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四話
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【誰でもいいから俺を紐にしてくれ】
四話
また、俺はさっきの薄暗い部屋のベッドの上で縛られていた。
「はぁ……」
なんで普通にスタンガン持って歩いてるですかね? 受ける方としては痛いから勘弁して欲しい。いや、痛いのが嫌だという訳じゃなくてね? 俺はお姉さんの平手とかを食らいたいわけですよ。んで、そのままお姉さんごと食らいたいわけです。
「あ、起きたのね! 意外と頑丈だし……次は何して遊ぼうかしら……?」
嬉しそうに微笑む笑顔は可愛いんだけど、言ってる台詞がやばい気がする。次? 前があったのか? 拘束されてて部屋は真っ暗で何も見えないけど、俺はどんな羨ましいことをされていたんだ?
クソ! くやしい! なんで俺は気なんて失っていたんだ!
「……あっ! 思いついちゃった! じゃ、目を閉じて?」
「えっ?」
あまりの衝撃的なフレーズにドキッとする。これはきから始まってすで終わるあれじゃねえか?
俺はゴクリと生唾を飲み込み、お姉さんに目を向けると、お姉さんは妖艶にウインクをして見せ、「大丈夫。痛くしないから」なんて言った。
……やっぱり、そういうことだよな。
「で、でも……」
「いいから!」
俺はお姉さんの圧に負け、ゆっくりと目を閉じる。
初体験が縛られてってのは癪だけど、こんなに美人なお姉さんにせがまれたならば仕方あるまい!
でも、痛くしないってどういうことだ? 甘噛みか? 甘噛みなんだよな!
なんて妄想を膨らませていたが、それからすぐにまぶたの辺りになにかふわふわした筆にも似た感触があった。
「あ、あの……なにをしてるんですか?」
「じっとしてて」
「は、はい……」
それから一時間近く俺は瞳を閉じたまま、何かをされていた。でも、キスじゃねえってことだけは確かだ。
……いや、そりゃね。分かってましたとも。そんな都合のいい話があるわけないって。
「出来た!」
「……何が出来たんですか?」
「ほら、見てみて!」
無垢な笑顔で彼女は、化粧ポーチのようなものから手鏡を出して俺に見るように促す。
「なんですか……って、なんだこれ!?」
俺の顔は元々童顔で、中性的な顔だよね! なんて、よく言われる。だけど、俺の顔にこんなことをしてくれちゃったのはあんたが初めてだぜ……
「ど? 可愛いでしょー!」
「なんで……なんで化粧なんてしたんですか!? それに、自分の顔にかわいいとかかわいくないとかそんな判断つけられませんよ!」
「えー? 可愛いよ?」
「可愛いなんて言われても全然! 全く! これっぽっちも嬉しくないです!」
小学校の頃、家で姉によく可愛いと言われてからかわれたことを思い出して、ちょっと頭が痛くなる。
「あら……怒っちゃった?」
「お、怒ってません!」
「ふふっ! 可愛いなぁ」
クソ……可愛い可愛いいいやがって……でも、縛られてて抵抗も出来ない……
「早くメイクを落としてください!」
「えー。可愛いのに……」
「可愛くなくていいんですよ! 俺は!」
むしろ、お姉さんがもっと可愛くなるのがいい。いや、もう既に美人だけどね。
「まあいいわ。可愛くしたところで、その顔が歪むところが私は見たいのよねぇ」
「……それ、ガチっすか?」
「ガチガチです!」
そう言って彼女は、俺の縛られた腕を再度きつく縛りなおした。
「痛いんですけど……」
「そう? 私は痛くないの~」
「そりゃそうだろ! って、痛い痛い!」
俺が痛いって言う度に、彼女は嬉しそうに頬を綻ばせる。
……わかってるんだ。痛がったら喜ばれることくらい。でも、痛いものは痛いんだ。
俺の苦痛の表情を肴に彼女は嬉しそうに笑う。
彼女はひとしきり笑った後、俺の腕を離した。でも、まだきつく縛られたままである。
「……終わりですよね?」
「んー……どーしよっかなぁ……まだされたい?」
「もう結構です……」
「あははっ!」
俺が嫌がる顔をするだけで彼女は笑みを浮かべる。でも、お姉さんの笑った顔は凄く綺麗で、このくらいの痛みで済むならいいかななんて思えた。
……いや、冷静に考えたらそうでもないよな。絶対あんなの痣になってるだろうし……もっと、こうさ。美人なお姉さんとひとつ屋根の下なんだし、なんかあるだろ? 一緒にお風呂とか添い寝イベントとかさ。そういうの! てか、俺はそういうのを期待してたんだ。
なのに……なのに……なんでこの人は虐待じみたことばかりするんだ。
まあ、答えは出てるんだけどね。この人がどうしようもなく人をいじめるのが大好きな超がつく程のドSだって。
でも、優しいあの一面もお姉さんだし、本当の顔はどっちなんだろう?
まだお姉さんのことはよくわからないし、俺のことを紐にした理由すらまだわからない。本当に俺の歪む顔が見たいからなのか?
考えても結局答えは出ないままだった。
「あの、お姉さん……なぜ、俺を紐に?」
「……そうね。いじめがいのありそうな顔だもの。理由なんてそれだけで充分よ」
お姉さんはそう言った。けれど、あの間と寂しそうな瞳は……
四話
また、俺はさっきの薄暗い部屋のベッドの上で縛られていた。
「はぁ……」
なんで普通にスタンガン持って歩いてるですかね? 受ける方としては痛いから勘弁して欲しい。いや、痛いのが嫌だという訳じゃなくてね? 俺はお姉さんの平手とかを食らいたいわけですよ。んで、そのままお姉さんごと食らいたいわけです。
「あ、起きたのね! 意外と頑丈だし……次は何して遊ぼうかしら……?」
嬉しそうに微笑む笑顔は可愛いんだけど、言ってる台詞がやばい気がする。次? 前があったのか? 拘束されてて部屋は真っ暗で何も見えないけど、俺はどんな羨ましいことをされていたんだ?
クソ! くやしい! なんで俺は気なんて失っていたんだ!
「……あっ! 思いついちゃった! じゃ、目を閉じて?」
「えっ?」
あまりの衝撃的なフレーズにドキッとする。これはきから始まってすで終わるあれじゃねえか?
俺はゴクリと生唾を飲み込み、お姉さんに目を向けると、お姉さんは妖艶にウインクをして見せ、「大丈夫。痛くしないから」なんて言った。
……やっぱり、そういうことだよな。
「で、でも……」
「いいから!」
俺はお姉さんの圧に負け、ゆっくりと目を閉じる。
初体験が縛られてってのは癪だけど、こんなに美人なお姉さんにせがまれたならば仕方あるまい!
でも、痛くしないってどういうことだ? 甘噛みか? 甘噛みなんだよな!
なんて妄想を膨らませていたが、それからすぐにまぶたの辺りになにかふわふわした筆にも似た感触があった。
「あ、あの……なにをしてるんですか?」
「じっとしてて」
「は、はい……」
それから一時間近く俺は瞳を閉じたまま、何かをされていた。でも、キスじゃねえってことだけは確かだ。
……いや、そりゃね。分かってましたとも。そんな都合のいい話があるわけないって。
「出来た!」
「……何が出来たんですか?」
「ほら、見てみて!」
無垢な笑顔で彼女は、化粧ポーチのようなものから手鏡を出して俺に見るように促す。
「なんですか……って、なんだこれ!?」
俺の顔は元々童顔で、中性的な顔だよね! なんて、よく言われる。だけど、俺の顔にこんなことをしてくれちゃったのはあんたが初めてだぜ……
「ど? 可愛いでしょー!」
「なんで……なんで化粧なんてしたんですか!? それに、自分の顔にかわいいとかかわいくないとかそんな判断つけられませんよ!」
「えー? 可愛いよ?」
「可愛いなんて言われても全然! 全く! これっぽっちも嬉しくないです!」
小学校の頃、家で姉によく可愛いと言われてからかわれたことを思い出して、ちょっと頭が痛くなる。
「あら……怒っちゃった?」
「お、怒ってません!」
「ふふっ! 可愛いなぁ」
クソ……可愛い可愛いいいやがって……でも、縛られてて抵抗も出来ない……
「早くメイクを落としてください!」
「えー。可愛いのに……」
「可愛くなくていいんですよ! 俺は!」
むしろ、お姉さんがもっと可愛くなるのがいい。いや、もう既に美人だけどね。
「まあいいわ。可愛くしたところで、その顔が歪むところが私は見たいのよねぇ」
「……それ、ガチっすか?」
「ガチガチです!」
そう言って彼女は、俺の縛られた腕を再度きつく縛りなおした。
「痛いんですけど……」
「そう? 私は痛くないの~」
「そりゃそうだろ! って、痛い痛い!」
俺が痛いって言う度に、彼女は嬉しそうに頬を綻ばせる。
……わかってるんだ。痛がったら喜ばれることくらい。でも、痛いものは痛いんだ。
俺の苦痛の表情を肴に彼女は嬉しそうに笑う。
彼女はひとしきり笑った後、俺の腕を離した。でも、まだきつく縛られたままである。
「……終わりですよね?」
「んー……どーしよっかなぁ……まだされたい?」
「もう結構です……」
「あははっ!」
俺が嫌がる顔をするだけで彼女は笑みを浮かべる。でも、お姉さんの笑った顔は凄く綺麗で、このくらいの痛みで済むならいいかななんて思えた。
……いや、冷静に考えたらそうでもないよな。絶対あんなの痣になってるだろうし……もっと、こうさ。美人なお姉さんとひとつ屋根の下なんだし、なんかあるだろ? 一緒にお風呂とか添い寝イベントとかさ。そういうの! てか、俺はそういうのを期待してたんだ。
なのに……なのに……なんでこの人は虐待じみたことばかりするんだ。
まあ、答えは出てるんだけどね。この人がどうしようもなく人をいじめるのが大好きな超がつく程のドSだって。
でも、優しいあの一面もお姉さんだし、本当の顔はどっちなんだろう?
まだお姉さんのことはよくわからないし、俺のことを紐にした理由すらまだわからない。本当に俺の歪む顔が見たいからなのか?
考えても結局答えは出ないままだった。
「あの、お姉さん……なぜ、俺を紐に?」
「……そうね。いじめがいのありそうな顔だもの。理由なんてそれだけで充分よ」
お姉さんはそう言った。けれど、あの間と寂しそうな瞳は……
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