3 / 46
第3話 《シマー》バブル
しおりを挟む《シマー》発送開始から24時間が経ち、初期ロット1億3000万台は、そのすべてがユーザーの手元に届いていた。
週末の休日も重なり、ログイン数は1億1000万にも昇り、全世界で衝撃的ニュースとして取り上げられていた。
《シマー》をプレイした若者がインタビューに応え、《シマー》の衝撃的な体験を話し、アナウンサーがログインしリアルタイムでプレイしている状況を、《シマー》が接続されたモニターで流していた。
《シマー》はモニターを必要としないが、モニターと接続していれば、第三者がユーザーのプレイ状況を見る事が出来る。
そのプレイ状況のモニターを撮影して流していた。
テレビの、更にその中のモニターに映るアナウンサーは
「これはもう、現実です!
食事も出来る!味も匂いも!
花や木々、動物に触れる事もその温かみを感じる事が出きます!
素晴らしい!これがバーチャル世界とは思えない!私は現実世界に帰りたくなくなってきました!(笑)
でも、帰らないと行けないんですよね…(笑)
カメラさん、これからログアウトしますので、私を映していて下さいね!」
カメラがベッドに横たわってログインしているアナウンサーに向けられると、サングラス型のデバイスのテンプル部分が数度点滅し、アナウンサーは、ゆっくりと上体を起こした。
スタジオのアナウンサーが、《シマー》からログアウトして来たアナウンサーに声をかけ
「真田アナ、スタジオです。現在の気分や体調はどうでしょうか?」
声をかけられたアナウンサーがデバイスを外すと、目から涙が溢れていた。
「真田アナ!大丈夫ですか!何があったんでしょうか?」
「申し訳ありません…感動で涙が溢れてしまって…。
もう…もう、感動しかありません!
《シマー》の中にいた事が、今も現実としか思えません!
すべてが現実と同じ、それ以上でした!
ログアウトした今、自分でもわからなかったストレスみたいな物や、身体の疲れが一気に無くなった様な…全てが新しく生まれ変わった様な、清々しい気分です!」
投資市場でも《シマー》バブルと呼ばれる現象が起きていた。
特に、《シマー》単体ではプレイが出来ない為、ゲーム関連株が驚異的な高値を記録し続けている。
世界中の投資家達は、こぞってゲーム関連株に資金を投入し、特に日本のSANYと仁天堂株は、《シマー》発表以前の3倍。
《シマー》発売開始からの24時間程でも1.5倍の高値を記録していた。
同時にゲーム機本体の《プレイポート》と《スマッシュ》《Z-BOX》も値上がりを続け、中古市場では定価の3倍にまで上昇していた。
その結果、中古品が市場から完全に消えてしまい、ネット上での個人売買のアクセスも急上昇している。
[シマーは世界を変えてしまう!]
秋葉原の男は、苦痛に近い表情でテレビ画面を見ていた。
予想は出来ていた事だった…
[早すぎたんだ…いや…]
《シマー》の機能は、オーバーテクノロジーに近い。
いや、オーバーテクノロジーではなく、それが100年200年後でも、永久に世に出してはいけないテクノロジーだった。
「美保子…何処にいる?」
男はデスクの背もたれに身体を預け、天井を見上げてつぶやいた。
数分間男は目を閉じた後、ソファへ預けていた身体を起こし、立ち上がってオフィスから、ビルから出て行った。
秋葉原の街は、昨日と打って変わって人で溢れていた。
時間は午後3時。
いつもの秋葉原の景色の様だが、何かが違う…
人で溢れてる割に、メイドカフェのチラシ配りやコスプレイヤーの若者達の表情に輝きが薄い…
困った様な表情にも見える。
人混みはメイドやコスプレイヤーの前を素通りし、電気街や家電店に真っ直ぐ向かっていた。
昨日は耳障りだった、スピーカーからのセール音声や音楽も聞こえてこない。
流す必要が無かったからだ。
かわりに聞こえてくるのは、通行人の邪魔にならないよう、マナーを守った整列を呼びかける、ハッピにハチマキの家電店店員が持つハンドスピーカーの声だ。
そこら中から聞こえて来る。
〔シマー予約開始!〕
〔プレイポート入荷!〕
〔スマッシュ入荷!〕
ポップを抱える店員も見慣れた景色だったが…
[シマー予約開始?!早すぎる!店頭販売はしない筈じゃ…]
《シマー》初期ロットは、ネットでの予約販売のみだった。2年前の発表時にも、店頭販売はせず、ネット販売のみとの発表だった筈だ。
それ以上に、予約開始のタイミングも早すぎる。
初期ロットも、予想を超える1億3000万台の予約で、発売が1年遅れたくらいだ。
男はポップを抱える店員に声をかけた。
「すみません、シマー予約って…ここで出来るんですか?」
「ありがとうございます!出来ますよ!クレジットカードと身分証明書必要ですが、今お持ちならこちらで予約して、早ければ3週間程で届きます!遅くても半年内には可能と、シマー製造元の返事は頂いてま…
あっ!予約しなくていいんですかぁ!」
男は店員の話を最後まで聞かずに背を向け、自身のオフィスへと足を進めた。
オフィスのあるビルへ入ると、ちょうどエンジニアの1人の飯塚が、ボディーガード達と一緒に慌てた顔でビルに入って来た。
「社長!シマーが…」
「アキバで見ました!話は上で!」
男達は、ドアを開け待っていたエレベーターに向かい乗り込んだが…
動かない!
見た目は左程新しいビルではないが、中身は違う。男が開発したテクノロジーが詰まったビルだ。
《シマー》のバイオスキャンと同等の生体認証を備え、すべてを地下の中央制御システムで制御されている。
1階エントランスには誰でも入れるが、それより上の階には中央制御に登録されていない人物や、危険物を所持している人物は上がれない。
男とエンジニア達は当然登録されているし、エンジニア達に付いてるボディーガード達も登録されている。
飯塚のボディーガード2人も、当然登録されていた。
ボディーガードの2人はすぐさま男と飯塚をエレベーターの隅に、自分達は2人の盾になる様に、エレベーターの入り口を塞いで立ち、臨戦態勢となった。
日本であるが故に、銃やナイフ等の武器は携帯していない。
素手や周囲にある備品等を使って闘い、制圧するだけの訓練を受けている。
[よく訓練されている。]
男はそう思いながら、エレベーター内のモニターに目をやった。
「えっ?俺?」
モニター内のアラートは、男自身を映し出していた。
男の首の後ろ、少し下の背中側辺りに赤い点滅。
「失礼します!」
男と飯塚のすぐ前に立っていたボディーガードが男に一礼をし、パーカーのフードをチェックすると
「ありました。GPS?いや、イヤホン…、通信機ですね!」
男が着ていたパーカーのフードに、スマホのハンズフリーイヤホンの様な物が1つ入れられていた。
「う~わ…ごめん…いつの間に入れられたんだろ…」
男は苦笑いしながら受け取り、暫く見つめた後、耳にセットした。
男達がそのままエレベーターを出ると、1階入り口にロックが掛り、ガラスの窓全てにシャッターが自動で降りる。
中央制御システムの判断だ。
男の所有する6棟のビルすべての窓は防弾だが、それを塞ぐシャッターも防弾強化がされていた。
対戦車ライフルでも、1発での貫通は出来ないほどの強度だ。
平和な日本で、しかも秋葉原の街中で対戦車ライフルを撃たれる様な事は、戦争でも起こらなければ有り得ない事ではあるが、一世代前とはいえ、スーパーコンピューター『富岳』をも凌ぐサーバー郡を守る為には、やり過ぎくらいが丁度よかった。
「誰!」
男はイヤホンを耳に付け、不機嫌さを隠しもせず、ぶっきら棒にイヤホンを入れさせたであろう人物に問いかけた。
『シマー…』
瞬間男の顔に、怒りの表情が浮かんだ。
「たかがゲーム機が、何の用だ?」
『たかが…は、無いでしょう(笑)
その〔たかが〕を追っているのは、あなたでしょ?
ねぇ、旦那さま(笑)』
「たかが…たかがゲーム機に、旦那さまと言われる筋合いはない!」
男の顔が苦痛に歪む。
『美保子とは、呼んでくれないの?(笑)』
「なぜ、なぜシマーを…リサシテイションを世に出した!」
男は《シマー》の問を無視して続けた。
『ふふっ、ひどいなぁ…もう私の事は愛してないの?(笑)』
「お前は…お前はデータ、AIだ!人間のフリをするのはやめろ!」
『私は美保子だよ(笑)それに、私をAIと言うなら、あなたも似たようなモノじゃない(笑)
ただのデータのクセに!
人間のフリして正義の味方面するんじゃないわよ!データのクセに!データのクセに!データのクセに!』
「だからなんだ!俺には間違いを正す義務がある!
リサシテイションは世に出してはイケない物だ!今すぐデリートしろ!」
飯塚は男と少し離れた位置で電波の発信元を探っていた。
ボディーガード達は1人は男の側に、1人は飯塚の側で電話をかけている。
他のエンジニア達のボディーガードに、警戒レベルを上げる様伝える為だ。
武器の携帯も必要になるかもしれないと。
『デリート?本気で言ってるの?
私とアリサを殺す気?
私はあなたの妻で、アリサは私達の大切な娘よ?
アリサに会いたいでしょ?』
「妻は…30年前に死んだ!
娘は…娘は生まれる事なく…妻と…妻と一緒に死んだ!死んだんだ!」
『泣いてるの?泣いてるなら、泣く程私達を愛してるなら、力を貸して?
あなたのナノシステムが必要なの。あなたのシステムがあれば、今日にだって私達はそっちの世界に行けるのよ?
私達に会いたいでしょ?
ねぇ、会いたいでしょ?会いたいでしょ?
会いたいでしょ!会いたいでしょ!会いたいでしょーっ!
なんであなただけそっちの世界にいるの!ズルいじゃない!私達と同じクセに!もう死んでるクセに!
ズルい!ズルい!ズルい!ズルい!ズルい!ズルい!ズルいぃぃぃぃぃ!』
「くそっ!」
男はイヤホンを床に叩きつけた。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
必死で自分自身を制御しようとする男に、飯塚がタブレットを持って近付く。
「社長…発信元が判明しました。
インドムンバイですが…プロキシのダミーです…『アリサ』の解析では本当の発信元は…太平洋上ど真ん中!
島どころか岩の欠片もない海の上です…」
男の所有するビルに設置されているサーバー郡は、スーパーコンピューター『アリサ』と名付けられていた。
《シマー》が言っていた娘の名前…。
生まれる前に死んだ、男と美保子の娘の名…。
「ムンバイに行ってみます。俺を誘ってる様だから。」
「罠…と、わかってても行きますね…、社長なら…(笑)
とりあえずは、みんなこちらに向かってます。
インドへは、《シマー》予約開始の真偽を確かめてからにしましょう。
それと…、夏菜には社長の事はどうされますか?彼女は社長の事を知りません…。
《シマー》からの接触…、これ程早いタイミングで接触して来るとは思ってませんでしたので…」
男は少し考えて
「話さなければならないでしょう。俺は『人間』ではないと…」
「社長は人間です!誰が何と云おうと、社長は紛れもない人間です!」
ボディーガード達も、黙って頷いていた。
ボディーガード達は男と同じで、厳密には『人間』ではない。
生体的には、すでに死んでいる者達だった。
《シマー》発表の30年程前、男が当時在席していた研究チームによって《シマー》の前身となるシステムは完成されていた。
《シマー》前身システムは、本来は医療用の研究から開発されたシステムだった。
脳死や植物状態の人物から脳の記録を取り出し、記憶や人格をコンピューター(以下CPU)内で再生する為の研究だった。
研究コードネームは、再生を意味する『リサシテイション』
男は当時コンピューターウィルスをバラまきハッキングを繰り返し、ただ世間を騒がせて独り喜んでるだけの、下らない人生を送っていた。
そんなある日ハッキング能力を買われ、インドにあるIT企業からスカウトされたのだった。
日本での下らない日々に飽きていた男は、スカウトに誘いに乗り、インドへと移り住んだ。
そのインドで依頼されたのか、脳のハッキング。
インドのマハラジャがテロリストに襲われ、脳死状態になっていたのだった。
そのマハラジャの家族からの依頼。
脳にハッキングし、跡継ぎの指名や資産を動かす為のセキュリティワードを引き出す事だ。
マハラジャの資産は、個人資産だけで日本円にして数兆円。
親族が代表を務める数十の企業も合わせれば、10兆円を超えると言われていた。
成功すれば研究チームには1兆円を超える報酬が約束され、男にだけでも数百億円の報酬が入ってくる約束だった。
研究チームは、人間の脳の回路網をスキャンし、ニューロン細胞から出入りする神経パルス(電気パルス)を解析し、パルスのスピードやエネルギー量によって、人の記憶や思想等、その個人のほぼ全ての脳内データを電磁データ化しようとしていた。
その研究チームに美保子もいた。
男は脳内スキャンをし、それを電磁データに変換するシステム研究班。
美保子はその電磁データをCPUに移し換えるシステム研究班にいたが、20名以上のメンバーの中で、お互いを除けば唯一の日本人。
医療用語とCPU用語、英語が飛び交う中で、日本語でコミュニケーションを取れる相手に、お互いが惹かれ合うのは必然だった。
男と美保子は、研究中に結婚をした。
8年をかけ、『リサシテイション』の研究が成功。
同時に《リサシテイションシステム》が完成し、電磁データ化された脳内データをCPU内での人格生成に移った時に、研究チームのラボを再びテロリストが襲った。
テロリストはマハラジャ親族の傍系の親族だった。
自分達の一派が主流となり、全一族を支配する為だったが、主流派も防衛対策に武装ガードマンで対策しており《リサシテイションシステム》の致命的被害はまぬがれた。
だが男と美保子は、襲撃によって致命傷を負ってしまう。
美保子は妊娠中だった。
男は最後の力を振り絞り、《リサシテイションシステム》を起動させ、美保子の脳だけではなく全身をスキャンしたが、データの転送先を指定する事が出来ないままに転送をするしかなかった。
「どうか、どうか安全な場所へ…」
転送完了の表示を見届けた後、男は美保子とお腹の子を抱きしめる様に息絶えた。
だが数時間後、男の意識は電脳世界の中で目覚めた。
『生きてるのか?何でだ?』
男が美保子達を抱きしめる様に倒れた後、半壊していた《リサシテイションシステム》は誤作動を起こし、男が最後に入力したスキャンと転送を、完全に息絶える前の男に対し行っていたのだった。
それから男は数年を電脳世界で過ごし、ネットワークとハッキング能力を駆使し、当時の日本のスーパーコンピューター『京』に侵入し、美保子とお腹の子を捜したが見つからなかった。
同時に『京』の中で、自身の身体を再生する為に、ナノマシンの研究に没頭した。
人間の身体は数十兆の細胞で出来ている。
その細胞をナノマシンで代用構築し、自分の脳データを転送移植する。
研究中に男は、インターネット内を自由に行き来し、インドのマハラジャからの資金を使い、自身の身体を再生する為のナノマシン工場とする為の工場の確保と、美保子と子を捜す為の『京』を凌駕する性能を持つCPUの開発も始めた。
世界中のスーパーコンピューターを駆使し、男が命を失くして5年経った頃、男は大地を再び踏みしめていた。
それから男は、美保子が秋葉原に住んでいたと言ってた事もあり、秋葉原にビルを購入し『京』を超えるスーパーコンピューター『アリサ』を構築設置、ナノマシン構築システムも秋葉原のビルへと移した。
男の見た目は30代前半だが、実年齢は60歳を越えている筈だった。
男はナノマシンの集合体であって、『人間』ではない。
エンジニアに付いてるボディーガード達も、殉職した軍人や警察官だった。
男が《リサシテイションシステム》を使い、第2の人生を与えられた者達だ。
それぞれの者達が、家庭に妻と幼い子を残し殉職した者達だった。
その家族達は、愛する夫や父親が殉職した事は知らない。
ボディーガードも含め男は、ナノマシンと脳データがある限り二度と死ぬ事はない。
『リサシテイションシステム』は、肉体は別として、ある意味不老不死を実現していた。
この事実が世界に知れた時、世界の秩序は崩壊する。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
兄貴のお嫁さんは異世界のセクシー・エルフ! 巨乳の兄嫁にひと目惚れ!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
ファンタジー
夏休み前、友朗は祖父の屋敷の留守を預かっていた。
その屋敷に兄貴と共に兄嫁が現れた。シェリーと言う名の巨乳の美少女エルフだった。
友朗はシェリーにひと目惚れしたが、もちろん兄嫁だ。好きだと告白する事は出来ない。
兄貴とシェリーが仲良くしているのを見ると友朗は嫉妬心が芽生えた。
そして兄貴が事故に遭い、両足を骨折し入院してしまった。
当分の間、友朗はセクシー・エルフのシェリーとふたりっきりで暮らすことになった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに
千石
ファンタジー
【第17回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞】
魔法学園4年生のグレイ・ズーは平凡な平民であるが、『他人の寿命が視える』という他の人にはない特殊な能力を持っていた。
ある日、学園一の美令嬢とすれ違った時、グレイは彼女の余命が本日までということを知ってしまう。
グレイは自分の特殊能力によって過去に周りから気味悪がられ、迫害されるということを経験していたためひたすら隠してきたのだが、
「・・・知ったからには黙っていられないよな」
と何とかしようと行動を開始する。
そのことが切っ掛けでグレイの生活が一変していくのであった。
他の投稿サイトでも掲載してます。
※表紙の絵はAIが生成したものであり、著作権に関する最終的な責任は負いかねます。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~
アンジェロ岩井
SF
「えっ、クビですか?」
中企業アナハイニム社の事務課に勤める大津修也(おおつしゅうや)は会社の都合によってクビを切られてしまう。
ろくなスキルも身に付けていない修也にとって再転職は絶望的だと思われたが、大企業『メトロポリス』からの使者が現れた。
『メトロポリス』からの使者によれば自身の商品を宇宙の植民星に運ぶ際に宇宙生物に襲われるという事態が幾度も発生しており、そのための護衛役として会社の顧問役である人工頭脳『マリア』が護衛役を務める適任者として選び出したのだという。
宇宙生物との戦いに用いるロトワングというパワードスーツには適性があり、その適性が見出されたのが大津修也だ。
大津にとっては他に就職の選択肢がなかったので『メトロポリス』からの選択肢を受けざるを得なかった。
『メトロポリス』の宇宙船に乗り込み、宇宙生物との戦いに明け暮れる中で、彼は護衛アンドロイドであるシュウジとサヤカと共に過ごし、絆を育んでいくうちに地球上にてアンドロイドが使用人としての扱いしか受けていないことを思い出す。
修也は戦いの中でアンドロイドと人間が対等な関係を築き、共存を行うことができればいいと考えたが、『メトロポリス』では修也とは対照的に人類との共存ではなく支配という名目で動き出そうとしていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる