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第二十章 極道の怖さ

罠に嵌った富樫

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由子との付き合いは食事だけでは終わらなかった。

極道の娘は諦めると言う選択肢を知らない。

冨樫は仕方なく由子を食事に誘った。

「葉月、由子と食事に行ってくる、大人しく待ってろ、またヤスシを呼んでおく」

葉月は冨樫に抱きついた。

「どうしたんだ、心配はいらねえ、組同士の付き合いだ」

冨樫は葉月の顎をクイっと持ち上げて、キスを落とした。

「いってらっしゃい」

葉月は目に涙をいっぱい溜めて、冨樫を送り出した。

頬を涙がこぼれ落ちた。

「葉月、愛しているのはお前だけだ」

冨樫はそう言って涙を拭ってくれた。

確かに葉月は冨樫に愛されている実感はある。

でも、相手は極道の娘だ。

極道の冨樫と身体を重ねることは、平気だろう。

冨樫の気持ちを振り向かせるためなら、手段は選ばないだろう。

冨樫も組の付き合いなら、彼女を抱いてしまうかもしれない。

その頃由子もまた、冨樫が欲しくて堪らなかった。

実は由子は冨樫に食事に誘ってほしいと言って、冨樫を葉月から引き離した。

葉月が邪魔だったのだ。

冨樫が出掛けたあと、入れ替わりにヤスシがやってきた。

ヤスシはマンションに入る前に拉致されてしまった。

インターホンが鳴り、ヤスシだと思った葉月は確かめずにオートロックを解錠してしまった。

口にハンカチを当てられ、葉月も拉致された。

気づくと、ロープで縛られて、身動きが出来なかった。

由子はある男性に葉月の拉致を依頼した。

森本、そう、冨樫組を破門された極道だ。

「全く、この女には振り回されてばかりだ」

本来なら、目隠しされるのだが、葉月は目が見えないと知っていた森本は

目隠しはしなかった。

葉月はぼんやりと見えていたので、周りの様子がわかった。

森本の側には白金組の組員もいた。

「さっさとやっちまおうぜ」

「いけません、由子お嬢の言いつけは絶対です、手を出さないようにとの仰せです」

その頃、冨樫と由子は食事を堪能していた。

ここは由子の行きつけの店だった。

次第に冨樫は意識が朦朧として、深い眠りに誘われた。

冨樫組では組長と姐さんの行方がわからないと大騒ぎだった。

しばらくして、冨樫は目を覚ました。

冨樫は全裸の状態で、由子を抱きしめていた。

もちろん、由子も一糸まとわぬ姿だった。

「雅也、夕べは最高だったわ」

冨樫は身体が思うように動かない。

頭もひどく痛む。

薬を盛られたとすぐにわかった。

由子は冨樫の肩から胸に歯を立てて、噛みついた。

そして、冨樫の肉棒にしゃぶりついた。

「やめろ」
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