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第22話 ダンジョンボス1
しおりを挟むマッテオが機嫌良く鼻歌を歌いながら歩いている。
ギルドで会う度に
「ダンジョンについて来て。」
とうるさいので仕方なくついて来た。
11階層迄は転移魔法を使って行き探索を再開した。
やはり魔物達はわしを遠巻きにして近づいてこない。
弱い魔物は片っ端からドロップアイテムを残して光の粒になって消えてしまう。
マッテオ達はそれを拾うだけになってしまう。
せっかくレベルが上がっているんじゃから試してみたいじゃろう。
わしは自分が出している魔力を抑え込んでみた。
なんだか鼻をつまんでいるみたいな息苦しさがあるがその内慣れるじゃろう。
魔物が少しずつ近づいてくるようになる。
ユリアンナがそれを察して
「前方右手の方から魔物が来るわ。タピタ、マッテオ準備して。」
と声をかける。
まもなくオークが3体見えてくる。
カーラがみんなに身体強化をかける。
続いてファイアーボールを3っつに分けてそれぞれをオークにぶつけて動きをけん制する。
タピタがオークの一体に飛び込んで盾を打ち付けて動きを止めマッテオが首をはねる。
その間ユリアンナが素早い動きでオークの背後に周りダガーで切りつけて撹乱する。
良く連携が取れている。各々の役割が理解できている。
感心じゃ。
まもなくマッテオ達は3体のオークを倒す。
一度に5体ぐらいまでなら大丈夫じゃろう。
都合良くこのダンジョンは1回に遭遇するのは5体迄に設定されている。
ここのオークはお肉をドロップするんじゃ。
今日の夕食は焼き肉じゃ。
とのんきにしているとタピタが吹き飛んで来た。
怪我をしている様子はないので大丈夫じゃろう。
ちょっとばかり強い魔物が出て来たようじゃな。
タピタはすぐに立ち上がって魔物に向かって行く。
なかなかの闘志じゃ。
金棒をふり回しているのはオーガか。
でかいし筋肉もりもり。
動きこそ単調じゃがあの金棒は当たるとマッテオでもかなりのダメージをもらうじゃろう。
じゃがあのくらいなら今のマッテオ達なら大丈夫じゃろう。
せっかくレベルが上がってダンジョンに来たのだから少しは暴れてみたいだろうしな。
魔物達の方が迷惑しているんじゃないか。
タピタが盾に金棒を受けて吹き飛ぶとカーラが炎の壁をつくって防御する。
マッテオが剣を振ってオーガの気を引くとユリアンナが背後に回ってダガーでオーガの足首の腱を狙う。
またまたいいコンビネーションじゃ。
こいつらはお互いの動きを良く見て連携している。本当にいいパーティじゃ。
多少のパワーレベリングをしても問題なさそうじゃな。
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