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第四章

8(※グロい表現有り)

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「とりあえず、『菖蒲、そっちももういいか?』」
『ええ、大丈夫よ。さっさと術解放してちょうだい』
「『了解』と!さてと、王妃様たちは避難してるし、では!・・・・・」

「『放(はつ)!!』」

発した声と共に、バン!という破裂音が広間に拡がった。
拡がったのは、何も『音』だけではない。
肉片と血、汚物なども撒き散らしたのだ。
さすがにこの光景を見るのに堪えられなかったのか、ジオルドもジルフォードもその場で嘔吐してしまった。
オーガスト殿下にキュリアス殿下は何とか堪えたようだが、それでも口元を抑え必死に吐き気に抗っている。
そして、さすが『王』と言えよう、顔色を変えただけと思いきや、俺を見て「ニッカリ」と嗤い、グッジョブと親指を立てたのだった。
あ、この人、超サディストだ。
葵もこの表情・行動にはさすがに苦笑していた。
もちろん俺も葵もこんな光景見たからといって、何の感情も動かされない。慣れすぎてしまっているから、この異常な光景に。
「菖蒲、そっちはどうだ?」
『ええ、こっちもビンゴよ!ビッチャビチャよ~~~。うふふ。あら、レイン?大丈夫?』
「??レイン??」
『だ、だいじょうぶれす~~~~~。おぇぇぇ』
大丈夫じゃねーよ、声が!
「菖蒲、そっちは形残ってんのか?」
『いいえ、全くないわね~。人だったかもわからないくらいよ』
「そっちもか。こっちも同じようなもんだ」
俺は先ほどまで汚く喚いた人間の様をじっくりと見るが、どこにも人らしき『欠片』が見当たらないのだ。
それだけ、
「罪が深かったんだな」
『そうね、こんな形になるまで罪を重ねたなんてね。その罪の名は、もちろん『強欲』ね』
「そうだな。とりあえず、こいつら裁かねーとなんねーから、元に戻すぞ?」
『あら、戻しちゃうのね~。ま、罪も償わず、呆気なく死んじゃうなんて許せないものね~』
「そういうこと!じゃ、戻すぞ」

『呪戻正術(じゅれいせいじゅつ)』


散らばっていた肉片、血が蠢き出し、一つの形を作り上げていく。
最後に目玉をはめ込み、終わり。

ガフッという大きな息が漏れたかと思うと、その憐れな男はもぞりと動いた。
そして、

「ひぎゃーーーーーーーーーーーーーー!わ、私の腕が!足が!!あああああああああっ!!!」
「五月蠅い、黙れ、この愚か者。『天与全奪』」
黙らすために、俺は術で拘束し、何も話すことが出来ない人形を作り上げたのだった。
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