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八話 ジャックはいつも傍に
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学校が終わるとマーガレットが足早に近づいてきて何か言いたそうにしてたけど、不意に皆の視線が怖くなり、一人で校門を抜け気づけば自宅へ戻るためのマイ馬車に乗り込んでいた。
この学園は一人一台馬車の貸出があり、自由に使うことが許可されている。
だって犯人扱いされてるから、一緒にいたらマーガレットも仲間だと思われたら嫌じゃない? マーガレットの気持ちは嬉しいけど犯人を探すなんて到底不可能だ。昼間の皆がいる時間に盗んでいるのか、それとも夜の間に学校の関係者では無いものが勝手に侵入しているのか検討もつかないからだ。
家に戻るとお母さんは私の顔を見て少しびっくりした様子だった。よっぽど酷い顔をしてたんだと思う。
「学校で何かあった?」
心臓がバクバクしてくる。学校から逃げて来たなんて言えない。
「忘れ物したから……」
咄嗟に嘘をついてしまった。喉に何かが引っかかるような掠れた声で。
さすがに学校で泥棒扱いされてるなんて口が裂けても言えない。心配かけたくない後ろめたい気持ちで2階の部屋に戻り静かに鍵をかけた。
明日からどうしよう。このままここにいたら、私が犯人てことになってしまう。なんて馬鹿なことをしたんだろ。やってもないのに。頭の後ろ首筋が凝ったように痛くなってくる。
「メアリー! ちょっと来て。パンとスープ用意したから」
こういう時のお母さんの声は信じられないくらい優しく聞こえて、思わず学校での顛末を話して楽になりたいと思ってしまう。
下に降り俯いてコーンスープをすすると酸っぱい。涙が流れてきて味が分からない。
「どうしたの? 何かあったの?」
「ううん。何でもない。忘れ物もあったし戻るね。学校」
「メアリ。無理だけはしないでね。新しい環境に入れば必ず邪魔をしてくる人間は少なからずいるわ。でもねあなたが知らないとこであなたの事を大切に思っている人もいるの。その人のことを大切にするといいわよ」
お母さんは何でもお見通しだ。客商売をしているせいか、人の心が読めるんじゃないかと思う時もある。もちろん大切な人はマーガレットの事だ。
このまま犯人が分からないと、いつまで経っても私が疑われてしまう。クラスメイトは嘘つきアミの話を信じてはいないと思うけど、犯人扱いされたまま学園生活を送るのは耐えられない。
窓を見ると外は粉雪がチラついていた。
マーガレット待ってて。お母さんごめん。行ってくる。
箪笥から赤いマフラーを取り出し首に巻く、ついでに毛糸の手袋もはめた。
――犯人を捕まえるなんて無理だけど、誰なのか正体だけでも掴みたい。
冷え性でかじかむ手を擦りながら、冷えた玄関のドアノブを回すと、冷気が全身を襲いかかり、身体が氷のようになる。
すると隣の家のジャックが玄関から出てきたところだった。
「あ、あれっ、メアリ。なんでここに? メアリが転校したから、学校が最近つまらないや」
いつもなら、冗談ばかり言うジャックが眉毛を八の字の形にして、情けない顔になっていた。私が転校してから三ヶ月。寂しかったんだろう。内心ほくほくして口元が緩んでしまう。
「え? 何言ってんのよ。いなくてせいせいするって言ってたのどこのどいつなのよ」
「そんなこと言ったっけ? それはそうと、こんな夜更けにどこ行くんだよ」
ジャックは、私をジロジロ見てくる。前はボロボロの服を着て学校に通っていたけど今は綺麗な紺の制服姿にコートを羽織っている。少し恥ずかしくなってくる。
「別にいいでしょ。夜の八時にあんたこそ、どこ行くのよ?」
「まあ、あれだ。ランニングだよ。丁度、家の周りを走るとこだ」
そう言うと、道端で準備運動をし始めた。なんか白々しい。嘘だ。こんな寒い時間に普段走るわけがない。
「それより、メアリは?」
「私はこれから犯人探しに行くんだけど」
「は、犯人探し? 何の? 危険なことはやめた方がいいんじゃないの?」
「学校で私が泥棒だってクラスメイトに目をつけられてるの。絶対犯人見つけてやる」
「こんな時間に? しょうがないなあ。夜道は危ないからついていこうか?」
「なんであんたが付いてくるのよ?」
「城下町は酒場もあるし、酒に酔った人に絡まれたりするかもしれないし、でもまー、メアリが襲われることは有り得無いか」
ジャックは私の胸を凝視して鼻の下を伸ばす。失礼だわ。
「しょうがないわね……」
と言いつつも、心細かったから、嬉しかった。そんな私たちを夜空に隠れた三日月がぼんやり見つめていた。
そして、馬車に乗り込むと、手網を握り鞭を構える。
「馬車も覚えたの?」
「そうよ! 自宅から学園が遠い子は貸出もしてるの! でも、半年もすれば、学生寮が借りられるからそれまでは辛抱してるの、というか、最近は馬の扱いにも慣れてきて楽しくなってきたところよ」
「えー! いいなー! 今度教えてくれよ」
「嫌よ! あんたが操作したら谷底に落ちていくわ……」
私らしくない。どうしてジャックの前だとこんなにも素直になれるのか……。
それから15分ぐらい走らせたところで、沼のようなところで馬車の車輪が埋まってしまい。いくら鞭を叩いても進まなくなってしまった。
「どうしよう」
二人して馬車から降りて荷台を持ち上げようとするけれども、ビクともしない。
「俺が走って家まで戻って応援呼んでこようか?」
困った。まさかハマるなんて。だったら周りの草を抜いて車輪の下に草をかませたらいけるかもしれない。今は冬で草も枯れてて調度良い。
「辺りの草を抜いて! 下に敷いたら大丈夫かもしれないわ」
私たちは雪の中、枯れ草を集めていた。
すると、城下町の方から馬車が向かってきて、私達の馬車が傾いているのを見ると停車してくれた。
手を振る貴族の様な出で立ちの男性と隣には女神様の様な方が馬車の窓から見えた。
「どうされました? あー、荷台が落ちてますね! レオン様ー」
私たちはせっせと草を集めていたら、人の良さそうな手網を掴んだ騎士が話しかけてきた。
「おお! これは大変だ。アリス悪いが少し待っててくれないか。荷台を押してくる」
そんな言葉が聞こえた。嘘でしょ。このアップル王国の人っていい人多い?
私とジャックで車輪の下に草を敷き、レオンとその従者っぽい騎士が荷台を押してくれて何とか沼から出すことが出来た。
「ふー! 久しぶりに良い仕事をした」
「ありがとうございます。私、調合学園の生徒で今から城下町に戻るところでした」
「こんな夜更けに? まあ何かあるのだろう」
「あなたっ、そんな人の事詮索なさらなくても宜しくてっ! 私たちは、この辺りに美味しいパン屋さんがあると聞き、探していたのです」
「まさか王族の方ですか?」
着ている服があまりにも高価なのでその辺の市民でないことは、私にも分かる。
「いえいえ、元貴族の方ですよ。今は旅行を楽しんでいるとか……」
「セバスチャンっ。無駄口挟まないで」
「シャルロット、従者にあまりキツくしないでくれよ」
ん? シャルロット? なんか聞いたことあるような。でも、私は今それどころじゃないし。この辺りでパン屋を営んでいるのは、私の家ぐらいしかない。まさか、私の家?
「すまない、聖女様に教えて貰ったパン屋はこの辺りのはずなんだが、分かれ道が多い。もしかしたらもう少し奥かもしれない」
「もうっ、夜ご飯抜いてきているんですから、不味かったら容赦しませんよ」
お姫様のような綺麗なドレスを身に纏うシャルロットがいきり立っている。
これ以上このままだと良くない雰囲気になりそう。
「もしかしたら、私の家かもしれません。クリームメロンパンの有名な店なんですけど……」
「お嬢さん。そうなんです。聖女様が、あんな香りが芳醇で鼻をつきぬけるクリームメロンパン食べたことないから、死ぬまでに一度は食べてご覧なさいなんて仰るものですから、うちのアリスはメロンパンに目がないもので、本当にありがとう。して道は……」
私は行き先を教えてあげて、代わりに変なお守りを頂いた。なんでもこれを持っておけば幸運が舞い込むとか。あまり信じてないけど好意で頂いたのだから持っておこう。
「シャルロット……じゃない。アリスっ。行こうか! やっと君の念願が叶いそうだ」
感じの良さそうな夫婦だと思った。シャルロットって王妃様の名前に似てるけど。まさかね。こんなとこにいるわけないか。
手を振り、レオンさん達と別れて、城下町にある調合学園へと急いだ。
学校の倉庫を監視すれば、誰が犯人なのか突き止めることができるはず。
昼間は学生や教師がいるから、事件が起こるのは夜しかないはず。
隣にいるジャックは目を輝かせて、私の隣にいられるのを喜んでいるような感じだった。
「凄いぞ! 今から俺もアップル調合学園の生徒だっ!」
「違うわよ。内緒で入って朝みんなが来る頃にはあなただけ歩いて村に帰ってもらうわよ! 分かってるわね?」
「なんで、そー、なるのっ!」
冗談を言い合っているうちに、城下町が見え、私たちは、学園の庭に馬車を停める。
ジャックは私が初めてここを訪れた時と同じような表情をしていた。まるで夢の国に足を運ぶ様なイキイキとした顔を。
だから私は、つい彼の手をとり、繋ぎながら校門をくぐってあげたのだ。
興味もないジャックになんでこんなことしたのか、よく分からない。
この学園は一人一台馬車の貸出があり、自由に使うことが許可されている。
だって犯人扱いされてるから、一緒にいたらマーガレットも仲間だと思われたら嫌じゃない? マーガレットの気持ちは嬉しいけど犯人を探すなんて到底不可能だ。昼間の皆がいる時間に盗んでいるのか、それとも夜の間に学校の関係者では無いものが勝手に侵入しているのか検討もつかないからだ。
家に戻るとお母さんは私の顔を見て少しびっくりした様子だった。よっぽど酷い顔をしてたんだと思う。
「学校で何かあった?」
心臓がバクバクしてくる。学校から逃げて来たなんて言えない。
「忘れ物したから……」
咄嗟に嘘をついてしまった。喉に何かが引っかかるような掠れた声で。
さすがに学校で泥棒扱いされてるなんて口が裂けても言えない。心配かけたくない後ろめたい気持ちで2階の部屋に戻り静かに鍵をかけた。
明日からどうしよう。このままここにいたら、私が犯人てことになってしまう。なんて馬鹿なことをしたんだろ。やってもないのに。頭の後ろ首筋が凝ったように痛くなってくる。
「メアリー! ちょっと来て。パンとスープ用意したから」
こういう時のお母さんの声は信じられないくらい優しく聞こえて、思わず学校での顛末を話して楽になりたいと思ってしまう。
下に降り俯いてコーンスープをすすると酸っぱい。涙が流れてきて味が分からない。
「どうしたの? 何かあったの?」
「ううん。何でもない。忘れ物もあったし戻るね。学校」
「メアリ。無理だけはしないでね。新しい環境に入れば必ず邪魔をしてくる人間は少なからずいるわ。でもねあなたが知らないとこであなたの事を大切に思っている人もいるの。その人のことを大切にするといいわよ」
お母さんは何でもお見通しだ。客商売をしているせいか、人の心が読めるんじゃないかと思う時もある。もちろん大切な人はマーガレットの事だ。
このまま犯人が分からないと、いつまで経っても私が疑われてしまう。クラスメイトは嘘つきアミの話を信じてはいないと思うけど、犯人扱いされたまま学園生活を送るのは耐えられない。
窓を見ると外は粉雪がチラついていた。
マーガレット待ってて。お母さんごめん。行ってくる。
箪笥から赤いマフラーを取り出し首に巻く、ついでに毛糸の手袋もはめた。
――犯人を捕まえるなんて無理だけど、誰なのか正体だけでも掴みたい。
冷え性でかじかむ手を擦りながら、冷えた玄関のドアノブを回すと、冷気が全身を襲いかかり、身体が氷のようになる。
すると隣の家のジャックが玄関から出てきたところだった。
「あ、あれっ、メアリ。なんでここに? メアリが転校したから、学校が最近つまらないや」
いつもなら、冗談ばかり言うジャックが眉毛を八の字の形にして、情けない顔になっていた。私が転校してから三ヶ月。寂しかったんだろう。内心ほくほくして口元が緩んでしまう。
「え? 何言ってんのよ。いなくてせいせいするって言ってたのどこのどいつなのよ」
「そんなこと言ったっけ? それはそうと、こんな夜更けにどこ行くんだよ」
ジャックは、私をジロジロ見てくる。前はボロボロの服を着て学校に通っていたけど今は綺麗な紺の制服姿にコートを羽織っている。少し恥ずかしくなってくる。
「別にいいでしょ。夜の八時にあんたこそ、どこ行くのよ?」
「まあ、あれだ。ランニングだよ。丁度、家の周りを走るとこだ」
そう言うと、道端で準備運動をし始めた。なんか白々しい。嘘だ。こんな寒い時間に普段走るわけがない。
「それより、メアリは?」
「私はこれから犯人探しに行くんだけど」
「は、犯人探し? 何の? 危険なことはやめた方がいいんじゃないの?」
「学校で私が泥棒だってクラスメイトに目をつけられてるの。絶対犯人見つけてやる」
「こんな時間に? しょうがないなあ。夜道は危ないからついていこうか?」
「なんであんたが付いてくるのよ?」
「城下町は酒場もあるし、酒に酔った人に絡まれたりするかもしれないし、でもまー、メアリが襲われることは有り得無いか」
ジャックは私の胸を凝視して鼻の下を伸ばす。失礼だわ。
「しょうがないわね……」
と言いつつも、心細かったから、嬉しかった。そんな私たちを夜空に隠れた三日月がぼんやり見つめていた。
そして、馬車に乗り込むと、手網を握り鞭を構える。
「馬車も覚えたの?」
「そうよ! 自宅から学園が遠い子は貸出もしてるの! でも、半年もすれば、学生寮が借りられるからそれまでは辛抱してるの、というか、最近は馬の扱いにも慣れてきて楽しくなってきたところよ」
「えー! いいなー! 今度教えてくれよ」
「嫌よ! あんたが操作したら谷底に落ちていくわ……」
私らしくない。どうしてジャックの前だとこんなにも素直になれるのか……。
それから15分ぐらい走らせたところで、沼のようなところで馬車の車輪が埋まってしまい。いくら鞭を叩いても進まなくなってしまった。
「どうしよう」
二人して馬車から降りて荷台を持ち上げようとするけれども、ビクともしない。
「俺が走って家まで戻って応援呼んでこようか?」
困った。まさかハマるなんて。だったら周りの草を抜いて車輪の下に草をかませたらいけるかもしれない。今は冬で草も枯れてて調度良い。
「辺りの草を抜いて! 下に敷いたら大丈夫かもしれないわ」
私たちは雪の中、枯れ草を集めていた。
すると、城下町の方から馬車が向かってきて、私達の馬車が傾いているのを見ると停車してくれた。
手を振る貴族の様な出で立ちの男性と隣には女神様の様な方が馬車の窓から見えた。
「どうされました? あー、荷台が落ちてますね! レオン様ー」
私たちはせっせと草を集めていたら、人の良さそうな手網を掴んだ騎士が話しかけてきた。
「おお! これは大変だ。アリス悪いが少し待っててくれないか。荷台を押してくる」
そんな言葉が聞こえた。嘘でしょ。このアップル王国の人っていい人多い?
私とジャックで車輪の下に草を敷き、レオンとその従者っぽい騎士が荷台を押してくれて何とか沼から出すことが出来た。
「ふー! 久しぶりに良い仕事をした」
「ありがとうございます。私、調合学園の生徒で今から城下町に戻るところでした」
「こんな夜更けに? まあ何かあるのだろう」
「あなたっ、そんな人の事詮索なさらなくても宜しくてっ! 私たちは、この辺りに美味しいパン屋さんがあると聞き、探していたのです」
「まさか王族の方ですか?」
着ている服があまりにも高価なのでその辺の市民でないことは、私にも分かる。
「いえいえ、元貴族の方ですよ。今は旅行を楽しんでいるとか……」
「セバスチャンっ。無駄口挟まないで」
「シャルロット、従者にあまりキツくしないでくれよ」
ん? シャルロット? なんか聞いたことあるような。でも、私は今それどころじゃないし。この辺りでパン屋を営んでいるのは、私の家ぐらいしかない。まさか、私の家?
「すまない、聖女様に教えて貰ったパン屋はこの辺りのはずなんだが、分かれ道が多い。もしかしたらもう少し奥かもしれない」
「もうっ、夜ご飯抜いてきているんですから、不味かったら容赦しませんよ」
お姫様のような綺麗なドレスを身に纏うシャルロットがいきり立っている。
これ以上このままだと良くない雰囲気になりそう。
「もしかしたら、私の家かもしれません。クリームメロンパンの有名な店なんですけど……」
「お嬢さん。そうなんです。聖女様が、あんな香りが芳醇で鼻をつきぬけるクリームメロンパン食べたことないから、死ぬまでに一度は食べてご覧なさいなんて仰るものですから、うちのアリスはメロンパンに目がないもので、本当にありがとう。して道は……」
私は行き先を教えてあげて、代わりに変なお守りを頂いた。なんでもこれを持っておけば幸運が舞い込むとか。あまり信じてないけど好意で頂いたのだから持っておこう。
「シャルロット……じゃない。アリスっ。行こうか! やっと君の念願が叶いそうだ」
感じの良さそうな夫婦だと思った。シャルロットって王妃様の名前に似てるけど。まさかね。こんなとこにいるわけないか。
手を振り、レオンさん達と別れて、城下町にある調合学園へと急いだ。
学校の倉庫を監視すれば、誰が犯人なのか突き止めることができるはず。
昼間は学生や教師がいるから、事件が起こるのは夜しかないはず。
隣にいるジャックは目を輝かせて、私の隣にいられるのを喜んでいるような感じだった。
「凄いぞ! 今から俺もアップル調合学園の生徒だっ!」
「違うわよ。内緒で入って朝みんなが来る頃にはあなただけ歩いて村に帰ってもらうわよ! 分かってるわね?」
「なんで、そー、なるのっ!」
冗談を言い合っているうちに、城下町が見え、私たちは、学園の庭に馬車を停める。
ジャックは私が初めてここを訪れた時と同じような表情をしていた。まるで夢の国に足を運ぶ様なイキイキとした顔を。
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