お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない

第三十五章

雅也さんの恋人？

葉月は毎日、理玖を送った後、冨樫のマンションへ足を運んだ。

理玖のお迎えは藤間の担当だ。

葉月は食事の支度のため、西沢のマンションに帰る。

「藤間さん、ありがとうございました」

「藤間、ありがとうね」

「はい、また明日お迎えに上がります」

藤間はその場を後にした。

そんな生活が続き、冨樫は仕事に復帰した。

葉月が理玖を保育園に送った時には、冨樫は仕事に向かっている。

葉月が西沢のマンションに戻るときには、まだ冨樫は仕事が終わっていない。

葉月の作ってくれた食事を頬張り、スマホを手にすると、すでに時計の針はテッペンを回っていた。

(さすがに、葉月はもう寝てるな)

冨樫はスマホをテーブルに置いた。

葉月は理玖を寝かしつけると、明日の準備に終われ、気づくと朝になっている。

二人はすれ違いの生活をしていた。

(もう、一ヶ月も雅也さんと顔を合わせていないな、寂しい、雅也さんに会いたい)

そんな気持ちが葉月を大胆にさせた。

理玖を寝かしつけてから、葉月は冨樫のマンションへ向かった。