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第四章

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「魔国が我々の国を攻めようとしている。助けて欲しい」
「「「「は????」」」」
陛下たちには前もってアーダルリアが魔国に『瘴気』をぶつけていた話をしているので、とんでもない虚言が出てきたと驚かされたのだ。
それに現状魔国ではどこかの国に攻め入る意志など皆無。それどころか自国の民を助けることを最優先にしているのに。
戦争なんてしている金などあるわけない。
このお馬鹿は何を言っているんだろうか???
後ろに控えている騎士を見ると呆れた表情を隠すこともなく晒し続けている。
ちょっとこいつらと話がしたいなと思い殿下に耳打ちをすると、
「陛下、少しアーダルリアの騎士の疲労が見えます故、別室にて休んで貰いましょう」
「ああ、構わない。教皇はどうする?美味いワインが手に入ったのでな。少し腹を割りながら飲まないか?」
「ええ、いい案ですね!是非そう致しましょう!それに騎士たちも休ませないと働けませんしね」
「ですな。では、グラスゴー第二騎士団長は私たちの護衛で部屋に控えるように。あと団長の部下数名も部屋の前で待機だ。アーダルリアの騎士たちの部屋への案内はフウマ第四騎士団長に任せる」
「「はっ!!」」
俺とエリアスは目配せして、己が配置へ向かう。


物は言い様だが陛下は、教皇の話を聞き、解釈の幅を拡げるため第一・二殿下と王妃様を「道連れ」にしたのだ。
それだけ教皇が放つ言語は解釈が難しいのだ。
「自分」が一番で、「自分」の考えが一番正しくて、「自分」だけよければいいという国の頂点に立つには珍しくもない傲慢な人物だ。
だから、「道連れ」にしたのだ、陛下は。自分だけこんなくだらない話を聞きたくはないし、時間の無駄だったのだろう。各々が必要箇所だけを理解し後で繋ぎ合わせればいいや、って考えなのだと明け透けにわかってしまうのが非常に面白い。
理解していないのは『当の本人』のみ。
大笑いしても許して欲しいくらいだ。

ジオルドとジルフォードは俺と共に騎士たちを案内した。
「大変申し訳ございません、我が国の教皇が愚かで」
「・・・・・・・・・と思っていることすぐに気付きましたよ。その前に皆さん大変お疲れでしょう?顔に生気がございませんよ?湯殿をご案内しますので、先にそちらを利用ください。その後騎士専用の食堂で食事をしながら話を伺います」
「有り難い!!!私たちはほとんど飲まず食わずでここまで連れてこられたのだ!あの碌でもない『教皇』に!!!」
ここまで俺たちに『隠さない』となると、何か企みがあるのではと疑ってしまう。
実際あるのかもしれないが、今は先に綺麗になってもらおう。正直、臭うのだ。いや、臭うだけですむらなましだ。


「とりあえず、すんごく臭うのでまじで風呂に入ってきてください」
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