リサシテイション

根田カンダ

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第7話 皮肉

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 美保子は嶋を見付けた後に、【田中学】のデータを集めた。

 【田中学】は東日本を襲った大震災と巨大な津波により、親族をすべて失っていたのだが、当時は10歳前後であり、小学生だった。

 それなのに!

 在席していた学校には確かにデータは残っているが、写真や映像など一切残っていなかった。
 その後の中学校までのデータもあったが、その中学生時代も写真や映像データなどは残っていなかった。
 更に中学校を卒業した後の経歴は一切不明で、10年ほど前に莫大な資金を擁し突然IT業界に現れ、パソコンのセキュリティ・ウォールやプロセッサ、第六世代コンピューター理論等で注目を浴びた。



 嶋と美保子はインドで出会ってから、第六世代コンピューターについても語り合っていた。
 特に嶋が熱く語っていたのが、量子コンピューターと、人の脳構造をモデルとしたニューロコンピューターだった。


[脳をハッキングした智彦さんなら、もしかしたらニューロコンピューターを開発しているかもしれない…]


 量子コンピューターは大規模集積回路の第四世代コンピューターであるが、AIやその後のCPUの進化によって、第五世代以降への対応には最適のハードだった。


 嶋の開発したスーパーコンピューター『アリサ』は、メインコンピューターは量子コンピューターで、量子コンピューターの制御をメインフレームやスーパーコンピューターで制御している。
 量子コンピューターは、1つの問に複数の答えを出してしまう為、1つの問に1つの答えを出す様に通常コンピューターで制御しているのだった。

 その為に『アリサ』は、量子コンピューターである中央制御システムがメインフレームやサーバー郡を含めたスーパーコンピューターを制御し、スーパーコンピューターが【中央制御システム】を制御すると言う、相互制御を行っている。


 人間の脳をハッキングしデータ化した《リサシテイションシステム》は、AI制御による第五世代コンピューターを超え、第六世代のニューロコンピューターのテクノロジーだっだ。

 だがナノマシンによって構築されている『アリサ』は、数世代の進化を飛び越え、【コンピューターの究極】とも言われる人間の脳(しかもその脳が嶋の脳である)、にまで進化した第九世代コンピューターであり、嶋自身も第九世代コンピューターとも言えた。

 

 美保子は嶋の語った量子コンピューターとニューロコンピューター理論を、忘れてはいなかった。



[智彦さんは、量子またはニューロコンピューターを開発している。
 テロ攻撃で死亡している智彦さんが現実世界に復活できたのは…クローン?]

 ペンタゴンのデータでは、クローンや実子の可能性とあったが、【田中学】の映像データは嶋そのモノ。
 

[智彦さんは出会った時、恋人もいなかった。田中学が実子の可能性はない。
 クローンも…違う気がする…。もしクローンなら、智彦さんの死体からDNAを採取した?]


 だが嶋はCPU関連には極端に特化していたが、物理学や生物学など他の分野に関しての知識は皆無だった。
 《リサシテイションシステム》に関しても、インドに移ってから詳細を聞かされており、自身の脳情報もスキャンし、クローンに移植する様な発想も持ってはいなかった。


 他のエンジニア達の中には、そんな発想を持ったエンジニアがいたかもしれないが、口に出した者もおらず、美保子も考えた事はなかった。

 嶋や自分達の死後、なんらかの組織が嶋や自分達のDNAを採取した可能性はあるが、ペンタゴンにその様なデータも情報も無かった。


 ただ嶋が《リサシテイションシステム》を使用したのは間違いない!
 でなければ嶋と同じ理論を持ち、嶋本人としか思われないルックスの【田中学】と言う人物の説明がつかない!



 美保子は智彦がどうやって身体を手に入れたのか調べる事にした。



[いくら智彦さんでも、CPUの電脳世界で痕跡を完全に消すのは不可能な筈!]


 そう考え嶋の痕跡を探したが、嶋がデータとして活動していた時期は現実世界の20年近くが経ち、その間のCPU端末は進化が著しく、すでに嶋が頻繁に立ち寄っていた様な端末や、それに残るであろうデータの破片すら見つからなかった。

 美保子は再度ペンタゴンのスーパーコンピューターのデータの【田中学】と嶋のデータを探った。

[ペンタゴンならば、過去数十年のデータが残っているかも知れない!]

 そう思っての事だった。

[あった!]

 それは簡単に見つかった。

 ペンタゴンのスーパーコンピューターのサテライトである《エシュロン》。
 ペンタゴンの下部組織であるNSAアメリカ国家安全保障局に、嶋と思われる通信記録があった。


 【UNKNOWN】正体不明のインターネット通信。


 20数年前に突如として現れ、驚異的なスピードで全世界の通信網を駆け巡っていた。

 【田中学】の親族を全滅させた20年程前の日本の、巨大な津波を伴った震災を、美保子は知らない。
 それに【UNKNOWN】の接触先は全世界のスーパーコンピューターが主で、特に当時のアメリカのスーパーコンピューター『ジャガー』やペンタゴン。
 

[間違いない!智彦さんだ!
 ここにもやっぱり来ていた!私達を見付けてた!
 それなのに…自分だけ現実へ復活して!許さない!]

 
 しかもその正体不明の通信がつながった後のCPUは、エンジニア不明のバージョンアップが行われ、次期スーパーコンピューター開発を数年は早めていた。


[こんな事が出来るのは、智彦さんしかいない!]


 確かにそれは嶋だった。
 嶋は美保子とお腹の子を捜すために、スーパーコンピューターのプログラムを書き換え処理能力を限界まで引き上げていた。

 日本、アメリカ、イギリスのスーパーコンピューターをつなぎ、ハッキング処理効率をあげ、さらに他の大国のスーパーコンピューターや、人工衛星すらハッキングして行っていたが、ペンタゴンには侵入出来ず、美保子と子を見つける事が出来なかった。

 美保子自身もアリサを守る為、無意識にペンタゴンのサテライトコンピューターまでもを、その性能を上げ、嶋だけでなく世界中からのハッキングを阻止し続けていた。

  
 嶋と美保子、お互いがお互いと気づかずに闘っていたのだ。


 先に諦めたのは嶋。嶋が侵入出来ない程のセキュリティを、ハッキングや暗号解読は専門外の美保子に出来るとは思えなかったからだ。



 だが美保子がペンタゴンに侵入した時期のセキュリティは脆弱で、ハッキングや暗号解読の専門知識を持ち合わせない美保子でも、セキュリティを破る事は難しくなかった。

 インドでの研究中に、嶋のハッキング方法や、《リサシテイションシステム》が完成した時の為に、セキュリティシステム開発を嶋が行っていたからだった。



 嶋よりも数分ではあるが早くにデータ化され電脳世界へ入った美保子は、世界中のスーパーコンピューターで開発中だったハッカー対策、それも【嶋】が行っていたハッキングに特化したアルゴリズムと、嶋が開発中だったセキュリティシステムを融合させた鉄壁のセキュリティを、一瞬の内に確立してしまっていた。


 嶋は、嶋自身が開発したとも言えるセキュリティと闘っていたのだ。嶋自身の理論により、数分前に開発されたたシステムとも知らず。


[もしかしたら、タイミング悪く廃棄されるCPUに入り込み接続が切れてしまったか、何かしらの事故によって、どこかの端末内で眠りについたか、それとも通信ケーブルが切断され、消えてしまったかも知れない…]


 諦めた訳ではないが、そう思うようになっていった。



 美保子も、自身が嶋の侵入を阻んでいたとも知らず、嶋について調べれば調べる程に憎しみが増大して行った。

 美保子は【UNKNOWN】と名付けられた嶋の通信記録を追い、ある時期から特定の方面に集中してる事を突き止めた。



 中国生体ナノマシン開発と思われる極秘施設の、その一部と思われる研究施設。そこから数十キロ離れた小さな工場。


 中国は生体ナノマシン、人工的に製造された病原菌やウィルスも生体ナノマシンに含まれるが、それらだけでなく無敵の兵士を造り上げる為、義手や義足等を生体ナノマシンで造り上げる研究を進めていた。

 嶋はその何らかの事故か理由により使用されなくなったラボに侵入していた。
 そのラボは、嶋が侵入したと思われる約2年後に原因不明の爆発事故によって破壊されていた。
 少し離れた場所の工場も。


[ニューロコンピューター!ニューロコンピューター理論を持つ智彦さんなら、生体ナノマシンシステムを確立し、身体をナノマシンで造り上げる事は出来る!
 田中学は、生体ナノマシンで造り上げられた智彦さん自身!]


 インドでの嶋との研究と生活の中で、嶋は量子コンピューターの先の、ニューロコンピューターの理論を語っていた。
 AIや量子コンピューターも、ニューロコンピューターの一部とも言えるが、嶋の語ったニューロコンピューターは、生体ナノマシンとシナプス結合の相互作用を用いて、人間の脳の完全再現だった。


[脳をハッキングした智彦さんなら、生体ナノマシンを使った脳の再現は可能だわ。
 脳だけでなく、身体も…。
 身体の再生が終わって、すべてを消すために爆発事故をおこしたのね!
 リサシテイションシステムだけじゃなく、生体ナノシステムとニューロ理論も智彦さんは持ってる!
 それがあれば、私とアリサも現実世界に帰る事が出来る!
 アリサに世界を見せてあげる事が出来る!]


 美保子はペンタゴンのアリサの下へ戻り、まだ眠るアリサの頬を優しくなでた。

[世界を見せてあげるからね!]

 その時、2人が暮らすバーチャル世界の【部屋】の外から、恐竜の様な咆哮が聞こえてきた。


 美保子が慌てて外に飛び出すと、太古の世界の様な景色が拡がり、恐竜の様な怪物と鎧を着込んだ戦士達が闘っていた。


「なにーっ?!何これっ?!
 恐竜?!闘ってるの?」


 【恐竜】は火を吹き空を飛び、尻尾や鋭い爪や牙で戦士達を襲い、戦士達は大きな刀や槍、弓で応戦している。

 美保子が驚いていると、部屋の中からアリサの泣き声が聞こえて来た。

「わぁあぁ~ん!」

 美保子は慌てて部屋へ入ると、アリサがベッドの上で起き上がり、声をあげて泣いていた。


「ママーッ!」

「ごめんね、ごめんねアリサ!ママはここにいるよ!ごめんね!」


 美保子が抱きしめるとアリサも抱きつき、鼻をすすりながら、徐々に泣き止んでいった。

 美保子はアリサの頭をナデながら

「怖かったねぇ。寂しかったねぇ。ママはここにいるよ?ママはずっとアリサと一緒だよ?
 可愛いアリサ。いい子だねぇ。アリサは可愛くていい子。私のアリサ。」

 ふと気付くと、【恐竜】の咆哮や戦士達の叫び声が聞こえなくっていた。

 美保子はアリサを抱いたまま、恐る恐る窓に近付いて外を見ると、外は元の草原の景色に戻り、先程の太古の闘いの痕跡はまったく消え、怪物や戦士達の姿も無くなっていた。


[なんだったんだろう?]


「怪獣出てきたの…」

 まだ涙の浮かべた瞳で美保子を見つめて、アリサは言った。

「怪獣?」

「うん!すっごく大きくて、爪が尖ってて怖かった…
 お兄ちゃん達が、コラーッ!してたの…」

 さっき美保子が見た景色だった。

[テレビか映画の景色かな?]

 ペンタゴンのCPU内には、過去のテレビや映画の情報もあった為、その中の1つだろうと美保子は思った。


[この子はやっぱり智彦さんの子だ。ペンタゴンの中の景色デーアを見ただけで再現出来てる。現実とまったく同じに。
 バーチャルって言葉も知っていた…バーチャルの立体的再現…あれから20年は経ったんだよね…]


 美保子がまだ日本にいた頃、対戦格闘ゲームやレーシングゲームで3Dバーチャルのゲームが登場していたが、まだまだアニメ的で決して『リアル』ではなかった。
 テレビや映画のCPUグラフィックも稚拙で、『つくり物』でしかなかった。

 
[あり得る進化だね。アリサも成長したら、きっと智彦さんを超える!
 私の中にあるリサシテイションと、アリサの能力を使えば、智彦さんにメッセージを伝えられる!私達が生きている事を伝えられる!]


 嶋に対して芽生え始めている憎しみを、自分達を見捨てたのかどうかを、メッセージを伝える事で確認しようと美保子は思った。


[アリサの父親なんだから。もしかしたら、今私達を捜すのが危険だとしたら、今私達を現実世界に戻す事が、私達に、アリサに危険だとしたら…
 きっとそうなんだ!だから今、私達を捜さないんだ!リサシテイション開発中の危険性が、もしかしたら20年以上経っても消えてないとしたら!
 事実智彦さんは、監視されている!]


 嶋を憎む気持ちを抑え、信じようと美保子は決意したが


[とにかく私達が生きている事は知らせないと!]


 美保子は《リサシテイションシステム》そのモノが危険と気付かず、システムを使用したメッセージを送る手段を考え始めた。

 

 そのヒントを探す為にペンタゴンは最適の場所だった。

 通信傍受システムの《エシュロン》だけでなく、アメリカ中のスーパーコンピューターとつながり、人工衛星の制御も出来る!
 ありとあらゆるデータがある!
 娯楽や文化から、軍事データまで!


 【人間】であるならば処理しきれない膨大なデータや情報量も、自身がAIでありデータであり、嶋と同等の第九世代コンピューターとも呼べる美保子には、大した情報量でもなく、かつて嶋が全世界のCPU端末、衛星から家庭用端末まで支配下に置いていた様に、世界中の端末を支配する事は、簡単な事だった。


 《リサシテイションシステム》を使ったメッセージ用端末を制作するのも、嶋がおこなった様に


[どこかの研究施設と工場を使えばいい。]


 《リサシテイションシステム》を永遠に封印しようとしていた嶋の通った道筋が、皮肉にも《シマー》を世に出してしまう事になったのだった。



 
 

 
 




 


 



 



 


 
 





 

 
 


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