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第2話 バーチャル国家
しおりを挟む真一達はサロンに転送されていた。
3人に遅れて転送されたスナイプは、状況をつかめずに影虎達にたずねた。
「影虎、お前がヤラれるって…。
それもNPCにお前ら3人がヤラれるって…
俺の狙撃失敗のせいか?一発も当たらなかった…すまん…」
もしかしたら自分の狙撃失敗のせいで、影虎達3人が追い詰められたのかも知れない…
スナイプはそう思っていた。
しかし3人の答えは違っていた。
「スナイプも狙撃失敗してたんだ…
やっぱりコントローラーかな…」
呟く様に影虎が言うと、怪訝な顔をしていたケンとやっさんが頷いた。
「コントローラー?ここには、コントローラーなんかねぇだろ。それが何でコントローラーなんだ?」
スナイプの問に影虎達3人は顔を見合せ、軽く頷いてから影虎は話し始める。
「今まではモニターを見ながらコントローラーを使っての操作だった。
感じる重量はコントローラーだけだし、反動もコントローラーの振動だけだった。
でも此処では違う!
銃の重さも射撃の反動も、リアルと同じだと思う!
みんなメシ食ったじゃん?味も匂いも!ここでは全部がリアルと同じなんだ!
だからナイフでは闘えたけど、APCが使えなかった…。
射撃反動で跳ね上がって、ビックリしてパニックってヤラれちゃった…(笑)」
スナイプを見ながらケンとやっさんも頷いた。
スナイプは少し考え
「俺が狙撃を外したのもそのせいか…。
腹這い狙撃だったけど、撃った瞬間肩に反動が来た…
風や重力も…、リアルで再現されてるんだな。その経験がない俺達だから、NPCにやられた…。」
そう言ってうつむいてしまった。
「シマー、凄えじゃん!ネトゲーだけど、サバゲーとか実戦じゃん!凄え、凄えっ!
違うのは、攻撃喰らった時の痛みとか流血とかが無い事!
撃たれたら振動はあるけど衝撃って程じゃないし、痛みも当たった感覚って程度だけ!
僕はシマーを極めたいよっ!僕達はHPもスタミナもフルスペックだし、あとはスキル構成も考えたら、特殊部隊クラスになれると思うんだ!
射撃訓練と格闘訓練しようよ!たぶん世界中のチームは、みんな同じで戸惑ってると思う!訓練の時間はあると思うよ!」
《影虎》が真一に戻り、スナイプやケン、やっさんの3人も、さっき迄の沈んだ雰囲気から一気に昂揚した顔に変化していた。
スナイプにケンにやっさん、彼ら3人も現実世界では運動不足だった。
呼吸が苦しくなったり、筋肉疲労や翌日から数日続く筋肉痛とかが嫌だったからだ。
でも《シマー》の世界ならば、呼吸の苦しさも筋肉痛もない!
動ける!
現実では食べれなかった高級料理も、《シマー》でなら食べれらる!
もしかしたら、女子プレイヤーとの交流も出来るかもしれない!
4人はそれぞれ邪であったり不埒であったり様々な妄想をしていた。
ケンは特に!
ただケンの場合は、邪や不埒な妄想ではない。
ケンは現実世界では、引きこもりの高校生だった。
小学生の時からサッカーをし、中学では全国大会へも行った事がある。
でも高校での通学途中の事故で足を複雑骨折し、その骨折が後遺症を残しサッカーに挫折してしまったからだ。
それから学校へも行かなくなった。
その時に出会ったのが《コール・ザ・ショット》であり、チームのメンバーだった。
《シマー》の世界に入り、1人でのトレーニングモード中にケンは泣いていた。
[走れる!跳べる!事故の前の自分に戻れる!]
骨折の事故も、サッカーボールでドリブルしながら通学してた為に、ケン自身が赤信号を見落とし、車道に飛び出したからだった。
車の運転手に落ち度は無かったのに、何度も謝罪に来てくれた上、保証や通学の送り迎えまで申し出てくれていた。
[悪いのは、僕なのに…]
サッカーを失った事と運転手への罪悪感から、ケンは不登校の引きこもりになってしまったのだ。
「僕にはコザショしか…シマーの世界しかないんだ!やろうよ?
僕はやる!
徹底的に鍛えて、この世界でコザショのトップになりたい!
他の連中とじゃ無理だ!影虎、やっさん、スナイプ!
3人とじゃなきゃ、トップになれない!」
ケンは目に涙を浮かべて叫んだ。
「高校生に言われちゃあね…(笑)
ヤルしかねぇよな!私もここしか生きる場所無いんでね(笑)」
そう言ったやっさんの実年齢は、50歳を越えていた。
元々はエリート官僚で、高級住宅街に家を持ち家族にも恵まれ、順分満帆の人生を過ごし、定年後は田舎に土地を買い、畑仕事をする夢を持っていた。
それが狂ったのは、政治家の不正に関わってしまったからだった。
すべての責任を押し付けられ逮捕され、2年近く刑務所に入れられ、その間に離婚をし、家族も家も将来の夢も失った。
出所後は1人狭いワンルームを借りくらしていた。
『すべてを被ってくれたら、一生君の面倒は見る!』
そう政治家に言われ、やっさんはすべてを被って罰を受けていた。
離婚で家も家族も財産も、一旦はすべてを無くしたが、金だけはやっさんにすべてを背負わせた政治家から、数億円もの口止め料を受け取り、生活に困る様な事はなかった。
それからワンルームに引きこもり、読書やゲームをしていた中で、真一達と出会っていた。
「俺も似たようなもんで、この世界しかないからね(笑)」
スナイプは真一と同じでオタクだった。
今でこそ一部のオタクは市民権を得ている様に見えるが、実際は相変わらず世間から白い目で見られている。
小学校低学年の頃から意味もなく仲間外れやイジメにあい、大学まで進学はしたものの、小学生の頃のトラウマからか、他人とのコミュニケーションに苦痛を感じていた。
唯一、左程は苦痛を感じなかったのがオタク世界だったのだ。
好きなアニメのキャラクターやアイドルのコミュニティの中では幸せを感じる事が出来た!
好きなゲームの中では幸福感だけでなく、それまでの人生の中で感じる事が出来なかった昂揚感も感じる事が出来た。
ただ《コール・ザ・ショット》の世界でもコミュニケーションは苦手だった。
〔野良〕と呼ばれるシングルプレイヤーとして特定のメンバーとプレイする事はなかったが、真一《影虎》達と出会い、チームとして世界ランクを駆け上がる事に生きがいを見つけていた。
他人から拒絶され、他人から話かけられる事、共に行動する事に感じていた恐怖を、真一達は振り払ってくれた!
仲間達と共に闘い、お互いの背中を守る事に喜びを感じる様にしてくれた!
現実世界に生きがいを感じられずにいた者同士がバーチャル世界で出会い、お互いを欠け替えのない仲間と思っていた。
その為に訓練に異を唱える者はなかった。
その頃現実世界では、1人の男が東京の街なかにいた。
秋葉原周辺の、比較的マンションの多く建ち並ぶ地域。
日も暮れて来てはいたが、まだ少し明るい。それでも建ち並ぶマンションの窓、いたる所の窓から、カーテンの隙間越しに緑色の光がもれるのが見えた。
《シマー》デバイスからの光だった。
「こんなに…」
男は《シマー》デバイスの光にため息をつく。
そもそもこの日の秋葉原は朝から変だった。
現在は週末の午後7時。通常であれば、秋葉原には人が溢れている。
ゲームセンターやカラオケ、メイドカフェやネットカフェ。
アイドルグループの劇場があるドン・キホーテ前や、コスプレパフォーマー達で溢れている通りもにも、観客がまばらだった。
平日でも人で溢れている秋葉原では、異常な光景だった。
メイドカフェのちらし配りや、コスプレイヤー、それらをカメラに収めようとするコスカメラーでさえ少ない。
電気街に至っては、壊滅状態だった。
ハッピにハチマキの家電店の店員達も、いつも以上に声を張り上げて顧客獲得に必死だった。
それ以上に街には、スピーカーから流れるセールの録音音声が、あらゆる所から耳障りなくらいに響いていた。
[普段の人混みなら、気にもならないのに…]
街中のスピーカーからの音声にそう思いながら、男は1つのビルに入って行く。
ごく普通の7階建てのオフィスビル。
IT関係の個人オフィスも多い秋葉原では、ワンルームマンションをオフィスビルに改装したビルも多い。
秋葉原のITベンチャー達は、この様な低家賃のオフィスからスタートし、成功すれば銀座のオフィスへと進出して行く。
秋葉原から銀座へオフィスを移す事が、ITベンチャー達のステータスになっている。
その反面秋葉原にこだわり続けるIT社長達もいた。
男は秋葉原にこだわっていた訳ではないが、やはり彼の目的には秋葉原が一番便利だったからだ。
男のオフィスは確かにこの7階建てのビルの一室にあるが、それは一室がオフィスと言うだけでビル自体が男の所有だった。
それだけでなく、そのビルを囲む様に建つ周囲のビル5棟も男の所有で、地下では密かに繋がっている。
合計6棟のビルが男の所有だが、男のオフィスのあるビル以外は無人で、同じような7階から8階建てのビルだった。
他のビル5棟はすべて各階ワンフロアで、1階フロア以外は、すべての階を合計200機以上のコンピュータ・サーバーがしきつめられ接続されていた。
2020年代に運用されたスーパーコンピューター『富岳』を凌駕する能力を、そのビル内のサーバー群200数十機は持ち合わせていた。
男は自身のオフィスに入り、デスクに座りパソコンを起動する。
タイムラグもなくモニターは起動すると、画面に4人のエンジニアを、それぞれ区切られた画面に映し出した。
「みなさん、お疲れ様です。
シマーの反響は凄いようですね?
塩田さん、シマーの配達状況はどんな状況でしょうか?」
男はモニターの4人に問いかける。
「日本の人口に匹敵する1億3000万台が出荷されたようです。
その内、日本だけで2000万台近くが今日到着し、すでに1500万台以上がログイン状態です。」
エンジニアの1人が応え、男はその数に驚いた。
「そんなに?!日本の人口の1割越えてるとは…。」
「時差もありますが、全世界で7000万台がユーザーの手に届き、すでに5000万人がログイン中です…
日本時間の明日の夜明けまでには全ロットがユーザーの下に届き、ログインもすぐに1億こえるのではないかと思われます。」
《シマー》の反響は、想像の遥か上を行っている。
もはや国境を越えた国家と言って良い程のユーザー人口だった。
もちろん《シマー》ユーザーが全員同じゲームをプレイしている訳ではなく、多種多様のゲームをプレイしているのではあるが。
「塩田さん、ありがとうございました。
夏菜さん、ユーザーがプレイしているコンソールやゲーム種はどうなってますか?」
男はエンジニアの1人、唯一の女性の夏菜に尋ねた。
「はい。コンソールに関してはやはりSANYのプレイポートが、ログインユーザー中の6割の3000万人。
次いで仁天堂のスマッシュが1500万人。ナノソフトのZ-BOXが300万人。
残りはパソコンと、ゲームコンソールではありませんがDVDやBlu-rayプレイヤーです。
DVDやBlu-rayと接続した場合、お気に入りの映画やアニメの世界に入り、主人公として物語の体験も可能になってますので。
ただやはり、日本のゲームメーカーが圧倒的な占有率となってます。」
《シマー》の画期的な事の1つに、映画やアニメの世界に入り込める事もあった。
《シマー》にログインし映画やアニメを再生する事で、自分が物語の主人公になったりヒロインになったり出来る事だった。
もちろん主人公やヒロインではなく、その周辺の人物になり主人公やヒロインの活躍を側で鑑賞する事も出来る。
ミュージシャンやアイドルのコンサートやライブ映像に入り込めば、自分がミュージシャンやアイドルになってステージに立ったり、自分の為だけの演奏やパフォーマンスをしてもらっている気分にもなれる。
現実では不可能な事を、自分の理想通りに実現させる事が出来てしまう。
日々の仕事や人間関係に疲れている人々が、《シマー》に熱狂したのが、男には充分過ぎる程理解できた。
だがそれは諸刃の剣!
人々の熱狂度が高ければ高いほど、政治や経済への影響力も強くなる!
世界中の政府が警戒感を持つことは、近い内に考えられる。
もしかして、もう動いているかも知れない。
「政府の動きはどうでしょうか?
飯塚さん、何か掴めてますか?」
別のエンジニアに、男が尋ねると
「日本政府は、何の関心も持って居ません(笑)相変わらずの日和見主義です。
アメリカCIAは、相変わらず当社のサーバーへの侵入を試みていますが、それだけでなく我々に直接接触する動きに出ました。
社長にも、アメリカのITベンチャーから日本法人設立へ向けて、当社の参入への誘いが届いてる筈ですが?(笑)
先日から調査してましたが、つい先程そのベンチャーは、CIAの隠れ蓑企業だと言う事が判明しました。」
「そんな物、届いてたかな?」
モニターの4人は苦笑いをした。
「届いてます(笑)私が社長のデスクの上に置きましたから(笑)」
最後の1人、秘書的な役割りもこなす難波が応えた。
「捨てたかも…興味無かったので…。でもCIAならば、行きましょう。損は無い筈です。
他の国に動きはありませんか?」
飯塚は一度頷いて続けた。
「中国、ロシアも動き出しました。
中国政府はシマー接続を遮断しようとしましたが、失敗しております。
恐らくは今後の購入も禁止すると思いますが、今の中国政府がどこまで国民を押える事が出来るかは…、以前程の独裁力は御座いませんので。
ロシアに関しては、中国程でなくとも警戒感は持っているようですが、接続遮断や禁止までの動きはせず、軍人や官僚にシマーの体験をさせています。
どちらの国も近々、我々に接触を試みて来ると思われます。」
「わかりました。中国やロシアは危険な気がしますね。
早目にCIAと接触しましょう。
みなさんは当面の間、ボディーガードを連れない行動は控えて下さい。」
男自身はボディーガードを付けず1人歩きが多いが、エンジニア達にはボディーガードを付けていた。
ITの世界でヘッドハンティングは日常だが、国によっては拉致や監禁によっての非合法活動まで行う国もあるからだ。
そんな危険から、少しでもエンジニア達を守る為。
男は接続を切ったあと、オフィスの窓から秋葉原の街を見下ろした。
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