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第105話 暗冥の王3
しおりを挟む目覚めるとやっぱりレティシアの抱き枕にされている。
わしはリルのふさふさのしっぽを抱えている。
そして足元で丸くなって寝ているムートとアサン、定位置じゃ。
銀竜のギンやら邪神ジェノツマルヤまで同じベッドで寝ているってどんだけデカいベッドなのか。
というより大体みんな小柄なのかも。
ボーっとしたままベッドから降りようとすると、まるで待ち構えていたかのようにメイドにひょいと抱えられて連れ去られる。
メイド達が気が済むまで着せ替え人形のように色々な服を取っ替えひっかえするとダイニングにつれて行かれる。
「お前は誰じゃ?」
知らない少年が普通に朝食を食べている。
魔法使いだろうか。
ローブの黒い生地に精密な魔法陣の組み合わせがミスリルとオリハルコンの糸で描いてある。
かなり上級の魔法使いじゃ。
ポケットから3匹のネズミも顔を出して必死になってチーズやハムを食べている。
「お前こそ誰だ、ここに勇者がいると思って来たんだが?」
誰じゃかわからんがちょっと意地悪な気持ちになって来た。
いひひ。
「ああ、勇者なら魔王のところに行っているんじゃないか?」
と言うと少年がポンと消えた。
そしてすぐにポンと現れた。
「アーシェルが勇者は来ていないと言っていたぞ。」
おっ、温泉まんじゅうをもらって来たのか。
こいつはわし以上の魔法使いなのでは?
ポケットの中から顔を出したネズミ達がチューチュー騒いでいる。
人間以外は嗅覚のせいなのか勇者を簡単に見抜くからきっとばれてるんじゃろ。
ネズミ達に人化阻害の魔法がかかっているので解いてやる。
メイド服の可愛いお姉ちゃんになった。
「こいつ嘘つき、勇者のくせに。ご主人様こいつもネズミにして。」
と半泣きで怒っている。
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