の横をなにごともなかったかよのうに通り過ぎて行った。
雨の中、ぼーっとしていた。それからこんな言葉が私の脳内ではずーっと流れていた。
「いらない人……いらない人…」
そして、私の中の何かが折れるような音がした。
「ぐわぁぁ!!!!」
なんだろう?なにか大きな声でなにかを言っているんだか叫んでいるんだかするような声がかすかに聞こえて来た。
そして、喉が張り裂けそうなくらいに痛い。そして、目からはこのゲリラ豪雨のように溢れ出してきている涙。
そうか。これは私なのか……
ただただ、私は士郎の家の前で泣いていた。
「…………おーい!!白崎さんだよね?おーい!!聞こえてる?」
「………士郎?」
「士郎じゃなくてごめんなさい?俺は柴崎れん。えっと……結構士郎関係で会ってたりはしてたよね?」
「あ、はい……」
「とりあえず、そのままじゃ風邪ひくから俺ん家くる?ここからまあまあ近いし」
「あ……ありがとうございます
「大丈夫?立てる?」
「あ……はい……」
「傘はごめん。一本しかないんだよね……」
「お構いなく……」
「そ、それにしてもひどい天気だねっ!!昨日は結構暑かったのに」
「はぁ……」
そんなこんなで士郎の友達の家に居た。
そしてなぜかお風呂に入っていた。だが、あんまり記憶がない。
あるとするなら士郎が最後に言った「いらない人」ってことくらいだ。
「いらない人……か……」
「タオルとかここら辺に置いとくからねー」
「あ、ごめんなさい……」
「いいよ。このくらい。じゃ、あっち行ってるね」
何をすればいいの?私は……なんであんなに怒ったの?いつもは全然怒りなんてしないのに……渚先輩が無茶振りいってもいつもいつも文句も言わずにやっていたのに……
ということは、始まりからもう私なんて見てなかったんじゃ……勝手に舞い上がって勝手に付き合ってるって錯覚、幻想。夢、まぼろしなんかを見ていたってことなの?
所詮、現実なんてそんなものなのか……
シャワーに打たれながらそんな事を、ぼーっと考えていた。
それからなにかを思い出したかのように、私はお風呂から出た。
脱衣所にはバスタオルとかが置かれていた。
優しいな。あの人は……
と、思いつつ服を着て廊下に出る。
「お?白崎さん……なんか、その……大丈夫?」
と、廊下に出たすぐのところに待っていた。
「あ、はい。まあ……」
「とりあえず、みんなのところに案内するよ」
と、家を歩いた。
ん?あれ?なんだ?いつになっても終わらない変わらない景色。
ずーっと下を向いていて、全然気づかなかったが、この家はかなりの豪邸だ。廊下なのに両手いっぱいに広げても届きそうにない。そして、襖。その奥も襖。もう、お風呂から出てなんこの襖を通り過ぎてきただろうか?脱衣所もなんか動けるな。なんて思っていたらこんなに広いだなんて……
「着いたよ」
「あ、はい」
目の前には旅館なのか?竹。という文字が入った部屋があった。
そこを柴崎さんが開けてくれた。
「どうぞ?レディーファーストですから」
「ありがとうございます」
と、その戸をくぐった先には先輩カップルと一条さんがいた。
「しかりーんっ!!どうだったの?」
戸をくぐった瞬間、その先輩が目を輝かせて飛びかかってきた。
「………ダメでした。私はいらない人……」
「そっか……でも、大丈夫だからね………」
と、白崎さんを渚先輩が優しく抱きしめた。
「大体のことは先輩から聞いたよ」
と、柴崎さんが口を開いた。
「そうでしたか……」
「うん……」
「少しは空気を読みなよ……本当に馬鹿なんだから……でも、そういうところも好きっ!!」
「火憐それを言ったら空気ぶち壊しでしょ?俺も大好きだぞ!!」
…なぜか語尾にラブコールぽいなにかを入れていた。…それを入れないと話せないのか?
「でも、なんか変じゃない?士郎は短期でもないのに風邪をひいていた白崎さんに急にキレる?あと、怒ったところでそんないらない人だなんていうかな?」
「だよなー。俺もそれは思う。白崎さん。……思い出したくはないだろうけど、なんで士郎は怒ったんだ?」
「………なんでだろう?」
私自身が一番知っていそうなのに、全然わからない。
「まあ、それは仕方ないよ。風邪引いてたしね」
「はい……」
「………そうだよなぁ。おかしいよなぁ。士郎はそう簡単にキレねえよなぁ」
「うんうん………って、誰!?」
何故か溶け込むようにお茶をすすっているおじさんがいた。
「あ、士郎の知り合いの……」
ん?名前はなんだ?士郎もおっさんとしか言ってなかったし……
「まあ、みんな座ってお話をしようじゃないか」
みんなは目を合わせて再度おじさんを見る。だが、お茶を呑気にすすっている。
「まあ、悪い人じゃないだろうし……お話をしましょうか」
「いやー。ありがとう。でも、士郎も幸せもんだよなぁ。あんなののために学校休んでまでこうやって会議してるんだからなぁ。こんな友達思いな人なんてこの長い人生の中で見たことねえし、ここはひとつおじさんも力を貸してあげようじゃないかー!」
「……え?」
「あの、すいません。話が見えないのですが……」
「あ、こりゃー説明不足だったわなぁ。ごめんごめん。あっはっはっはー」
と、陽気に笑っている。
今はそれどころではないのに…
「まあ、ちょっとここからはしっかりと話をさせてもらうよ」
と、おじさんは目の色を真剣なものに変えて話し始めた。
「士郎は……リア充撲滅隊の幹部である悪魔の道化師にその人生を狙われているんだ」
と、訳のわからないことを言い始めた。
「………え、えっと……」
「……あ。そうか。わかる訳ないか……ちょっと待ってくれ。日本語を作り直してる」
と、頭を掻きながらみんなから目線をそらした。
………この人大丈夫かな?頭おかしい人?
「よし、えーっと簡単に言えば、士郎は操られているのだ」
「………はぁ!?ちょっと頭大丈夫!?」
と、ひとまわりもふたまわりも大きいおじさんに真正面から喧嘩腰で言霊を飛ばした先輩。
「……まあ、信用できるはずもないかぁ」
「こっちは真剣に悩んでるのよ!?」
「………待って。なぎちゃん。この人が言ってることが本当だとすれば、全部に納得がいく」
「でも、そんなのって……人の心はそう簡単に変えれないじゃないっ!!」
「うん。確かに人の心を変える。というのは難しいはずだ。でも、こう考えてみてくれないかい?好きな人。いや、大切な人ってその人だけかな?」
「………」
「…… まあ、そういうことさ」
誰も言葉にはしなかったが、少なくとも私や士郎を思ってこうやってみんなは集まってくれたんだ。
今更ではあるが、今の私はみんながいてこそなんだ。その中に当然士郎だっている。私が士郎がどうとかって悩んでちゃダメだ。私は士郎と一緒にいたい。ただそれだけなんだ……
でも、この話はどう繋がるんだ?
「それはね、大切な人と好きな人というものの全く違うもので近いもの。一緒に存在して一緒じゃないものの言わばブレーキを外したんだよ。そうすればどうなる?暴走した車みたいに理性が効かなくなって……一線を超えてしまう。まあ、本当に士郎が大切にしてた人だけだと思うけどね」
この人の言ってることが本当ならばあれも納得がいく……
「でも、それが百歩譲って本当だとして、それはどうやってなおすの?」
と、なにか気にくわないのか先輩が少し切れ気味に訊いた。
「それは士郎の心の中に入ってもらって、本来あったブレーキを治してもらうしかないねえ」
「それは……なに?その場所に入れるの?で、入れたとしてなにをすればいいの?工業セットでも持っていけば治るの?」
「それは士郎の本心次第だし、君達の想い次第だ」
「………私には士郎しかいないんですもの。それがどんなに難しい試練だって乗り越えてみせますっ!!」
「その言葉を待っていたよ。でも心に入るには、士郎に直接干渉する必要があるから捕まえないとね」
「ほ、ほう……」
これは大変なことになりそうだ。だけど、私は士郎とこのまま終わりだなんて嫌だ。そこに望みがあるならば私はいくらでもやってやる。
……え?
冗談でしょ………
ザーザーと降りしきる雨の中、ただただ座り込んでいるしかなかった。
「あ、お兄ちゃん。あの人って……お兄ちゃんにとってのなに?」
「………え?なにって……いらない人」
「へぇ。いらない人か」
と、雨の中なのにこっちに聞こえるくらいの声でそんなことを言っている。
いらない人……誰が?私が……士郎にとっていらない人ってことはもう、誰にとってもいらない人……
「………あ、じゃ、僕は行くね」
「まって、私も途中まで一緒に行くっ!!」
と、士郎と梨花は私の横をなにごともなかったかよのうに通り過ぎて行った。
雨の中、ぼーっとしていた。それからこんな言葉が私の脳内ではずーっと流れていた。
「いらない人……いらない人…」
そして、私の中の何かが折れるような音がした。
「ぐわぁぁ!!!!」
なんだろう?なにか大きな声でなにかを言っているんだか叫んでいるんだかするような声がかすかに聞こえて来た。
そして、喉が張り裂けそうなくらいに痛い。そして、目からはこのゲリラ豪雨のように溢れ出してきている涙。
そうか。これは私なのか……
ただただ、私は士郎の家の前で泣いていた。
「…………おーい!!白崎さんだよね?おーい!!聞こえてる?」
「………士郎?」
「士郎じゃなくてごめんなさい?俺は柴崎れん。えっと……結構士郎関係で会ってたりはしてたよね?」
「あ、はい……」
「とりあえず、そのままじゃ風邪ひくから俺ん家くる?ここからまあまあ近いし」
「あ……ありがとうございます
「大丈夫?立てる?」
「あ……はい……」
「傘はごめん。一本しかないんだよね……」
「お構いなく……」
「そ、それにしてもひどい天気だねっ!!昨日は結構暑かったのに」
「はぁ……」
そんなこんなで士郎の友達の家に居た。
そしてなぜかお風呂に入っていた。だが、あんまり記憶がない。
あるとするなら士郎が最後に言った「いらない人」ってことくらいだ。
「いらない人……か……」
「タオルとかここら辺に置いとくからねー」
「あ、ごめんなさい……」
「いいよ。このくらい。じゃ、あっち行ってるね」
何をすればいいの?私は……なんであんなに怒ったの?いつもは全然怒りなんてしないのに……渚先輩が無茶振りいってもいつもいつも文句も言わずにやっていたのに……
ということは、始まりからもう私なんて見てなかったんじゃ……勝手に舞い上がって勝手に付き合ってるって錯覚、幻想。夢、まぼろしなんかを見ていたってことなの?
所詮、現実なんてそんなものなのか……
シャワーに打たれながらそんな事を、ぼーっと考えていた。
それからなにかを思い出したかのように、私はお風呂から出た。
脱衣所にはバスタオルとかが置かれていた。
優しいな。あの人は……
と、思いつつ服を着て廊下に出る。
「お?白崎さん……なんか、その……大丈夫?」
と、廊下に出たすぐのところに待っていた。
「あ、はい。まあ……」
「とりあえず、みんなのところに案内するよ」
と、家を歩いた。
ん?あれ?なんだ?いつになっても終わらない変わらない景色。
ずーっと下を向いていて、全然気づかなかったが、この家はかなりの豪邸だ。廊下なのに両手いっぱいに広げても届きそうにない。そして、襖。その奥も襖。もう、お風呂から出てなんこの襖を通り過ぎてきただろうか?脱衣所もなんか動けるな。なんて思っていたらこんなに広いだなんて……
「着いたよ」
「あ、はい」
目の前には旅館なのか?竹。という文字が入った部屋があった。
そこを柴崎さんが開けてくれた。
「どうぞ?レディーファーストですから」
「ありがとうございます」
と、その戸をくぐった先には先輩カップルと一条さんがいた。
「しかりーんっ!!どうだったの?」
戸をくぐった瞬間、その先輩が目を輝かせて飛びかかってきた。
「………ダメでした。私はいらない人……」
「そっか……でも、大丈夫だからね………」
と、白崎さんを渚先輩が優しく抱きしめた。
「大体のことは先輩から聞いたよ」
と、柴崎さんが口を開いた。
「そうでしたか……」
「うん……」
「少しは空気を読みなよ……本当に馬鹿なんだから……でも、そういうところも好きっ!!」
「火憐それを言ったら空気ぶち壊しでしょ?俺も大好きだぞ!!」
…なぜか語尾にラブコールぽいなにかを入れていた。…それを入れないと話せないのか?
「でも、なんか変じゃない?士郎は短期でもないのに風邪をひいていた白崎さんに急にキレる?あと、怒ったところでそんないらない人だなんていうかな?」
「だよなー。俺もそれは思う。白崎さん。……思い出したくはないだろうけど、なんで士郎は怒ったんだ?」
「………なんでだろう?」
私自身が一番知っていそうなのに、全然わからない。
「まあ、それは仕方ないよ。風邪引いてたしね」
「はい……」
「………そうだよなぁ。おかしいよなぁ。士郎はそう簡単にキレねえよなぁ」
「うんうん………って、誰!?」
何故か溶け込むようにお茶をすすっているおじさんがいた。
「あ、士郎の知り合いの……」
ん?名前はなんだ?士郎もおっさんとしか言ってなかったし……
「まあ、みんな座ってお話をしようじゃないか」
みんなは目を合わせて再度おじさんを見る。だが、お茶を呑気にすすっている。
「まあ、悪い人じゃないだろうし……お話をしましょうか」
「いやー。ありがとう。でも、士郎も幸せもんだよなぁ。あんなののために学校休んでまでこうやって会議してるんだからなぁ。こんな友達思いな人なんてこの長い人生の中で見たことねえし、ここはひとつおじさんも力を貸してあげようじゃないかー!」
「……え?」
「あの、すいません。話が見えないのですが……」
「あ、こりゃー説明不足だったわなぁ。ごめんごめん。あっはっはっはー」
と、陽気に笑っている。
今はそれどころではないのに…
「まあ、ちょっとここからはしっかりと話をさせてもらうよ」
と、おじさんは目の色を真剣なものに変えて話し始めた。
「士郎は……リア充撲滅隊の幹部である悪魔の道化師にその人生を狙われているんだ」
と、訳のわからないことを言い始めた。
「………え、えっと……」
「……あ。そうか。わかる訳ないか……ちょっと待ってくれ。日本語を作り直してる」
と、頭を掻きながらみんなから目線をそらした。
………この人大丈夫かな?頭おかしい人?
「よし、えーっと簡単に言えば、士郎は操られているのだ」
「………はぁ!?ちょっと頭大丈夫!?」
と、ひとまわりもふたまわりも大きいおじさんに真正面から喧嘩腰で言霊を飛ばした先輩。
「……まあ、信用できるはずもないかぁ」
「こっちは真剣に悩んでるのよ!?」
「………待って。なぎちゃん。この人が言ってることが本当だとすれば、全部に納得がいく」
「でも、そんなのって……人の心はそう簡単に変えれないじゃないっ!!」
「うん。確かに人の心を変える。というのは難しいはずだ。でも、こう考えてみてくれないかい?好きな人。いや、大切な人ってその人だけかな?」
「………」
「…… まあ、そういうことさ」
誰も言葉にはしなかったが、少なくとも私や士郎を思ってこうやってみんなは集まってくれたんだ。
今更ではあるが、今の私はみんながいてこそなんだ。その中に当然士郎だっている。私が士郎がどうとかって悩んでちゃダメだ。私は士郎と一緒にいたい。ただそれだけなんだ……
でも、この話はどう繋がるんだ?
「それはね、大切な人と好きな人というものの全く違うもので近いもの。一緒に存在して一緒じゃないものの言わばブレーキを外したんだよ。そうすればどうなる?暴走した車みたいに理性が効かなくなって……一線を超えてしまう。まあ、本当に士郎が大切にしてた人だけだと思うけどね」
この人の言ってることが本当ならばあれも納得がいく……
「でも、それが百歩譲って本当だとして、それはどうやってなおすの?」
と、なにか気にくわないのか先輩が少し切れ気味に訊いた。
「それは士郎の心の中に入ってもらって、本来あったブレーキを治してもらうしかないねえ」
「それは……なに?その場所に入れるの?で、入れたとしてなにをすればいいの?工業セットでも持っていけば治るの?」
「それは士郎の本心次第だし、君達の想い次第だ」
「………私には士郎しかいないんですもの。それがどんなに難しい試練だって乗り越えてみせますっ!!」
「その言葉を待っていたよ。でも心に入るには、士郎に直接干渉する必要があるから捕まえないとね」
「ほ、ほう……」
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